冬の観光を考える
2013/01/06記
 戦後間もなく、冬の寒い時期に観光客が来ない事を解決するため札幌で始まった雪まつりも今年は64回目を迎えるようで、日本のみ成らず世界に発信される大きなイベントに成長している。
 
 房総では冬でも暖かな気候を利用して、千倉を中心に花摘みが初春に掛けての観光の中心であったが、最近ではLEDの普及とともに全国的に展開されているウインターイルミネーションが木更津周辺でも見られるようになってきた。
 
 まずは近隣で撮影したものを列挙する。最初は昨年の春に開業した三井アウトレットモールで11月18日に撮影したものである。
 フードコートの外側に大きなツリーと青い電飾が広がり、木更津にも綺麗な場所が出来たと思ったものである。買い物客へのサービスとして無料で提供するので規模はそれほど大きくない。
 
 次に、東京ドイツ村で12月17日に撮影したものである。ここは房総を代表するだけでなく、(社)夜景観光コンベンション・ビューローが昨年10月5日開催の「夜景サミットin長崎」において「関東三大イルミネーション」として認定されたという評判の場所である。
 種類の多様性とレストラン周辺でのアトラクション、さらには全体像を確認するためには観覧車に乗る必要があるほどの「地上絵」的スケールなど、これは一見の価値があると感心させられた。その噂が広がったためかは解らないが、クリスマスイブでは施設に入りきれない車で周辺は大渋滞だったと聞く。
 なお、「関東三大イルミネーション」の残る2箇所は栃木県の「あしかがフラワーパーク」と神奈川県の「江の島(湘南の宝石)」との事であるが、そこまで足を運んでいないのでドイツ村との優劣は比較できない。
 
 3箇所目としてマザー牧場で1月4に撮影したものである。
 ドイツ村と同様に有料の施設であるが、規模と構成の両者で大きく引き離されていると感じた。ただ、周辺が暗いため星空が綺麗な事と、場所を変えれば東京湾の夜景が良く見えることが鹿野山の売るべきポイントと思うところであるが、それは活用されていなかったと思われる。また、敷地の広さや立派な木立など、沢山の財産があるので、本気を出せば凄いものが出来るのは間違えないので来年に期待したい所である。
 
 このように美しい景色は人の心を弾ませるもので、東京六本木のけやき坂や神戸のルミナリエなどは大勢の人が集まり、街は大変活性化している事を報道が伝えている。
 電気使用量のピーク時間からはずれているとは言え、原子力発電所が停止して電力が化石燃料に頼らざるを得ない中で大規模に電気を消費するのは如何なものかというような意見も聞くが、そんな目くじらを立てるようなものではなく、過度でなければ全国的に商店街でも展開される事は嬉しいと思う。
 
 雪も降らず冬の観光が希薄な内房地域でも、このような冬の観光が増えてくることは嬉しいものである。後はこれらを見た帰り道に木更津市街地まで足を伸ばすような魅力が出来ているか、そしてそれが伝わっているかという事なのだろう。ルミナリエのような大規模な投資は難しいだろうが、何とか智恵を絞り、街中も賑わう冬を迎えたいものだと、夜歩く人が減っている木更津の街中で思っていた。