トーゴ共和国を想う
2016/06/22記
 木更津市役所は市の広告媒体としてHPを活用しているが、昨年の1月からはFacebookも開設し「いいね」と同意した市民に向けて積極的に情報を発信している。情報が良いのか、木更津を愛する人が多いのかは定かではないが県内のFacebook利用自治体のうち「いいね」とした人の数は第3位だと聞いた。
 
 さて、その記事の中、21日の9:26に下記のアップが有った。

 
 木更津市は文化フェスティバルなどで交流のある西アフリカのトーゴ共和国に消防車3台を寄贈いたします。消防機材の不足が深刻な同国に対し、今年度末で更新予定のポンプ車を無償提供することとし、輸送費を負担していただく君津・木更津 各地区ライオンズクラブを含めた3者間で6月20日に覚書を取り交わしました。海の向こうで活躍するポンプ車が今から楽しみです!
 

 4月15日(金)の夕方にかずさアカデミアホールにて駐日トーゴ共和国大使館が主催し、外務省・JICA・千葉県・木更津市・木更津市教育委員会・木更津市観光協会・木更津君津地区ライオンズクラブ・かずさ四市の国際交流協会が後援して『トーゴ文化フェスティバル in KISARAZU』が行われたと聞いている。キング・メンサーのコンサートは見に行くつもりであったのだが、その日は妻の出産と重なって行けず、残念であった。
 なお、調べてみると『トーゴ文化フェスティバル』と題したコンサートは4月1日の名古屋を皮切りに一宮、広島、長崎、福岡、熊本、京都と来て8番目に木更津。その後は浜松、足利、東京目黒区、仙台と続き4月24日の横浜まで全国13都市を回るものであったようだ。一宮や足利も有るが、名だたる大都市に木更津が名前を連ねていることは誇らしい。
 
 今回、トーゴ共和国に贈る車両は全て消防団(1分団1部:中央、3分団1部:西清川、7分団4部:牛袋)が使用していた車両であり、平成21年9月議会で私が使用した資料によると、3台とも平成6年12月に購入したもので、引渡が行われる今年度末には22年以上が経過する車両である。消防本部に問い合わせたところ、老朽化による不具合や部品の入手困難性は理解した上での事であると言う。古く故障のリスクがあっても、無いよりはずっとマシなのは確かである。
 
 さて、贈られるトーゴ共和国とはいかなる国なのかと調べてみると、1960年4月27日にフランスから独立した農業国で、独裁政権に近い期間もあったが現在は民主的に選挙が行われて大統領が決まっているようだ。人口を調べると千葉県程度なので、比較してみたものが下表である。
人口
(万人)
面積
(ku)
年間所得
(千円/人)
トーゴ共和国 630 56,785 60
日本国千葉県 622 5,158 2,844
比較 ほぼ同等 トーゴが11倍 千葉が48倍
 上表のトーゴ共和国のデータは外務省のHPから、千葉県のデータは千葉県庁のHPから入手し、所得は1[USD]=105[JPY]で換算した。年間所得を見る限り、消防車を購入する余裕がない事が想像される。
 私も西アフリカを旅する余裕はないが、現地を訪れた日本人がどこかの地方都市で「木更津市消防団第○分団第○部」と書かれた車両を見ることがあったら、それは爽快なことであろう。
 ライオンズクラブでは消防車の輸送に併せ、衣類や医療品なども贈るよう、広く市民からの寄附を求めているようだ。素晴らしい取組であると敬服するところである。
 
 宗教的には20%のイスラム教徒と29%のキリスト教徒が居るようだが多くは世俗的な宗教に属するようだ。イスラム教徒の様に様々な禁止事項が有るかは解らないが、食べ物や日常生活でおもてなしが出来るので有れば、今回の消防車を縁に2020年のオリンピック練習地に木更津を含むかずさ四市を検討して貰えないだろうか。そんな事を今回の記事から感じて想いを馳せていた。