四市の人口を考える
2018/01/20記
 あと3週間もしたら韓国の平昌で冬季オリンピックが開催されるが、今年は4年に一度のサッカーワールドカップの年でもある。ロシアを舞台に6月15日から予選が始まり、グループHに決まった日本は6月19日に南米代表のコロンビアと試合がある。
 サッカーのワールドカップが始まる度に、2002年の日韓ワールドカップに併せて行われた『かずさ四市合併を考える署名活動』が思い出されてしまう。あれから16年が経過したと思うと、最近のことのようにも思えるが、懐かしくもある。
 
 さて、四市合併運動は承知のように、袖ケ浦市を除く3市の議会で法定協議会の設置が可決されたものの、袖ケ浦市議会で否決された結果、現在まで議論が進んでいない。個人的には否決後に有権者の1/4以上の署名が集まった君津市と富津市で先行合併の話が進むのではと思ったが、現在のように行政の枠組みは変わっていない。ただ大きく変わったのが各市の人口構成である。
 
 まずは2002年〜2017年の各市の人口(2012年までは住民基本台帳人口と外国人登録者数について合計した数字。2013年以降は外国人の数字を住民基本台帳に含んだもので各年4月1日現在の値)を一覧表に示す。
木更津市 君津市 富津市 袖ケ浦市 君津市+富津市
2002 124,224 93,460 53,710 60,335 147,170
2003 124,268 93,383 53,164 60,491 146,547
2004 124,643 93,145 52,636 60,553 145,781
2005 125,344 92,856 51,994 60,528 144,850
2006 125,141 91,526 51,511 60,533 143,037
2007 126,201 91,526 50,974 60,825 142,500
2008 127,263 90,870 50,343 60,923 141,213
2009 128,565 90,696 50,015 61,010 140,711
2010 129,738 90,567 49,552 61,316 140,119
2011 130,422 90,092 49,056 61,463 139,148
2012 131,162 89,685 48,549 61,481 138,234
2013 131,760 89,079 47,982 61,559 137,061
2014 132,246 88,316 47,411 61,895 135,727
2015 133,049 87,813 46,865 61,927 134,678
2016 134,029 86,999 46,275 62,147 133,274
2017 134,585 86,118 45,743 62,390 131,861
 
 木更津市が順調に人口増加を続ける一方で、君津市と富津市の人口減少が進み、気が着けば2002年では君津市と富津市の人口合計は木更津市を22,946人も上回っていたものが、2017年では逆に合計しても2,724人足りない状況に成っている。
 これをグラフで示すと次のようになる。
 
 
 私は木更津市の議員であるが、このグラフを見ると富津市の人口増加施策にテコ入れをしないと、四市で行う様々な広域事務事業の遂行が危惧されるし、この傾向が続くので有れば自治体サービス水準の維持を図るために合併議論が再発するかもしれない。
 
 今後の人口を予測するために、2017年4月1日現在の住民基本台帳人口を5歳階級別に調べてみたものが下表である。
年齢区分 木更津市 君津市 富津市 袖ケ浦市
0〜4 5,628 2,973 1,156 2,709
5〜9 6,019 3,142 1,429 2,798
10〜14 6,221 3,451 1,641 2,898
15〜19 6,463 4,104 1,962 3,031
20〜24 6,496 4,525 1,964 2,974
25〜29 6,848 4,625 1,996 3,168
30〜34 7,861 4,611 2,037 3,668
35〜39 8,906 4,741 2,172 4,138
40〜44 10,805 5,892 2,916 4,943
45〜49 10,202 6,127 3,007 4,630
50〜54 7,615 5,171 2,777 3,604
55〜59 7,284 5,376 2,959 3,462
60〜64 8,184 6,265 3,579 4,373
65〜69 10,920 7,499 4,606 5,353
70〜74 8,779 5,643 3,509 3,888
75〜79 7,216 4,929 3,092 2,931
80〜84 4,756 3,532 2,392 1,921
85〜89 2,820 2,265 1,585 1,178
90〜94 1,176 926 761 549
95〜99 330 275 183 143
100〜 56 46 20 31
総数 134,585 86,118 45,743 62,390
 
 富津市では0〜4歳の5年間に1,156人しか居ない、つまり各学年に230人程度しか居ない状況である。これでは学校の統廃合を進めざるを得ないことも理解できる。
 この年齢区分別人口を総数で割り、各区分が人口全体に示す割合を計算したものが下表である。
年齢区分 木更津市 君津市 富津市 袖ケ浦市
0〜4 4.2 3.5 2.5 4.3
5〜9 4.5 3.6 3.1 4.5
10〜14 4.6 4.0 3.6 4.6
15〜19 4.8 4.8 4.3 4.9
20〜24 4.8 5.3 4.3 4.8
25〜29 5.1 5.4 4.4 5.1
30〜34 5.8 5.4 4.5 5.9
35〜39 6.6 5.5 4.7 6.6
40〜44 8.0 6.8 6.4 7.9
45〜49 7.6 7.1 6.6 7.4
50〜54 5.7 6.0 6.1 5.8
55〜59 5.4 6.2 6.5 5.5
60〜64 6.1 7.3 7.8 7.0
65〜69 8.1 8.7 10.1 8.6
70〜74 6.5 6.6 7.7 6.2
75〜79 5.4 5.7 6.8 4.7
80〜84 3.5 4.1 5.2 3.1
85〜89 2.1 2.6 3.5 1.9
90〜94 0.9 1.1 1.7 0.9
95〜99 0.2 0.3 0.4 0.2
100〜 0.0 0.1 0.0 0.0
 
 全体的な傾向は似ているが、木更津市と袖ケ浦市では団塊ジュニアといわれる40〜49歳の層に厚みがあることに対し、君津市と富津市ではそれが比較的薄く、逆に65歳以上では富津市の比率が際立って高くなっている。
 
 これをグラフで示すと次のようになる。
 
 
 では2002年と2017年の年齢区分別人口を木更津市で比較するとどうなるか、今度は実数で比較してみたものが次のグラフである。
 
 2002年当時に25歳程度であった団塊ジュニアの世代が、現在は40歳程度になり人数を千人程度増やしている事が理解できる。つまり木更津市の社会増は、この世代の流入が大きかったという事が明らかになるのである。
 
 同様に、富津市で比較すると次のようになる。
 
 富津市では2002年に15歳程度であった世代が15年後の30歳の世代に移行する中で逆に千人程度減っている事が解る。両市のグラフを比較すると40歳以下の世代の実数の変化に顕著な差があることが理解できよう。
 
 都市をどのように持続していくかと考えた場合、人口をどの様に維持していくか、または維持が難しい場合は、どの様な撤退戦を戦うのか覚悟しなければならない。近隣四市の中で、最も厳しい高いが始まっている富津市の状況は、今後の木更津市にも繋がることであるので、様々な改革を見守ろうと考えて、今年最初の思う事の記事にしたい。