保育料の設定を考える
2016/11/23記
 12月議会質問に向けて様々な資料を整理している中で所得階層別の保育料を改めて確認して気付いた点がある。
 下表が木更津市の入園児の階層別区分の保育料である。なお、保育標準時間の値で、保育短時間の額はこれより安価である。
No 階層区分 定義
(所得課税額)
入園
人数
保育料徴収基準月額
3歳未満 3歳児 4歳以上
1 第1階層 生活保護世帯 16 0
2 第2A階層 市県民税
非課税世帯
106
3 第2B階層 100 7,800 5,800
4 第3A階層 均等割
課税世帯
9 15,000 13,000
5 第3B階層 33 16,000 14,000
6 第4A階層 48,600円未満 13
7 第4B階層 84 17,000 15,000
8 第5階層 72,800円未満 123 25,000 23,000
9 第6階層 97,000円未満 162 27,000 25,000
10 第7階層 121,000円未満 165 37,000 30,000 26,000
11 第8階層 145,000円未満 193 40,000 33,000 27,000
12 第9階層 169,000円未満 163 42,000
13 第10階層 213,000円未満 217 55,000
14 第11階層 301,000円未満 228 57,000
15 第12階層 301,000円以上 136 67,000
合計 1,748
 階層を細かく設定して払いやすいように、という要望を受けて第2〜第4階層がA・Bの2段階に分かれて現在は15の所得区分に別れて保育料が設定されている。しかし階層別の入園人数を見ると「第3A階層」と「第4A階層」は対象者が少なく、またそれぞれの上位階層との保育料差が月額千円に過ぎない事を考えると、ここを区分する必要があったのか疑問である。それ以外は各階層の人数が適切な状況と思われるので、概ね区分に異論はない。
 保育行政は福祉施策なので、低所得者の保育料が少額になり、所得課税額が高くなるほど保育料が高くなることは納得できる。また児童3人に対して保育士1人が必要な0歳児と、同じく6人に1人が必要な1歳児と2歳児の保育料は、実際に人件費が掛かるために高額で設定され、20人に1人が必要な3歳児や30人に1人が必要な4歳児以上は安価であることも理解できる。
 それでも第12階層の3歳児未満の負担金は年額で80万4千円にも達してしまう。年子で二人とも保育園に預けることを想定すると、第1子と第2子が在籍している場合は第2子の保育料は半額免除(第3子までが在籍している場合は第2子の保育料半額免除に加え第3子は全額免除)なので1.5倍で済むが、年額で120万6千円に達してしまう。制度を理解していると言いながら上限額が高すぎ、子育てに優しくない感は否めない。
 
 それよりも気になることは、階層間での料金差の不連続である。例えば3歳児未満を預けている期間中に所得が増え、第8階層から第9階層に変更になった場合は保育料が月額2,,000円、年額で24,000円の増額で済むことに対し、それより所得の低い第6階層から第7階層に変更になった場合の増額は月額10,,000円、年額で120,000円と成ってしまう。市県民税非課税世帯でも階層の差によって無料と7,800円という大きな差が生じている。
 このような不連続の状況を把握するため3歳児未満のデータを元に描いてみたものが下記グラフである。
 所々に保育料がジャンプアップしている区分があり、グラフが不連続で美しくないという事は、実際に不公平が生じていると、理系の私は考えるのである。
 
 そこで、誰からも頼まれていないのに勝手に保育料の見直し作業を行ってみた。対象者と階層間金額差の少ない「第3A階層」と「第4A階層」はその上位階層と区分せずに同額(つまり統合廃止)とし、金額は千円単位で丸め、市県民税非課税世帯の下位階層も若干の負担をしていただく事で急激な金額差を抑え、低所得では階層毎に5,000円、上位に行くに従って6,000円、7,000円の差を設け、最高額である月額67,000円を変えないようにし設定したものが下表である。
No 階層区分 入園
人数
3歳未満の保育料月額
見直し私案 現在の料金 増減月額
1 第1階層 16 0 0 0
2 第2A階層 106 3,000 +3,000
3 第2B階層 100 8,000 7,800 +200
4 第3A階層 9 13,000 15,000 -2,000
5 第3B階層 33 16,000 -3,000
6 第4A階層 13 18,000 +2,000
7 第4B階層 84 17,000 +1,000
8 第5階層 123 23,000 25,000 -2,000
9 第6階層 162 29,000 27,000 +2,000
10 第7階層 165 35,000 37,000 -2,000
11 第8階層 193 41,000 40,000 +1,000
12 第9階層 163 47,000 42,000 +5,000
13 第10階層 217 53,000 55,000 -2,000
14 第11階層 228 60,000 57,000 +3,000
15 第12階層 136 67,000 67,000 0
 各階層で金額の増減はあるが、特に第9階層で月額5,000円、年額にして60,000円の増加と成るので、実際に見直す場合は激変緩和措置を講じた方が良いのかも知れない。
 なお、上記の見直しを元にグラフを描くと下記のように関数に基づいているように美しくまとまるのである。
 
 3歳児以上の金額もそれに比例して見直しを検討すると下表の通りとなるが、前提として最高額を変更させていない。今後の保育士不足に伴う人件費の増額が予定されているため、上限額の見直しという事も必要になってくるのであろう。
No 階層区分 定義
(所得課税額額)
入園
人数
保育料徴収基準月額
3歳未満 3歳児 4歳以上
1 第1階層 生活保護世帯 16 0
2 第2A階層 市県民税
非課税世帯
106 3,000 2,000
3 第2B階層 100 8,000 6,000
4 第3階層 均等割課税世帯 42 13,000 10,000
6 第4階層 48,600円未満 97 18,000 14,000
8 第5階層 72,800円未満 123 23,000 18,000
9 第6階層 97,000円未満 162 29,000 23,000
10 第7階層 121,000円未満 165 35,000 28,000 27,000
11 第8階層 145,000円未満 193 41,000 33,000
12 第9階層 169,000円未満 163 47,000
13 第10階層 213,000円未満 217 53,000
14 第11階層 301,000円未満 228 60,000
15 第12階層 301,000円以上 136 67,000
合計 1,748
 今回、この事を「最近思う事」に記載して12月議会の質問に組み入れなかったことは、気が着いたのが通告後で適切な質問項目が無かったことと、質疑を聞いている議員や執行部に理解されにくいこと、何より1時間の枠の中で、この問題に取り組む時間が確保できそうもないからである。また、保護者の負担に係わる問題なので、この様な形で「言い放し」としておいた方が良さそうだと考えたからである。
 今後、見直し作業が行われる場合はこの様な視点を念頭に置いていただけたらと願いながら、マニアックな記載を終えたい。