会派提言を提出する
2015/09/19記
 17日は9月議会最終日であった。その日にあわせ「会派羅針盤」として市長に提言書を出そうと日程調整を行い、6人の議員が原則1項目を取りまとめることとする宿題が課せられた。
 本会議が常任委員会から休み無く決算委員会に続くタイトな日程の中で8項目を取りまとめ、議場さよならコンサートが始まる直前である13:15に提出を行った。
 
 8項目は下記の通りである。
 1 公共施設の計画について
 2 未使用財産の利用計画について
 3 祝祭日と土曜日・日曜日の市民の利便性について
 4 防災体制の強化について
 5 交通インフラの有効活用について
 6 君津中央病院における時間外選定療養費の見直しについて
 7 観光農業、滞在型農園への積極的な取り組みについて
 8 木更津市都市計画道路中野畑沢線早期整備について
 細部については、市役所移転後に所管課と打合せを行う予定である。なお、部事に整理すると1〜4が総務部、以降は企画部・市民部・福祉部・都市整備部が各1件となり、財務・福祉・環境・教育・消防等に対する提言が無い状況に成ったが、来年以降に先送りしたと考えていただきたい。具体的な内容(長文)を下記に記載して今回の記事は簡素に終える
 
要望1 公共施設の計画について
要旨
 公共施設の将来に向けての総合計画を立案する会議を早急に 立ち上げること
要望理由
 今、市役所が分散移転となり、平成28年には現市役所は取り壊されることになります。一方、市民会館大ホールは閉鎖され、多くの方々の集まりが出来なくなっています。
 そこで、例えば公民館・図書館なども含め、将来に向けて限られた財源の中で効率よく、また房総半島の中心となる木更津というポテンシャルを考えると、市民とともに公共施設を総合的に考える場を設ける必要があります。
 結論的には様々なケースが考えられますが、市民に理解を得られるなら、ゲートタウンにふさわしい市役所もまた考えのひとつだと思われますし、また質素でも市民がそれでよしと考えれば、それも選択肢の一つだと考えます。
 その、様々な結論を生み出す会議を早急に設立することを、要望するものです。
 
要望2 未使用財産の利用計画について
要旨 
 市が所有する未使用財産(本来の目的と異なる使用も含む)である土地や建物について精査し、今後の利用計画を市民へ開示すること
要望内容
 長期間に渡り保有している未使用財産となっている、特に教育財産等の土地など市所有の土地や建物を精査し、今後の利用計画を立て、時期を明確にした上で市民へその利用計画を開示すべきであります。
 また、その使途や時期を明らかにできない場合には、処分も考慮に入れ、コンパクトで身軽な財産管理をするべきと考えます。
 
要望3 祝祭日と土曜日・日曜日の市民の利便性について
要旨
 祝祭日と土曜日・日曜日の住民サービスを向上させること
要望内容
 今回 市役所の分散移転が 実施されますが 市民が主に利用する窓口業務を行う部署の大部分は朝日庁舎に移転となります。
 その 朝日庁舎の1階部分は 民間小売店舗が営業しており 賑わっている状況であります。そして 祝祭日 土曜日・日曜日は更に多くの市民が訪れます。では その人々が 市役所業務のサービスが その場で受けられる施策をお願いするものであります。
 例えば 交付窓口を 一階部分に移動させ 買い物ついでに、近く始まる個人番号カードの受け取りや、各種証明などを受けるなど アイデアと経費のバランスをとって 実行していただくなど 様々な 施策が 生まれると考えます。
 
要望4 防災体制の強化について
要旨
 1.小櫃川河川計画の立案と対策を開始すること
 2.津波・高潮対策を早期に完了すること
 3.災害時の情報伝達体制を向上させること
 4.災害に強いまちづくり誘導施策を実施すること
要望内容
 9月10日に茨城県常総市で発生した鬼怒川の洪水は、河川の氾濫がどれ程の被害となるかという事を改めて気付かされる事となりました。
 木更津市でも1970年7月1日の豪雨で、小櫃川が各地で決壊して甚大な被害を発生させました。それから45年が経ち上流には2基のダムが出来ていますが、流量を元にした河川計画もなく、堤防は脆弱な箇所が散見される状況です。
 また東日本大震災から4年半が経過し東海・東南海等の海溝型巨大地震の発生確立が高まっていると学者達が指摘しながら、津波・高潮対策は完成とはほど遠い状況にあります。
 これらの河川や海岸は木更津市の管理下に無いことは承知しておりますが、管理者に対して早期に対策を講じるよう、今以上に働きかけを行っていただくよう要望するものであります。
 さらには、今回の常総市での避難勧告の遅れを再検証して情報伝達体制、伝達方法を今以上に向上させる検討、さらには建築基準法が整備される前に建設された細い路地に面した木造住宅密集地区を集合化等によって災害に強いまちづくりが行えるような政策誘導等が求められております。
 木更津市民が万が一災害に出会った時、被害を最低限に食い止め速やかに立ち上がれる体制を講じていただくよう、要望致します。
 
