袋井市の湊命山で思う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2014/01/09記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成26年が始まった。年末から細かい地震が多く発生しているような気がして、気象庁のHPからここ1週間のM4以上の地震を拾い上げてみると下表のようになった。千葉県東方沖が3回も含まれているので、多く感じているのかも知れない。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
いずれにしろ、東南海地震が遠く無い時期に発生すると予想されているので、その前に様々な対策を講じることが自治体の責務であると私は考えている。 そんな事を考えながらニュースを見ていたら昨年の12月22日に私が9月議会で参考に挙げた『湊命山』(静岡県袋井市)が完成したと知った。これは早々に見に行かねばと思いながらも年を越し、岩根中学校の同窓会の幹事を務め終えたので平成26年1月5日にアクアラインを使って見学に行った。 これは遠州灘から約1kmの、周辺に高い岡もビルも無い「湊地区」で、海抜2.8mの土地に7.2mの盛土を行い、四方に階段と、車椅子用の8%のスロープを設け、最上段は海抜10mの高さに面積1,340uの平場(一部植栽有り)を設けたものである。 通常は健康増進に使ってもらうよう常時開放された岡の上に登ってみると「津波警報解除までは帰らない!!」と表示された案内板があり、収容人数が1,340人、盛土の法尻は地盤改良、法面の保護のために芝生を張っていることなどが記載されていた。 敷地の一部には9台の舗装された駐車場や公衆便所、調整池も有り、整備水準は高い。この事業について詳細な情報は看板から読み取れないので、帰宅後に袋井市役所のHPから総務部防災課にメールで質問を行い、本日解答を戴いた。 当該場所の敷地面積は6,433uで、盛土総量は約25,000m3である。事業費については@用地費が65,294,950円で国県の補助は無い、A工事費は141,645,000円で、H24工事費は県費補助1/3であったが、H25工事費は県費補助制度改正により1/2補助に上がったようだ。他には調査測量設計に7,459,200円(県費補助1/3)、工事で周辺家屋等に損害が発生していないか調査する費用として1,866,900円を支出しているようだ。 土は公共残土を利用しているので購入費は生じないが、地盤改良や整形、芝や舗装や付帯施設の建設に事業費を掛けているため合計で2億円を超えるものとなっている。しかし、避難タワーを建設するより安価で済むため、今後も2箇所で命山を建設する予定であると、中日新聞のネット版には記載されている。 太平洋に直接向き合う静岡県の自治体とは状況が異なるが、木更津市でも津波ハザードマップで2mを超える浸水が予想され、近くに避難が可能なビルが無い小櫃川河口南岸では、同様に公共残土を使用してこのような物が作れないかと思いながら、先進地の取り組みを見てきたのである。 |