火葬場の広域化を思う | |
2015/06/09記 | |
議会初日に行われた議員全員協議会で火葬場の建て替えについて報告があった。既に翌日の新聞に記載されていたことなので多少遅れた記事となるが、本日、君津市議会と袖ケ浦市議会で議員に向けた説明会が行われた模様なので、それを待ってからの記録とした次第である。因みに富津市議会は19日に説明が行われる予定と聞いている。 木更津市の火葬場は昭和42年3月17日に都市計画決定され、同年12月1日に開設されたものであるから、今年の冬で48歳となる老朽施設である。炉の大規模な改修等も行ってきたが傷みも酷い上に待合い等もバリアフリーに対応していない古い施設で、さらには人口増に伴う死亡者の増加で炉の数が不足する中で予備炉も稼働させている状態である。今年の2月の稼働率は98.6%で、市内の人でも断らざるを得ない日もあったようだ。その為、私を含む多くの議員から更新の話が出され、同じく火葬場の悩みを抱えていた袖ケ浦市と共同事務として、新しい火葬場を目指していたところである。 2市で進むと聞いていた話が、急にかずさ四市の話になったのは唐突感があった。君津と富津は三舟山で「富津聖苑」という新しい施設を共同運用しており、経緯を知りたいと思っていた。 この事案の所管委員会である建設経済常任委員会協議会が議員全員協議会の前日である6月3日に開催され、委員の質疑を受けるなかで細かい点も明確となったので備忘録として記録する。 富津聖苑の設置にあたり平成5年に地元と取り交わした覚書では使用期間が25年とされていた。そこで昨年11月に君津市と富津市より四市広域とする事が可能かという打診があり、前向きに検討したい旨を回答したところ、本年度に正式な申し出があり、今年の5月末に木更津の服部副市長から各市の副市長に対して木更津市が四市広域火葬場の建設を進め、各市は応分の負担を行うという方針の説明を行ったという事である。この6月議会で各市議会の理解を得て事業が進められることに成る予定である。 事業手法はPFI方式で、平成33年度供用開始が目標である。なお直営事業とした場合は国庫補助がないが、PFI方式とした場合は交付税算定等で有利になると言うメリットもあるようだ。 事業主体は一部事務組合ではなく木更津市の受託事務とする方針だ。つまり立地場所である木更津市が基本的な決定権を持って事業を進めるという事になる。これは意志決定を早くする事に併せ、小田原市の事例で地元同意を得やすいのは地元自治体であるためと説明があった。負担割合の算出は今後の課題であるが年度内に協議を終え3月議会には上程を予定しているようだ。 現在の火葬場の敷地では手狭なので、隣接地を購入する事になるが地権者に打診して理解を得ているようだ。このため、用地買収等のため測量事業等は前倒しで発注される可能性が高い。 狭隘な進入路は拡幅を行い、その事業費も各市に負担を求めるようだ。現道の拡幅とか都市計画道路の整備を目指すかは明らかにされなかった。ただし火葬場より奥の林道宮内線は八幡台団地への進入を誘導しないように現状のままとする予定のようで、地元の田中紀子議員からも林道だったため産廃の最終処分場をあきらめた経緯もあることから道路拡幅をせずによいとの意見があった。 考えられる施設規模は12炉で、現状の4倍となる大規模な施設だ。火葬場の供用開始後に建設された大久保団地や羽鳥野団地といった近隣の住民に理解を得ることが重要なので、最新鋭の火葬場の現状を見学して貰うことで、現在の技術では煙も臭いも出ないことを体感してもらうよう、検討を進めるようなので、我々議員も最新の施設の運用を確認したいと思う。 いずれにしろ大きな課題が前に進み始めたのは良いことである。議会としても近隣市で意見を交わし、手戻りやいざこざが起きないように調整を図らねばと思うところである。 6/13追記 進入路となる波岡小学校方面からの現道には都市計画の上では幅員16mの道路が計画されている。その原案は山を大きく削る必要のある位置であり、区画整理のような大規模造成が伴わないことには現実性がない。そこで、誠に勝手ながら現道を拡幅整備するように道路線形を変更してみた。 移転補償が若干増える事と畑沢川の改修が追加と成り、道路の曲線半径も300から200に下がり延長も若干伸びるが、現実性の高い案としてまとめることが出来た。この様に様々な検討をこれから急いで進める必要が出てくるだろう。 |