市民会館の休館に思う
2014/11/20記
 昨日開催された総務常任委員会協議会及び議会全員協議会で市民会館を来年の4月1日から休館することの発表があった。休館の理由は平成13年3月に行われた耐震診断の結果、安全が確保されている状況ではないという判断によるものである。
 今から13年前に行われた耐震診断の結果は次の通りである。
建物名称 構造耐震性能(Is値) 完成年月
大ホール棟 0.34〜2.37 昭和45年6月
中ホール棟 0.86〜1.53 昭和55年9月
小ホール棟 0.32〜1.85 昭和45年6月
会議室等 0.41〜1.93
レストラン 0.36〜0.55
 Is値が0.3を下回ると『地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い』と判断されるが0.3〜0.6の間では『地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある』と旧建設省の指針では定義されているため、危険性の程度は緊急を要するほどでは無いのであるが、0.6以上が『地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性か低い』とされるので、多くの人が使用する建築物としては中ホール以外は相応しくないという事に成る。個人的には過去の大規模地震で0.3以上の物には破損は出ているが大破の例が少ないので悩ましい値であると考える。また、構想物の耐震性能が高くても、東日本大震災では東京の九段会館において非構造材である天井が崩落したことで33人の死傷者が発生したこともあり、その対策が必要となる。
 
 従って、市の考え方としては4月1日より閉館として、中ホールのみは天井の崩落防止対策を行って8月頃から再オープンを行い、それ以外の建物は補強も念頭に詳細調査を行う中で11月頃を目標に運営方針を定め、それを市民に対して意見公募を行い、翌年の3月議会で方針の公表を行う計画のようだ。
 
 4月の予約件数は数多く入っているので、個人的には先ず中ホールだけを使用停止して補強を行い、中ホール再開後に全ての施設を休館とするべきではと考えるのだが、仮に5月に大規模地震が来て被害者が出た場合は管理責任を問われる事に成るので強く先延ばしを主張することは出来ない。
 もちろん、4月の前に大規模地震が発生する可能性も有るのだが、既に計画されている多くのイベントを中止させるわけには行かず、基準日を翌年度に定めただけである。
 
 この件について、何故13年も先送りになったのかとか、読売新聞にどの様に情報が漏れたのか等、気になることは数多くあるのだが、我が会派の宮木議員が来月3日の15:30から行う個人質問で取り上げるようなのでそれを期待したい。
 重要なことは、総務常任委員会協議会で鶴岡議員が言っていたように、中郷小学校を井尻に再建する方針のような、巨額の予算を伴う決定を市議会に協議無く決定してしまい、その後の予算承認を求めるような事だけは避けてもらいたいという事だ。
 東京オリンピックまでの建設費高騰の中で、突然百億円の新市民会館を作ります、といった事案が出てこないことを願いながら今回の文章を作成している。