オスプレイの報道に思う | ||
2018/03/30記 | ||
26日の月曜日の産経新聞の朝刊で「防衛省は25日、陸上自衛隊に今秋までに納入される垂直離着陸輸送機オスプレイ5機を木更津駐屯地に暫定配備する方向で調整に入った。現行計画の配備先である佐賀空港の施設整備が難航しているためで、近く地元自治体との交渉に入る。ただ、南西諸島から遠い木更津への配備は、有事への対処が遅れる懸念も指摘されている」という記事が出されたことを皮切りに、当日は同じフジサンケイグループのフジテレビがニュースとして電波に乗せてお茶の間に届けた。 最初は産経新聞を使った政府関係者のアドバルーンかと思ったが、翌日には読売新聞や朝日新聞も記事にするなど、何らかの裏付けを取ったと思われるニュースが次々と出されるに至った。 基地対策特別委員長として市役所を通じて防衛省に事実関係を問い合わせたところ、北関東防衛局には何の情報も届いていないという回答であり、27日には小野寺五典防衛相が閣議後の記者会見で「木更津駐屯地への暫定配備が決まった事実はない」と否定した。つまり公式見解では防衛省内でも一時的な措置について、選択肢を検討している状況で具体案は決まっていないという状況なのである。この状況では防衛省に対して説明を求めることも不可能である。 そもそも米軍のオスプレイの試験飛行は年度内には行わないという発表以降に情報がない中で、明日が年度末の最終日であり、今後の定期機体整備も情報を示して欲しいと要望しているのに、それについても、まだ説明を受けていない。 27日には渡辺市長が定例記者会見で「定期機体整備もしっかりした運用段階になっていない中、(暫定配備先を)急に絞ったという報道があったことは大変、遺憾で不快に感じている」と発言しており、森田千葉県知事も28日の記者会見で、県は何も話を聴いていないし、報道については遺憾であると述べている。 私も渡辺市長と同様、「佐賀が駄目だから木更津という理屈もおかしい。佐賀の状況も説明してもらわないと受け入れることはできない」という意見に同感である。そもそも防衛省としての決定事項でもないことが政府関係者から流れるようで、この国の防衛政策は大丈夫かと心配になるのである。 個人的にはオスプレイ5機を格納庫に保管させて欲しいというレベルなら断る話しでも無いと思うが、木更津駐屯地を使って隊員の訓練を積むというので有れば、近年の夜間訓練や飛行回数の上昇もあって簡単に納得できる話ではない。 特に固定翼と回転翼の双方の技量が必要と言われるオスプレイでは慣れていない状況での事故が多いので、そのような訓練は民間に被害の発生しない硫黄島ででも行って貰いたいと思うのである。 今後どの様な展開に話が進むか判らないが、委員会の開催をどうするのか、悩みながら今回の記載をしているのである。 |