岩根の中学校を考える
2017/04/12記
 今年度から木更津市役所に新しい組織が誕生した。総務部危機管理課と福祉部自立支援課、そして教育部学校再編課である。
 
 学校再編といえば君津市では昨年の夏に清和中と小糸中、三島小と秋元小、中小と小糸小、小櫃中と久留里中と松岡中と亀山中、久留里小と松岡小と坂畑小をそれぞれ統合し、小中学校各4校を廃止しようという報道が成され、富津市でも大幅な統合が進められると言う話が聞こえてきているので、木更津市も抜本的な統廃合に進むのかと心配する向きもあるようだが、当面は人口急増地域である請西周辺等を中心とした小中学校の通学区の変更と、平成30年度に清川中と統合する方向で話が進んでいる中郷中への対応を行う事を主眼としているようだ。
 
 それでも木更津市内では富岡小と東清小、それに岩根西中については将来の統廃合を検討する学校として位置付けられており、私の地元の岩根西地区でもどの様な動きが進んでいるのか心配する人も多くいるようである。市は金田地区の開発が岩根に及ぼす影響を慎重に見守るという事で、実は何もしていないのだが、統合を検討するので有れば地域での憶測や噂話を解消するために具体的な話し合いを進めてもらいと思うところである。
 
 なお、岩根西中は1982年4月に人口増加の著しい岩根中学校から分離される形で創立した学校であり、35年の歴史を数える事に成るが、地域の年輩者の多くは(私を含め)岩根西の分離前を良く知っているので、統合に対するアレルギーが少ないという事が統合対象候補に残っている大きな理由である。従って岩根西中と金田中という組み合わせが議論に登ることはない。
 
 では、まず岩根中と岩根西中の2017年4月現在の生徒数を確認してみると下表の通りである。
学校名 第一学年 第二学年 第三学年 全校合計
岩根中学校 67 74 69 210
岩根西中学校 60 69 57 186
合計 127 143 126 396
 因みに私は分離前である岩根中学校を1979年に卒業しているが、卒業当時の同級生は297人であった事を思うと、確かに減っているとは思うが両校とも各学年2クラスが確保されており、木更津市内で統廃合が検討される他校のように複式学級の議論とはほど遠いところにある。
 しかし、それでも個人的には学校統合に対して私は賛成である。それは中学校で他校の生徒と一緒になる経験を積むことが高校での新たな人間関係を築く準備に成ることや、今まで人間関係を上手く築けなかった生徒が新たな友人関係を造るきっかけに成ること、多人数の生徒により多くの部活動が活発に営まれること、そして何より多くの他人と出会うことで成長する教育効果の高さを期待するからである。
 統合となれば、本来の「岩根中学校」が存続校に成ることは誰も異論がないと思うが、議論となるのはどちらの校舎を使うかという問題だと思う。例えば君津市で三島小と秋元小の統合を行う場合に使用する校舎は小糸中と統合することによって廃校となる清和中とする事が決まっている。これは統合する両地区の中央近くに有るからである。
 
 下図は岩根中と岩根西中の通学区域と校舎の位置である。
 
 この両校の通学区が一つになる場合、現在の岩根中学校では隅に寄りすぎており、中里や江川の者にとっては木更津第一中学校の方が近いという事態になる。因みに私が中学生の頃、通学距離が3kmを越える中里の子達は自転車の集団通学をしていたように記憶している。
 岩根西中校舎は図的には統合される学区の中央近くに存在するが、東側に航空自衛隊が壁のように存在しており、現在の岩根中の生徒が通うには南北に回り込んで到達することに成る。実距離が伸びることを解決し防犯対策を強化するため、個人的には航空自衛隊の正門から岩根西中学校に至るまでの基地内道路部分を一般開放するよう働きかけるべきだと考える。
 
 岩根中学校の校舎については、当該地区の公民館である岩根公民館が手狭で老朽化していることを考えると、耐震補強を済ませている南校舎と体育館を公民館施設として現公民館を廃止とするという選択肢が出来る。これにより、清見台公民館のように運動系の利用も増えるし地域自治の力も高まると考える。さらに残る北校舎は、例えば図書館等の移転先に使い、公共施設の再配置の種地に使えば良いと考える。
 建築物のない校庭やプール等のエリアは住宅地として販売することで土地売却収入及び継続的な固定資産税等の収入が見込める。その結果、統合の事業費を一部賄うことが出来るように成るし、住宅地の供給は地域の人口増に繋がり、活力や地域の担い手の維持が期待できるだろう。
 
 では岩根中学校の校庭を使い、具体的にどの程度の宅地が供給可能なのか、最低宅地面積を50坪(165u)として区画割りを検討してみたところ、下に示す図のように80区画をバランス良く確保する事が可能だと解った。この絵では隣接する高柳小との間の道を4mから6mに拡幅するなど、細部にも気を使っている。
 
 上の図で体育館の下に真っ直ぐ伸びている新しい道は、当該箇所の屈曲部を解消するために造るバイパスの考え方で有るが、それは今回は特に記載しない。
 誰に頼まれたわけでもないが、年度始めに作業時間が取れるのでこの様な検討をしてみた。再編は先の話とするのでなく、地域の有識者が集まって議論し、この地域の中学校はどうあるべきか考えて行かなくてはと思いながら今回の記載を終える。