オスプレイに搭乗する | |||||||
2016/10/28記 | |||||||
先週の水曜日である19日に防衛省から発表があったオスプレイとチヌークの騒音比較調査の実施であったが、その実施要領の中にオスプレイに対する認識を深めるための体験搭乗が含まれていた。木更津市議会で対象となるのは正副議長と基地対策特別委員会の委員だけである。他には木更津市選出の県議会議員、市長と市の関係幹部職員が地域関係者として選ばれていた。 今週の月曜である24日の朝に木更津駐屯地に入り、簡単な説明を聞いた後、屋上に出てオスプレイの初飛来、さらには離発着と周回コースを旋回しながら行う騒音測定の状況を遠く見学した。 |
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ヘリコプターモードの音は日常聞いているチヌークに比べ、特に騒音レベルが高いとは感じられず、固定翼モードで飛行機として上空を通過する場合は、音の少なさと通過時間の短さでヘリコプターより遙かに騒音は気にならない。さらに、この日は北風だったため羽田空港に着陸するジェット機が上空を通過し続けたが、事によるとその騒音の方が耳に付く事すら有ったぐらいである。自衛隊から近い我が家に残っていた妻も、いつものヘリコプターとの違いは気にならなかったと言っていた。 オスプレイは2機飛来し、そのうちの1機が騒音測定のため周回コースを旋回した後は木更津を離れ、チヌークが騒音測定を行っている時間帯に残ったオスプレイ1機を参加者全員で見学する。写真撮影について確認したが特に制限はないとの事なので機体の内部まで撮影させていただいた。現地での説明はアメリカ合衆国海兵隊VMM-265"竜"のブライアン司令官が行い、米軍の保有する中で最も安全な機体であることを強調されていた。 |
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全員での機体見学の後、搭乗が出来る議員は庁舎に戻って安全教育を受ける手筈になっていたが、キャロライン・ケネディ駐日大使と渡辺市長の対談の間だけ待たされてから教育に入る。 コースは整備後に安全確認を行う相模湾まで往復25分のフライトであり、滑走路までヘリモードで移動してから滑走路を使って離陸し、高度1,000ft(≒300m)で飛行した後、洋上でヘリモードに切り替えて高度500ft(≒150m)まで下降し、再度固定翼モードで戻ってくるというものである。 耳栓を着けた上からヘルメットを装着し、4点式のシートベルトで座席に固定し、飛行中の立ち歩きは禁止するというものであった。チヌークでの体験搭乗の場合は飛行が安定したら立って移動して写真撮影を行えるが、窓の少ないオスプレイで着座していては外部が解らない。そのため、通常は閉じる後部ハッチを開けて飛行するとの事であった。 地域関係者は2回に分けて搭乗し、その1番機に乗らせていただいたのでその日のニュース映像に乗り込む姿が映されていた。地域関係者以外にも防衛省北関東整備局や木更津基地の関係者と思われる人達も加わっていた。 私の指定された席は片側2箇所しか無い窓の位置に重なるという幸運(それとも委員長への配慮)を受け、窮屈ながら外部の状況も確認する事が出来た。 |
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搭乗が認められなかった多くの市議や関係者、報道各社のカメラに見送られながらヘリモードで離陸し、水平に滑走路に移動。そこからプロペラの付いている「ナセル」を斜めに傾けて滑走しなら直ぐに離陸。ナセルを固定翼モードに移して行くわけだが、窓の外ではスムーズに早く変換していく事が解った。 東京湾は東から富津岬、西から観音崎が突き出る形で蛇行する浦賀水道で太平洋とつながっているが、オスプレイは機体を大きく傾けて軽やかにスラロームしながら洋上を飛行した。整備後の確認では極力陸地を通らないと伝えられていたが、この高い運動性能では全く問題ないと感じられる。 双子峰が特徴的な富山の沖合でヘリモードに移行、推力を上げて上昇と能力を見せつけるかのように飛行して帰路に着いた。木更津飛行場に戻る際に新日鐵君津製鉄所沖合で固定翼からヘリモードへ移行していく状況を窓から撮影した。写真が斜めなのは身体を捻りながらの撮影なので上手く撮れないためである。 |
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搭乗した感覚では、最も危険であると言われるモード切替は案外スムーズで、同乗していた外の見えない議員には現在の状況が解らないほど違いは感じられないものであった。 体験搭乗を終えて整備拠点となるK格納庫も説明していただいたが工事が完成にほど遠く、12月議会中に特別委員会を開催し、改めて視察させていただくことを北関東の担当者にお願いし快諾していただいた。従って写真の掲載は次回にしたい。 朝8時20分に駐屯地に入り、昼食も摂らず水も飲まずに視察を続け、午後1時40分になって駐屯地を後にした。騒音測定の結果は11月になって発表されるという事であるが、その結果報告や協定書の件など、特別委員会で取り組む事項はまだ多い。今回は搭乗した感想を整理するだけの目的で記事を終える。 |