東京の改造を考える
2013/09/26記
 東京オリンピックが決まって国民の気持ちが前向きになってきたのか、首都高の改修やリニア中央新幹線等、急に様々な計画が動き始めたように聞こえてくる。
 
 そもそもオリンピックだけで多くの建設が必要になり、立候補の計画内容では、37の競技会場のうち15会場は既存施設を利用し、新設の22箇所のうち新国立競技場を含めた11会場は恒久施設として将来に残し、残り11会場は仮設施設として建設すると聞く。これらの競技会場と選手村等の施設建設に総額4554億円が必要とされているが、建設物価の上昇に伴い、実際にはそれより多くの費用が必要になると想像される。
 
 労務費や機械資材のリース料、材料費といった建設物価をつり上げるのはオリンピック開催までに並行して多くの工事が必要になるからである。例えば首都高は本年当初に全長約300kmのうち47kmが老朽化し、造り直しや大がかりな修繕が必要だと発表していたが、この更新作業をオリンピックまでに済ませようとしているようにも聞く。こちらの改修は9100億円と試算されており、さらに日本橋の上空を覆う高架橋を地下に移した場合はそれを遙かに上回る費用が生じることになる。
 
 さらに総額が5兆円を超えると予想されるリニア中央新幹線はオリンピックに間に合わないが、環境影響評価と詳細な路線図を発表したように、これからの7年間に具体的な工事に取りかかる事は間違えない。JR東海の発表によると品川〜名古屋の路線距離は286kmで、このうちトンネルが246kmと86%を占め、都心部は所有権の及ばない大深度地下空間を利用することになっている。日本中のトンネル技術者で間に合うかと心配になるほどの延長と難易度である。このプロジェクトが動き始めるのは感動的でもある。
 
 この様に、これから数年間は東京の大改造が行われることに成るのだが、それを木更津の利便に結びつけて考えねば成るまい。例えばJR東海の発表した図面に示す品川駅は現在のアクアライン高速バス停の近傍となる幸運を得ている。
 そこでこれから首都高が大がかりな修繕を行う1号羽田線の高架橋の工事に合わせて品川駅近傍に追加インターを設置するように求めていく事で木更津〜品川が45分程度に成ると思われ、木更津〜名古屋だって乗り換えを含めても2時間以内に収まるようになるだろう。
 またトンネル工事で発生する公共残土が、スーパー堤防等の都内の事業で完結してくれればよいが、その引受先が無い場合、再度木材港の埋立を検討の遡上に乗せる事も必要かも知れない。
 
 何より近隣で起きるこの巨大プロジェクト群によって、建設物価が高くなる中で、新市役所の建設やインフラの更新を行っていく本市は、どの様に経営合理化を進めるべきか考えなければならないだろう。
 東京から聞こえてくる多くのニュースに対し、最近はその様なことを考えている。