指定管理制度を考える
2017/12/16記
 今回の議会には議案として第100号から第108号までの9件、予算書に示す債務負担行為調書の件数にして10件の指定管理の議案が上程されている。まずはその一覧を下記に示す。
施設名称 期間 年数 限度額 年単価
自転車駐車場 3034 5 79,136 15,827
市営体育施設 3034 5 144,249 28,850
総合福祉会館 3032 3 58,368 19,456
身体障害者福祉センター 3032 3 0 0
老人福祉センター 3032 3 81,341 27,114
請西保育園 3034 5 618,270 123,654
子育て支援センター 3034 5 72,840 14,568
市営霊園 3032 3 90,252 30,084
火葬場 3032 3 84,560 28,187
少年自然の家キャンプ場 3032 3 15,228 5,076
合 計 1,244,244 292,815
 上表の期間は平成年度で、限度額及び年単価の単位は千円である。なお、身体障害者福祉センターは総合福祉会館の一部に置かれ、経費費は自主事業における事業報酬で賄われるので費用は発生していない。
 
 指定管理は委託業務のように入札によって相手が選定されるのではなく、市の設定した限度額の範囲で民間のノウハウを活用し、行政では行き届かないようなサービスを提供できるかという視点で業者が選定される。因みに上記の施設に対する議案では下表のような業者が上程されている。  
施設名称 指定管理者の名称名 所在地 申請
自転車駐車場 一般社団法人
日本駐輪場工学研究所
港区 7
市営体育施設 株式会社オーエンス 中央区 2
総合福祉会館 社会福祉法人木更津市
社会福祉協議会
木更津市 指定
身体障害者福祉センター
老人福祉センター
請西保育園 社会福祉法人
木更津むつみ福祉会
木更津市 1
子育て支援センター
市営霊園 株式会社日比谷アメニス
東関東支店
千葉市 3
火葬場 タカラビルメン株式会社 竜ヶ崎市 2
少年自然の家キャンプ場 一般社団法人城山会 木更津市 指定
 申請の欄に指定とある指定管理者は公募によらず市長又は教育長が指定したもので、請西保育園と子育て支援センターについては現在管理している法人にだけ非公開で応募を行った結果の申請が1となっている。これ以外の4件は指定申請書の他、事業計画書や収支計画書など多くの書類を提出し、その内容について副市長を会長として3人の市民代表と4人の市の部長及び学識経験者(弁護士)から成る選定委員会が採点を行って指定管理者の候補を決める。
 指定管理者は指定のものも含め議会で議決するのであるが、事業計画を上手に作成することに慣れているような経験豊富な市外業者の受注が続き、指定管理料の多くが市外に流出しているのではと感じている議員は多い。
 
 なお、今議会に上程されている施設の他に指定管理を行っている施設は予算書に示す債務負担行為調書の件数にして7件有り、その今年度以降の支出予定額を含めた一覧は下表の通りである。
施設名称 管理者 期間 年数 支出予定 年費用
小櫃崎公園 市内 29〜30 2 25,638 12,819
あけぼの園 市内 29〜31 3 188,310 62,770
健康増進センター 市外 29〜31 3 197,220 65,740
市民会館 市外 29〜30 2 49,704 24,852
市民活動支援センター 市外 29〜31 3 40,258 13,419
鳥居崎海浜公園プール 市外 29〜31 3 19,233 6,411
道の駅 市外 29〜43 15 405,987 27,066
7施設の小計 926,350 213,077
今議会に上程された10施設との合計 505,892
 ※道の駅の支出予定額は375,914千万円に消費税を加え平成29年度の支出額を除いた額を平成30年度以降の支出予定額として定めているが、便宜上375,914に8%の消費税を加えて今年度を含む15年で按分したので年費用も正確な値ではない。
 
 木更津市の指定管理制度を執る17施設中9施設が市外業者の受託でありその年単価を合計すると約2億4千万円となる。全体の指定管理の年単価は約5億6百万円なので木更津市の仕事の方が額が多い。とはいえ、市内業者の優遇も検討するべきだという意見は出されているが、結果として議会は承認するし、私も選考過程の透明性を含めて認めるため反対はしない。
 指定管理ではないが第一小学校と給食センターのPFI事業も市外の業者であるし、公共下水道や上水道等の包括的民間委託業者も技術水準の高さを求められ市外の大手企業が受注している。
 
 木更津市が職員を使って行うより経費が削減されサービスが上がるとされている指定管理制度である。現に利用者の評判は悪くなく、健康増進センターの巡回バスのように好評な自主事業も多いのではあるが、地元業者の育成という観点で疑問を持ちながら、今回も議会最終日に可決の判断をする私が居るのである。