円安と訪日外国人に思う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2013/04/25記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日銀の総裁に黒田さんが就任し、今月4日に発表された、マネタリーベース(資金供給量)を2年間で2倍にするなどの「異次元の金融緩和」が進んでいる。米FBR議長・ベン・バーナンキ氏がヘリコプターから金をばらまいているような緩和策を執り「ヘリコプター・ベン」と呼ばれていたが、既に「ヘリコプター・ハルヒコ」と海外では言われているという話である。 ともあれその結果、円はドルに対して急激に値下がりし、一時は80円を切っていた為替相場が100円を突破する勢いである。日本人の給与は円で支払われているので、ドルベースだと労働単価が一気に2割以上安くなったことで輸出企業は息を吹き返し、春闘では満額回答が数多く出された(それでもドルベースでは値下がりしている)。 これだけ急激な為替の変更がありながら、輸入品を含めた物価の変動は比較的小幅で済んでいる。市場規模が大きく、先物取引が効果を発揮しているのであろうが、流通や商社の努力も大きいことが予想される。 日銀の金融緩和によって、韓国や台湾など競争関係のある地域には経済の悪影響も予想される所であるが、日本の安定した物価が相対的に割安感となったためか、今朝の新聞によると先月に日本を訪れた外国人は前年同月比26.3%増の857,000人で、3月としては過去最高だったようだ。ちなみに今までの最高は2008年の732,000人であったようである。 東日本大震災から2年が経ち、リーマンショックからの不景気が落ち着いてきたとは言え、日中間の正常化が為されていない中での達成に驚かされた。ちなみに朝日新聞に記載された国別の値は下表の通りである。 |
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増減は前年同月比で、中国のみ減少しているが他のアジア諸国は顕著な延びを示しており、台湾・香港・タイ・インドネシア・フィリピンでは前年比で6割以上も増加している。東南アジアの安定と発展がこの数値からも読みとることが出来る。 この新聞で発表された数値を元に、純粋な増加数を計算し、百人単位になるように丸めて並べ直してみると、次のようになる。 |
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中国が3万人近く減らしている分を香港で概ねカバーしてる事が解る。人口が約23百万人の台湾や約7百万人の香港と言ったさほど人口規模が大きくない地域から大勢の人が日本に来ていただいている事には感謝したい。 増加の著しいASEAN諸国ではあるが、地域内の人口を考えると、まだまだ日本に来ている人の数が少ない。街を歩いても英語・中国語・韓国語の看板を目にすることがあってもタイやマレーシアの言葉で案内が書いてあるものを見ることがまず無いような環境の悪さに加え、英語の堪能な日本人が少ないことや、円安になってもまだ物価格差が大きいことが躊躇わせる原因であろう。 来訪者の上位15位に入っていないベトナムの人口は約9千万人で、現在も増加を続けている。先月に訪問した時には日本語を話すベトナム人の多くが学校での勉強に留まり、実際に日本に来たことが無いことを知ったので、そのような人達を安価に招いて日本を経験して、より一層のファンになって貰うような施策を進めて行くべきだと思った。 明後日からGWが始まり、日本から多くの人が海外へ出ていく事になるだろうが、旅先で日本との関係を考え、世界の中における日本というものを考えられる国際人への第一歩になって貰えればと思いつつ、自分は国内に出かける予定でこの頁を記載した。。 |