地域手当に関し要望する
2013/01/29記
 職員の地域手当に関しては、本則の5%はもちろん、執行部提出の3%支給でもなく、人事院勧告に準拠して0%支給とするよう、昨年の2月17日にも『要望書』という形で提出した
 今年の対応を検討する中で、要望という行為は会派という単位で行い、昨年賛成していただいた多くの議員もそれぞれとして対応していただくことで、多くの要望書が届けられる形式にした方が良い、という事になり、本年も今日の夕方4時に提出を行った。
 提出した要望文を下記に転記する。
 
平成25年1月29日
木更津市長 水越勇雄 殿
 
職員の手当に関する要望書
 
 先の衆議院議員選挙の結果、3年ぶりに政権交代がなされ、新しい経済政策に対する期待も高まるなか円安株高が進み、経済状況には明るい兆しが生じております。しかしながら、一層進む高齢化や社会資本老朽化への対策、東日本大震災からの復旧など巨額の財政需要が続くため、消費税率を段階的に引き上げるなど、国家財政の窮状は依然として続くことが予想されています。
 そのような状況を反映し、平成25年度の国の予算では地方交付税が前年度比で4千億円削減される見通しであります。交付団体である我が市にとって、地方交付税の削減は住民サービスの低下に直結する事件であります。
 また、木更津市は金田東地区で大型商業施設が続々と営業を開始し、人口も引き続き増加を続けるなど、歳入には明るい兆しが見えております。しかしながら歳出については今後の学校耐震事業や新庁舎の建築事業にむけ百億円を超える巨費が予想されることをはじめとし、橋梁や下水道等の社会資本の更新費用にも巨額な予算が必要とされ、さらには民生費の増加が今後も引き続き予想されるなど、財政健全化には未だ厳しい道のりであると言わざるを得ません。
 さて、表記の地域手当についてでありますが、近隣市の支給状況や、職員組合との合意事項であること等の理由が有ることも十分理解しておりますが、官民格差との精査が不十分であることやデフレによる物価の下落などの諸般の状況を鑑みれば、人事院勧告に従わずに地域手当を支給する正当な理由が見いだせないばかりでなく、財政面からも、住民サービスを維持しながら、これまで通りに支給することは極めて難しい状況にあると言えます。少なくとも国家公務員の給与削減期間が継続される平成25年度は0%支給を行うべきと、私たちは考えます。
 以上により私たちは木更津市の地域手当支給について、下記に掲げる事項を実施するために必要な特段の措置をされるよう要望します。 
 

 
1. 地域手当の支給に関する特例措置を講じて、常勤特別職を含む全ての職員に対して、平成26年3月31日まで地域手当の支給は行わないこと。
以上

会派羅針盤 代表 斉藤高根
賛成者 草刈慎祐
〃  宮木康弘
〃  近藤 忍
〃  平野卓義
〃  鶴岡大治
 
 昨年と基本的含意は一緒なので、今回の提出はイベント的に実施するのではなく、市長・副市長・総務部長が出張等で不在の中、総務部次長兼職員課長に対して粛々と行い、翌日の会議で報告が行われるという事になるようだ。
 
 地方自治体の職員給与について、国家公務員と同じように削減を求める意見が政府より出されたばかりではなく、総務大臣の署名が入った文章が各自治体に届けられているようで、この日の夜のニュースでも大きく取り上げられていた。
 地方自治体の職員給与を決める権限は地方議会にあるため、政府が直接関与出きるものではないが、地方交付税の配分や、補助案件の採択に関して条件とするなど、財政上の締め付けが行われそうな状況である。つまり、支給が多い自治体で自主財源が乏しい所は住民サービスが低下する可能性があるという事である。
 
 国家公務員の給与を100とした場合の自治体職員の給与を表す値がラスパイレス指数であるが、総務省のHPには自治体の種別にその一覧が発表されており、市区町村(指定都市及び中核市を除く1,677団体)の上位50団体を見ると12位までの中に木更津市と隣接する君津市・袖ケ浦市・市原市が全て入っている。これらの3市は臨海工業地帯の税収で自主財源が強く、今回の政府による勧奨をはねつけるのか注視したいところであるが、それと本市を同列で考えて良いのか悩ましい話である。
 さらには、今後、政府の職員給与引き下げの指導に対し、執行部や議会がどの様に判断すべきかなど、地域手当を越えた課題が山積みである。
 今回の3月議会だけでなく、しばらくは悩ましい問題が続くことも覚悟しながら、取り敢えず要望書の提出報告を行う。