庁舎の集約を考える | |||||||||||
2013/07/20記 | |||||||||||
昨日開催された庁舎整備特別委員会において、庁舎整備基本計画の原案が示された。委員会で出された意見の幾つかを反映させて22日から翌月22日までの1ヶ月間にパブリックコメントを行って市民の意見を聞くという事である。特別委員会では副委員長という立場から会派の他の者に質問してもらっていたが、今回は色々と思う事を書かせていただきたいと考えている。 今回の基本計画が基本構想と変わったことは数多くあるが、庁内で検討を進めた結果、市民サービスと行政効率の向上を考慮して、今まで集約の対象としていなかった健康推進課や下水道推進課等も新庁舎に入れる方針となり、当初の想定職員数486人が91人増加した577人となり、延床面積も15,000uから2割増加した18,000uとなった事が注目される。面積の増加は建設費の増加に直結するので今回はそれを検証したい。 現在、木更津市の組織の内、本庁舎の外に出ている組織は4部6課と2委員会であり、まなび支援センターの「あさひ学級」や「幼児言語教室」等の実践部門を除いた事務部門も含めると、次に示すような6箇所の建築物に分散している。 |
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市役所に相談に来た市民が、別の建物に移動しなければ用事が済まないという事は確かに不便であり、また職員にとっても他の部署と調整を行うために公用車で移動していては事務効率が上がらないことは理解できる。視察に行った福生市や町田市でも分散庁舎の解消を新庁舎建設の理由に挙げていたぐらいである。 また、第2庁舎や保険相談センターは新耐震基準を満たしていない上に老朽化が進んでいるので、資産所有のダウンサイジングという視点に立てば集約して廃止し、解体して駐車場利用とするか売却処分してしまうことも長い目で見れば管理費の削減となり、財政に寄与することであろう。 しかし、世がバブルに浮かれていた頃に建築されたクリーンセンター管理棟や下水処理場管理本館は、外壁にタイルを使うなど、施設も綺麗でまとまった面積があり、集約によって発生する空間を活用しないと言うので有れば非常に勿体ない。立派な執務室が有りながら書庫や文化財保存空間として利用するのは効率が悪い。 築地にイオンが進出する中で、事業者にオフィスとして貸し出す等を考え、市役所建設に伴う支出を補う手法を考えるべきではないかと考える。 集約しなくても何とかなる部局はあえて分散し、建築面積を抑制する事で事業費の削減を図る、という視点も、財政が厳しい中では必要なのでは、と考える事も必要であろう。 なお、今回のパブリックコメントでは事業手法は民間資金の活用による公共施設の整備(PFI)とし、運営も建設後に所有権を市に移した後に民間事業者による維持管理運営をするBTO方式と定め、全体事業費を80億9千万円と試算しながら、毎年の支出計画を示さない方針のようだ。 金額の話は想定が変わると大きく変わるので、現在示した値が一人歩きしてしまうことを畏れているのだろうが、市民に深く考えて貰うためには、条件を明示して、値も示すべきだろう。 |
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この表はPFI事業期間を15年とし、事業期間中の庁舎管理費用を毎年1億3千万円強と仮定し、建設費の一部を現在の庁舎建設基金を活用した25年償還の市債で補うとした場合の一例で、最も有利なパターンとして市議会に示された物を私が読みとり、再作図したものである。 今後は他の建築物や橋梁といった社会資本の更新と、高齢化の進展による扶助費の増加の中で、平成34年から、毎年4億円を上回る支払いを続けることに本市が耐えきれるか、その点を議会でも慎重に考えなければ成らないことになるのだが、市民にも同じ視点で庁舎の更新について考えるヒントにして貰いたいと考え、あえて記述することにしたものである。 月曜日よりパブコメが開始されるので、家族や知人と話題にし、考えたことをどんどん市に寄せていただきたいと願いながら、今回の文章を終える。 ※8/20追記:グラフが違うのではという指摘をいただいて確認したところ、当初薄黄色の線で示していた物は平成29年度以降はDBO方式(公共が資金調達し、所有権を有したまま施設の設計・建設・維持管理及び運営等を民間事業者に包括的委託する方式)での資産値を使っていたことが判明。PFIによる場合は青色の線で、平成43年までは維持管理費等の毎年1億円強を含め、6億円程度の負担が必要となる事が正解である。なお、平成44年以降は維持管理を別会社に委託することが想定されるため、上図とは別にその費用が必要となる。 |