討議資料を解説する
2015/02/23記
 討議資料を多くの方々に配り始めたが、ふと『具体的な提案はホームページをご覧下さい』と記載しながら具体的なことを整理していなかった事に気が着いた。過去の『最近思う事』や視察報告の全てに目を通すためにはどれ程の時間が必要か解らないので、ここで解説を行うことにする。
 
1.行政改革を推進する
・債権と財産管理の一元化

 木更津市の市税等の徴収率は県内でも低い値です。未納の対処を怠ると正しく納税している方々に不公平感を抱かせ、市政への信頼も失われます。何より貴重な財源に対し手をこまねいている事はサービス低下に繋がります。債権管理を一元化することで組織を強化して徴収体制を整えるべきと考えます。また財産管理を一元化することで公共施設の有効活用と更新業務の平準化を図り効率的な行政運営が可能になります。
 
・公共施設の広域化を推進
 ゴミ処理施設については現在でも四市で運営されており、水道については統合に向けて議論が進んでいます。火葬場や下水処理場、霊園やゴミ回収など様々な施設やサービスを広域化することでコストを抑えながら高度な行政運営が可能になると考えます。
 
・市立保育園民営化を推進
 自治体はどうしても市が実施しなければならない事務を行うようにして、民間で出来るものは可能な限り民間で行うとした官民連携の方針の中に市立保育園の民営化が有りますが、私が議員に成ってから話は出るものの具体的な進展はありません。民間保育園の質が市立に対して劣っている事もなく、かえって個性有る運営を少ないコストで行っているので有れば、民営化を進めるべきと考えます。
 
・小中学校の統廃合を検討
 非常に難しい問題では有りますが、小中学校適正規模等審議会の方針が出ても検討が止まっている状況です。教育委員会は複式学級が複数組発生するときが統廃合の検討時期と答弁していますが、子どもの教育環境を考えると、もっと早い段階での検討着手が必要と考えます。
 
2.市民生活を支援する
・子育て世代の公的な支援

 現在の木更津市は人口増加が続いていますが、死亡者数が出生者数を上回っている状況です。地域と国家の活性化維持のためには出産や子育てが容易に行える社会を構築し、子どもの数を増やすことが重要な施策です。それにむけて市として出来る公的支援を展開すべきと考えます。
 
・市民活動の活性化を支援
 市民活動支援センターの設置が決まっていますが、街の賑わいづくりや環境維持など、様々なボランティア活動を行っている市民団体を支援し活性化することで、結果的に公的部門を拡大せずに高度な行政運営が可能になると考えます。
 
・高齢者世帯の互助を支援
 高齢化と核家族化の進展に伴い高齢者世帯の孤立も進み、引きこもりに由来する健康状況の悪化、医療費の増加等の問題が発生しています。高齢者世帯がお互いに繋がり合うことを公共部門が支援することで、高齢者の生きがいを育むと共に医療費の抑制になると考えます。
 
・自然災害への防災力強化
 海溝型大規模地震や大型台風による自然災害の猛威が迫っているという危機感を常に持ち続け、平時に対策を様々に講じておくべきと思います。そのためには地域での訓練といったソフト対策と共に必要なハード対策も進めるべきと考えます。
 
・環境対策の組織化を推進
 空き地や空き家に対する「まち美化条例」が制定されましたが、指導強化体制を構築しないと絵に描いた餅に成りかねません。不法投棄や残土処理の問題など、都心が近くアクアラインの料金が低いだけに木更津は危険な状況にあります。対策の組織化が重要であると考えます。
 
3.木更津を活性化する
・公共交通の利便性を向上
 高速バスのハブ化によるネットワーク効果を発揮できるダイヤの検討や深夜・夜間バスの運行による羽田24時間対応を行うことが活性化に繋がります。JR巌根駅周辺では快速列車を停める事によりコンパクトシティの利便性を高める事が可能になります。久留里線についても「いすみ鉄道」を見習って活性化を図るべきと考えます。
 
・都市計画の再検討と改善
 都市計画や道路計画の中には検討が不十分なものや現状に相応しくないものが散見されます。今後の都市のあり方とインフラのダウンサイジングを検討する中で新しい都市計画を立案し、コストを削減しながら効率的な自治体を作っていくことが可能であると考えます。
 
・産業活動の支援体制確立
 アウトレットやイオンモールによって木更津の商業は活性化しているように見られますが、旧市街の商業は一層厳しい状況に置かれています。まちの活性化のためには既存店の改善指導や新規参入の支援を行える「産業支援センター」の設立と強化が必要だと考えます。
 
4.議会改革を推進する
・議員間での討議の活性化
 議会では執行部と議員の間での議論は多くありますが議員間での討論は制度的には多くありません。議会が活性化している先進都市では議員間の討議により議員による新施策の検討なども行われ、市民の要望に応えております。木更津もそうあらねばと考えます。
 
・議会基本条例検討に着手
 議会の在り方を明確にするため、議会基本条例の検討に着手することで無駄を削ぎ落とし不足を埋めていく事が可能になります。何より条例を制定する機関である議会が自らの在り方を規定することの意味は少なくないと考えます。
 
・通年議会への移行を検討
 地方分権が進む中で議会の開催が年に4回では臨機応変な対応が出来ず、市長による専決に委ねることも多く出て参ります。通年議会へ移行することで常時対応可能な議会制度へ移行して行くべきだと考えます。
 
5.行政情報を開示する
・議員活動を積極的に開示
 議員は市民から投票によって付託され、その職責を果たしているのであるから議員活動や地域活動をどの様に行っているか開示する義務があると考えます。これについては今までの8年間続けてきた活動ですので引き続き実施します。
 
・市政の問題をHPで解説
 議員は調査権を持つ、個人としての機関でも有りますので市政の問題を深く掘り下げると共に、それを市民に対して解りやすく解説する事が重要であると考えます。私の解説は分かり難いという意見もあるようですが、引き続き精進します。
 
 以上が討議資料の簡単な解説である。中には既に渡辺市政の中で取り組みが始まっているものも含まれているが、その形式だけでなく内容も充実しているかチェックすることが議員の責務であると考え、今後も活動を続けていく所存である。