子どもの税負担に思う
2017/11/17記
 私は26歳で日本道路公団を退職して自営業の道に進み、それからの納税は自分で計算して青色申告をしている。考えてみると人生の半分は青色申告で納税したことになる。今年も2月20日に昨年度分の提出をさせていただいた。
 これまで税務署から何の指摘も受けていなかったが、先月末に修正申告を行うようにという通知が届いた。内容を読むと申告の計算ミスが有ったようで、間違えた理由は昨年の4月に産まれた娘を扶養者控除として加えた事である。
 娘を私が扶養していることに間違えは無いのだが、平成22年の税制改正から「所得控除から手当へ」の観点で、子ども手当の創設と相殺するように年少扶養親族(〜15歳)の扶養控除(38万円)が廃止された事による変更を忘れていた結果である。昨年の申告まで扶養者控除を計上していなかったので、娘が産まれて扶養者控除を受けられると嬉しくなり、よく読まずにミスしてしたのである。政治の端くれに携わる者として恥ずかしい話である。
 所得が推察されてしまうが、この修正申告により7万6千円の納税不足(正確には過分な還付金額)を税務署に納めてきた。
 
 さて、では子ども手当てはどうなったかというと、上記の扶養控除を廃止した頃は所得制限を設けずに一律月額1万3千円(年額に換算すると15万6千円)が支給されていたが、平成24年度に児童手当に名称が変更される中で所得制限の考えが導入され、本来なら月額1万5千円(年額に換算すると18万円)を受けられる所が、我が家のように夫婦共働きで世帯年収が960万円を超える場合は特例給付として月額5千円(年額に換算すると6万円)を貰えるだけである。扶養控除の廃止で失われた7万6千円に比べ、既に年額1万6千円の赤字である。その上、特例給付を廃止しようと言う考えも時々聞かれる。であれば扶養控除をもう一度復活して貰いたいものである。
 
 さらに、自営業で国民健康保険に加入している私の保険に娘を加える場合、国民健康保険税は均等割りが加わり約3万円高くなるのである。もちろん、直ぐに病気になる幼児にかかる年間の医療費はその程度に収まるものではないから、多大な利益を得ている事は間違えないが、サラリーマンが加入する健康保険では子どもが増えても保険料は替わらないのであるから不公平感は増すばかりである。私に限らず一般的な子育て支援のため、国民健康保険の制度を子どもの数に関係ないように変えられないかと所管課と相談してみたが制度的にかなり難しいようだ。
 
 その上、実家で同居しても両親が高齢で身体の自由が利かない状況であるため娘は保育園に入れねば成らず、2歳児まで、つまり4月生であったため0歳児クラスからスタートした娘は木更津市の保育料の最高値である月額6万7千円(年額に換算すると80万4千円)を3年間払い続ける事が必要となるのである。もちろん、これは市に納める保険料であって保育園で係る諸々の費用は別である。因みに所得が極めて低いか生活保護世帯では子ども年齢に係わらず保育料は無料である。
 
 もちろん所得が高いものが多くの税を納めるという累進課税の考え方には異論はないし、負担できる世帯は負担して貰いたいという国の苦しい懐具合も知らないわけではない。それでも今回の衆議院選挙が子育ての充実をテーマにしたものの、私の税負担が楽になる方向に話が進みそうもない現状に嘆きながら、こんな事を考えていた。
 
 ※11月末に延滞金の請求が来た。申告ミスは当方の責任であるが、修正申告の通知が遅すぎるので、当方に余分な出費を求めることになっているものである。子供を扶養者控除の計算に入れてしまったというような単純ミスであるにも係わらず、申告書の提出から8ヶ月以上も経ってから間違っていますと案内を出す税務署という所は、余程忙しくて手が回らないのだろうかと思ってしまったので12月2日にこの青色の文章を追記した。