要望5 交通インフラの有効活用について
要旨
 1.JR内房線巌根駅に全快速列車を停止させること
 2.アクアライン高速バスの木更津〜金田間に停留所を設置すること
 3.木更津飛行場の官民共同利用を促進すること
 4.木更津港の施設を着実に整備すること
要望内容
 木更津市はアクアラインの800円化継続に伴い、対岸との交流人口が増え、現在は金田地区や築地地区を中心に賑わいが見られております。しかしながら、戦前には「空都木更津」と言われた、陸海空の結節点である木更津のポテンシャルが充分に引き出されているかと考えると、せっかく整備された交通インフラがありながら、その機能を充分に活用しているとは言い難い状況にあります。
 具体的には JR内房線では、千葉駅から君津駅までの間に総武線快速列車が唯一停車しない駅として巌根駅が残されたことで、周辺沿線の駅前に比べ地域のポテンシャルが低い状況になっています。ぜひとも 巖根駅においても全快速列車が停車するよう要望を共にしてゆくことをお願い申し上げます。
 同様に、アクアラインバスでは対岸と数多くの便で結ばれながら木更津駅〜金田バスターミナルの間に高速バス停がないことに 不便を感じている市民もおります。よってその6.9kmの間に 高速バス停を設置することを要望します。
 さらには、日米安全保障条約地位協定で米軍基地と位置づけられている、自衛隊が管理する木更津飛行場は1800mの滑走路を所有しておりますが、近隣には混雑緩和が課題となっている羽田空港の近くに位置しながら民間機の利用が出来ない状況にあります。日米地位協定2条4項aの問題の解決と供用できる方策を要望します。
 さらに木更津港においてもアクアラインの開通に合わせ対岸の川崎と結んでいたカーフェリーが廃止となり、以来 現在まで定期航路の開設もなく、駅から700mの距離に存在する港という立地条件が活用されている状況にはありません。よって海の駅にふさわしい港の整備を要望します。
 
要望6 君津中央病院における時間外選定療養費の見直しについて
要旨
 時間外選定療養費の見直しを君津中央病院に要望すること
要望理由
 君津中央病院の夜間救急時間における現在の小児科医不足と、軽症患者が安易に病院利用をすることに端を発した「時間外選定療養費」の請求が始められることになりました。
 真に医療を必要とする方々が緊急に受診できる体制を作る目的で慎重に検討して出した結論であるとは思いますが、療養費の請求対象が子供たちだけに限定されることは公平感を欠くものであります。
 大人と違って症状を説明できない乳幼児が、軽症であるか否かを医療に詳しくない若い両親が判断することは難しい状態です。また療養費が5,400円と高額であるために、受診を見合わせた患者が重得な状況になった場合、取り返しのつかない後悔の念を残すことになりかねません。
 この制度は少子化の防止や子育て支援が求められている現状に逆行した制度であることは明かであり、本制度の療養費の見直しを木更津市から君津中央病院企業団に申し入れる事を要望するものであります。また、医療機関等のコンビニ的な安易な利用を防止する観点から「時間外選定療養費」を採用するのであれば、大人の軽症者にも同様の請求を行うよう併せて要望していただきたい。
 
要望7 観光農業、滞在型農園への積極的な取り組みについて
要旨
 市街化調整区域の観光農業・滞在型農園などにより遊休農地などを活用すること
要望内容
 木更津市では現在、人口が増大傾向にありますが、将来全国的な少子高齢化などによる人口減少の方向に転じられると予想されています。
 本市の人口増加は市街地にのみに見られ、市街化調整区域においては、人口流出傾向の症状が顕著な地方都市の様子がそのまま表れております。
 市街地調整区域は主に農業を中心としたまちづくり・むらづくりを進める地域でありますが、各農家の規模は小さく、高齢化、後継者不足や有害鳥獣被害などの問題により、農業自体が衰退傾向にあります。
 その結果 休耕や耕作放棄地の増大となって表れており、農村部の活性化については喫緊の課題となっています。
 木更津市においては、金田地区や築地地区など以外には目新しい観光地は無く、対岸からの観光客は他市の大型観光施設を目指して来ており、週末にはアクアライン連絡道と金田地区のみ道路渋滞が見られる状況であります。
 バランスのとれたまちづくりのため 市街化調整区域においては、時代に沿った観光農業や市民参加型の農業などが必要であり、本市全体の活性化に雇用を含めて効果を上げると思われますので木更津市をあげて取り組んでいただきたい。
 
要望8 木更津市都市計画道路中野畑沢線早期整備について
要旨
 1.南部地域(桜井・貝渕工区)は早期開通を目指して着手すること
 2.北部地域(中野地区)の着工で袖ヶ浦市との連結を図ること
 3.中央地域の開通見通しを明確にすること
要望内容
 都市計画道路中野畑沢線は、本市金田地区から中心市街地を通り畑沢地区を結ぶ、総延長12,700mの道路で、本市西部を南北に貫く主要幹線道路として位置づけられています。
 本路線の整備状況を見ますと、北部地域では、金田地区から新宿地先までは完全4車線化による開通がされ、南部地域の桜井工区では用地買収・墳墓の移転・文化財調査等に着手されています。さらには、貝渕工区に於きましても早期着工など 交通安全面からも考慮をいただきたい。
 北部地域では、金田地区での大型商業施設開業等の影響により、休日には大変な賑わいを迎えており、金田西地区の街開きを控え更なる交通渋滞が予想されます。そして、来津されます方々や地域住民の生活環境を保つ為にも、交通渋滞の緩和するためにも、袖ヶ浦市の内川根羽線との接続を実現していただきたい。
 中央地域では、本市中心市街地という事もあり、様々な事情が考えられますが、中野畑沢線は袖ヶ浦市から君津市までを結ぶ本市のロードネットワークの柱と考えます。
 厳しい財政の中、着実に事業推進していただくよう要望いたします。