地域の祭礼に悩む
2014/07/28記
 昨日は江川熊野神社の祭礼の日であった。江川熊野神社だけに留まらず、江川日枝神社でも祭礼があり、他にも岩根西地区では岩根四丁目のふるさと祭、万石の子供祭があり、高柳では八幡様の祭礼があり、金田や中郷でも数多くのお祭りが行われる集中日である。
 これは、袖ケ浦にある坂戸神社系列に有る神社の全てが一斉に祭りを行うためで、別個に桜井でも祭礼があるようだが、木更津の北部で特に多くなるのである。因みに坂戸神社は現在、八剱八幡神社が管理しているため、坂戸系列の神社も八剱八幡神社の管理下に入っている。
 地元の支援者の方々も私が江川熊野神社の祭礼で忙しいから他の祭りには顔を出せないことが解ってくれており、申し訳なく思いながらも方々に出掛けなくて済むのは助かる。ただ、同時に進行している江川日枝神社は祭礼の巡航コースに近いので少し自分の祭りを抜けて顔を出している。祭礼のハシゴである。
 
 さて、この地域の祭礼は、それぞれに母体の形態が異なる。
 高柳の八幡様は立地する高柳三丁目自治会だけでなく、本郷や高砂など10を越える区が共同で祭礼を行っている一方、江川区では3箇所に神社があり、そのうちの2つの神社の氏子が個別に祭礼を行っているのである。岩根四丁目は区と祭りの主体が一緒であるので全ての区民が参加しやすい事に対し、江川では両方の神社の氏子を合計しても200世帯を大きく下回り、江川区に入っている約600世帯に対して1/3も網羅していない状況である。
 住宅を構え、江川を終の棲家と考えている人達やその子供たちが地域に愛着を持つためには、祭が自らのものであるという感覚を持ってもらいたいと思う一方、神社の維持管理を行ってきた旧来の住民の歴史的な一体感も重視しなければならない。さらには信仰の自由が有る中で、祭礼の費用をどの様に負担してもらうかとか、実際に多くの世帯が参加した場合に個別の家に獅子頭を入れて幸運を運ぶことが出来るか、さらには西岩根や岩根一丁目など現在は江川区の氏子が居住している隣接区で祭りが無い地域をどの様に考えるか等、悩ましい問題は数多くある。
 祭りが全てではないことは理解しているが、渡辺市長の所信表明に表されている『今後の「まちづくり」は、行政が主体となって行うものではなく、市民一人ひとりの社会参加の意識と積極的な行動の積み重ねによって実現される』ために、より一層の地域力向上を行うことが重要であり、多くの地域行事に参加する経験を重ねる事がそれに結びついていくものと思う。
 
 現実には氏子の高齢化による祭りの実施主体の弱体化の解決など目前に迫った課題も多く、誰かが問題提起をしなければならない状況を迎えている。とりあえず祭礼は成功裏に終了したが、来年以降に向けて難しい課題がある事に悩んでいるのである。