来年度の予算に思う
2017/02/12記
 平成29年度予算を決める3月議会が14日に開始され、明日はそれに先だって予算概要の説明のための議会全員協議会が開催され、その後に議会運営委員会が開催され日程案を決定することになる。
 議案書は数日前に入手することが可能であり、私も9日に資料を入手して予算の概要に目を通し、感じたことがあるので記載する。
 
 平成29年度予算は木更津市の当初予算としては過去最高となる437億2千万円である。数年前までは300億円の前半だったように感じて近年の予算書を書棚から取り出しグラフに整理してみた。
 
 
 
 グラフの縦軸の単位は[億円]である。平成21年度は329億4百万円、平成22年度は328億43百万円なので,来年度の予算はその頃から考えると約33%増加に成っている。その間に学校の耐震補強工事で教育費が延びた時期も有ったが、何より影響が大きいのは赤で示している民生費の延びである。政治は弱者に手を差し伸べることだという立場は解っていても、福祉の見直しをしなければ財政が破綻してしまうだろう事は容易に想像できる。
 
 しかし、今回の予算が増大したもう一つの理由は、大型の建築事業が動き出すことにも原因がある。主なものを列挙すると
 ・金田地域交流センター(市民部) 9億5,000万円
 ・道の駅頭交流拠点(経済部) 3億4,540万円
 ・消防本部庁舎(消防本部) 2億7,524万円
 ・祇園小学校体育館(教育部) 1億6,212万円
 ・真舟小学校増築(教育部) 2億2,826万円
 等である。これらは来年度の当初予算として計上されている額であり、例えば額の大きい消防本部庁舎は平成30年度に15億7千万円を予定し、全体事業費は18億円を超えるものとなるし、同様に金田地域交流センターも12億円規模の事業であるし、真舟小学校の増築も4億円規模となる。
 
 公共施設の規模適正化の議論が進む中で大型の建築物の更新は立ち止まって見直すべきではないかと議会で何度か質問したが、補助事業の申請等で既に動いている事業を止めることは影響が大きく、規模適正化の議論の後の新規事業に対して適用していくという方針となったため、今回の予算措置となったのである。
 来年度の生活保護費の当初予算約28億円に対して考えれば少ない額かもしれないが、将来の市民から『あの時に過大な建築を認めた議員は誰だ』と言われそうな案件なので審議にあたり頭が痛い。
 ともあれ予算審査は3月13日から15日の3日間で行われることに成る見込みであるし、総務委員長である私は予算審査特別委員会の委員長に就任することが慣例なので、どの様な議論となるのか、代表や一般質問も含めて注視せねばと思っているのである。