ソチでの活躍に思う
2014/02/21記
 オリンピックに入る前から「高梨沙羅」「浅田真央」といった選手がアイドルのようにもてはやされ、4位に終わった高梨選手にはプレッシャーを掛けすぎたのかと反省があった気配がマスコミから感じられたが、昨日は浅田選手に対し厳しい目が注がれていたように思われた。
 
 とかくオリンピックになるとメダルの数が話題になる。今日(2月21日)までの日本人メダリストを取得日付順に並べてみると下表の通りである。
種目 選手名 結果
12 スノーボード男子ハーフパイプ 平野 歩夢
平岡 卓
13 ノルディック複合ノーマルヒル 渡部 暁斗
14 フィギュアスケート男子 羽生 結弦
16 ジャンプラージヒル個人 葛西 紀明
17 .ジャンプ男子団体ラージヒル 清水、竹内、伊東、葛西
19 スノーボード女子パラレル大回転 竹内 智香
21 フリースタイル女子ハーフパイプ 小野塚 彩那
 ハーフパイプの平野選手とフィギアの羽生選手以外は前評判を余り聞いていなかったが、41歳の葛西の活躍には感動を覚えたし、アイドルのように扱われることもなく、多くの日本人がルールも知らない競技で、スポンサーもなく世界と戦い続けてきた女子選手2人の活躍には清々しいものを覚えた。また5年連続入賞を果たしたモーグル女子の上村選手のように、メダルに届かなくとも力一杯戦った選手には感動を貰ったことを私は感謝したい。
 
 イギリスでは女子選手がメダルを取れる様にマイナー競技に強化費を入れていると朝日新聞の記事で読んだ。メダル至上主義に批判も出ているようだが、オリンピックで国威発揚が出来、更にはスポーツ強化に予算を回すことに対して結果が伴うことで国民理解が得られるなら、施策的には理解できる面も多い。
 冬季の種目は夏期に比べ個人で行おうとすると道具や遠征に費用を要するものが多く、多くの競技は限られた環境にある地方だけが戦っている感じがする。例えば北海道の上川・下川や長野県の白馬等、近所にジャンプ台が有る環境に育たないと世界と戦える事は出来ない。フィギアスケートのような室内リンクを使えるものは多くの可能性を持つが、羽生選手やトリノで金メダルの荒川さんが育った仙台のリンクは震災の後に存続の危機になった。本当にオリンピックを良いものだと思うのなら、多くの競技に継続的な国の支援が無いと難しいだろう。
 
 それにしても北海道や東北、信越の小さな自治体で多くのオリンピック出場選手が育ったという環境は有る意味羨ましい。木更津では冬季に進む選手を育成することは困難だが、夏の選手なら何とかなる可能性はある。
 世界と戦うためには早い内からのスポーツ体験が必要で、その為には運動施設の整備が必要になる。18日の基地対策特別委員会における江川総合運動場拡張の説明もあったが、まずはこの様な設備が整い、地域の子どもたちが切磋琢磨する中で金の卵が生まれてくる事になるかも知れない。その時には小野塚選手のサポートをした南魚沼市の市民のように、木更津市民も誰かを支えることが出来るだろうかとスポーツ報道を見て考えていた。