高校の今後を考える | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2017/12/26記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨日、18:30より君津市民文化ホールの中ホールで千葉県教育委員会により開催された『「県立学校改革推進プランの一部改訂(案)」及び「県立学校改革推進プラン・第4次実施プログラム(案)」に関する説明会』という長い名称の会議を聴きに行った。 これは「魅力ある県立高校づくりの推進」と「県立学校の適正規模・適性配置」の観点から高校改革を進めており、当該地区における具体的な改革案を説明するもので、千葉県教育庁管理企画部の大塚次長を筆頭に9人の職員が来られていた。パブリックコメントの期間は平成29年11月16日から平成30年1月4日までと、市の一月に比べて長く設定しているが、その末期に近いタイミングでの説明会である。多くの職員が来たことや説明会を開催したことは評価に値するが、説明会の開催を広く広報していなかったためか参加者は少なく、百名を下回っていたように感じられた。 平成元年頃には一時的に増加する生徒への対策として木更津・君津・袖ケ浦の3校で教室数を10クラスまで増やして対応していたが、近年の子供の減少に伴い教室数が減少し、郡部の適正規模といわれる学年4学級を下回った学校が存在している。 君津郡市には8校が有るが、4学級に成ったものが2校、3学級まで減少したものが2校という状況で、平成元年との比較を作成し残存率の高い方から順に整理したものが下表である。 |
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農村部での人口が減少しているという理由もあるが、募集に対する応募倍率が低い学校で減少が進み、木更津東高校は1/2に、天羽高校は1/3まで減少してしまった事には驚かされる。 また平成元年で10学級になった木更津・君津・袖ケ浦の3校の占有率が42.9%(=30/70)から53.7%(=22/41)に伸びている状況も驚きである。成績順に学校が振り分けられるわけでは無いとはいえ、3校で県立8校の過半数になっているのもバランスが悪いと感じる。従って小規模校に成った学校をどうにかしたいという事なのだろうが、この3校の定数を減らすと云う選択肢は示されていない。 この地域に関する改革の具体案の説明は次の通りである。 @姉崎高校は普通科の中にものづくりコースを設置する。 A天羽高校は普通科の中に工業基礎コースを設置する。 B君津高校と上総高校を統合し普通科と園芸科を設置する。 C木更津東の定時制の商業科の募集を停止し普通科に商業コースを設ける。 説明の後に質疑が行われたが、特に君津高校と上総高校の統合に対する反対の立場で会場から興味有る意見が多く出されたので抜粋して列記する。 ・統合しない場合の基準は何か(他県では小規模校が多い) ・少人数だから出来る教育もあるが検討されたか ・地域や同窓会など関係者の話を聴いていないのでは ・生徒のことを考えず、単なる数合わせではないか ・生徒や進学を考えている中学生の意見は聞いたか ・園芸科の就職状況を鑑み園芸科を残す根拠は何か ・生徒数の減少は私立高校が多すぎるためではないか ・過去の統合の総括はしたか(可哀想な事例もある) ・統合によって上総高校の普通科は消滅すると考えて良いか ・計画を停めるためには何が必要か(議会で否決との声有り) 特に、計画を決めるため平成25年に15名の委員から成る地域協議会を設けて意見を聞いたとされているが、そこで保護者は1人で統合に関係の少ない袖ケ浦市民であり、会議も3回で、そもそも統合の話しもしていないという、議事録を読み込んでの質問に説得力がある。 なお、千葉県教育委員会は「地域」として住民の代表だと自認している市議会は含まれていると考えていないらしく、教育委員会だけに話を行い、地元の君津市を含め近隣市議会での説明もなかったことは付け加えておきたい。 また学校の統合が平成33年度と計画していることから平成31年度以降に入学する生徒達は統合する高校で卒業することになる。現役の先生から、進学校の中で肩身の狭い思いをしないようにせめて分校という扱いを行いながら現在の学校で卒業させてあげられないかという意見は、生徒の側に立った親身な感覚を覚える。 18:30に説明会を開始しながら会場を20:00までしか借りていないという事で充分な回答を行う時間が無く、後日HP等で回答するという結論に成ったが、地曳同窓会長より回答に関する質疑等のため再度説明会を開催するよう申し入れが行われ、県の教育委員会も日程の調整が着けばという条件付きで了承された。 会場を時間制限の少ない高校の体育館等に移して次の説明会が行われれば良いと私も思う。説明会が終了した会場で君津市の石井県議を見かけたので今年度中に決定させることは無理なのではと話しかけたところ、当然という返答だったので今後の経緯も見守りたい。 市議会議員という、地域の小中学校の統合議案を了承している立場から統合に反対するような意見を述べることは控えていたが、そもそも義務教育で、居住地の学校に行くことが基本となる小中学校が隣接する学校と統合する事案に比べ、生徒自らが選択して通学する高校の統合とは議論の次元が違う事は自明である。 双方の学校の生徒の学ぶ環境や関係者の間で混乱が生じないよう、もっと英知を集めて議論を行い、拙速に結論を出さないことを願っている次第である。 |