事業仕分けで考える | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2015/08/03記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
富津市が昨年の9月末に「2018年度には財政破綻する可能性がある」としたニュースは、直ぐにでも北海道夕張市の様になるのではという噂と供に一人歩きし、大きな政治問題化してきた感じがある。原因の多くは東日本大震災によるフクシマ原子力発電所の事故のため東京電力株式会社が赤字法人となったことで法人市民税が入らなくなったことと、団塊の世代の退職までに人件費が高騰する事が理由であり、日本全体を見渡せば富津市より遙かに収入が少なくても国の地方交付税で贅沢をしている自治体は数多く存在している。 それでもこの様な事態になったことを見過ごしてきたと富津市議会は責められ、今年度は歳費を10%減額するなどの対応を取っているが、市民の一部からは議員定数を減らすことも求められているようだ。個人的には議会のチェック機能を発揮するためにはどの程度の視点が有るべきかという点で余りにも少ない定数には疑問があるが、それは富津市が決めるべき問題であろう。 ともあれ、そのような状況なので自治体業務の根本的な見直しに取りかかり、その中の一つの手法として民主党政権時代に流行となった「事業仕分け」が8月1日と2日の土日にかけて実施されることを知り、HPで調べてみると傍聴資格の制限がないことを知り、何かの参考になればと見に行った。 今回の事業仕分けにかけられた事業は下表の通りであり、これを2会場に分けて仕分けを行うものである。 |
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私は上記の数多い事業の中から木更津でも同様の問題を抱えている12番の「バス運行負担金」の仕分け議論が2日(日)の14時から15時で開催されるので、それを聞いてきた。従って全体を見てきたわけではない。 進行は「事業仕分け」の草分けとも言える構想日本で、各事業を仕切るコーディネーターの他に5人の仕分け人が担当職員と1時間に渡って質疑を行い、それを聞いている13人の市民判定人が記載した評価シートによる多数決で結論を出すというものである。評価シートは「廃止」「広域化」「要改善」「現行通り」とする4段階で有る。広域化を模索している火葬場等は仕分けを受けずに判断する方針のようだ。 木更津の議員の多くの意見は、決算審査の中で事業についての検証を行えば良く、事情を知らない他市の仕分け人に意見を求めることに対する事に対して疑問を感じている。私も8年前に当選した当時は流行していたこともあり事業仕分けを導入しようと言っていたが、最近は同じ考えで必要性を実感していなかった。 富津の傍聴者に配られた資料には多くの判断基準があり、例えばバス運行負担金の資料としては路線図やバスダイヤだけでなく乗客の昇降実態調査表等も付いていた。これを元に仕分け人が話していた視点も @どの程度乗車すると黒字化するか把握しているか Aバスを廃止したときに困る人の人数を把握しているのか B現在もバス路線がない地域の人との不公平をどう考えるか C最小値を決め、下回ったら廃止と公表するのはどうか Dバスに乗ることで利便が出るような施策は講じているか 等と、木更津でもネタに使える話が多くあった。個人的には路線別の赤字を補填する施策の場合、黒字路線の利益との相殺が出来ないことや、コスト計算の内訳等を突き詰める等の視点が抜けている様に思えたが、それは今回の本筋でないので割愛する。 市民判定人はバス利用の経験が乏しかったためか、廃止が5人も居り、要改善が8人のため多数決の結果は要改善であった。因みにこの段階で仕分けが終了していた事業の多くが要改善で有った。 仕分け人による審議も有効とは思うが、議会が一つの事業に対して多くの資料を基に時間をかけて議論するべきではないかと思い、その為には常任委員会の運営が重要になるなと、富津市の事業仕分けを聞きながら考えていた。 |