持続可能な電力を思う
2018/04/19記
 先週の水曜日に議員会主催の勉強会があり、現在のエネルギー政策について見識を深める中で、現在の再生可能エネルギーのうち水力発電を除くと大きな容量は定額買い取り制度により急激に普及が進んだ太陽光発電で、その不安定な発電の穴を埋めるために液化天然ガス(LNG)のガスタービン発電は激しい発電調整を行っている状況である事を知った。
 私の基本的な知識では、石油や石炭、原子力発電は電力調整が難しく、夜間に余る電力を使って水力発電用のダムに水を揚げ、翌日の日中の発電に回すといった揚水発電まで必要としていた頃の認識であったが、化石燃料による発電は朝夕の方が多い時代に成ってきたという事は驚きでもあった。
 しかし、その一方で、再生可能エネルギーを増やさねばといいながら、東京電力としては他の電力会社と共にLNGの共同購入による価格の安定化に力を入れたり、世界的に安定供給が続く石炭による発電の改革と普及を進めたりと、化石燃料に頼る姿勢は変わっていないことも改めて感じた。
 
 確かにLNGは化石燃料の中ではエネルギー当たりの温暖化ガスの発生が少なく事故で流出しても環境への影響は少ないと言われている。また石炭については世界的に脱化石燃料が進む中で供給が過剰に成り安価に入荷できる中で、燃焼効率を高めて公害を発生させない発電システムを作ることは経済合理主義の上からは妥当な判断かも知れない。
 その様な流れの中で袖ケ浦市の中袖地区で、出光興産梶A九州電力梶A東京ガス鰍フ共同出資による叶逞t袖ケ浦エナジーによって出力約200万キロワットの大規模な石炭火力発電所の建設が計画されている。公害対策が進んだと言っても石炭の貯蔵場所から上がる粉塵は無視できないだろうし、発電後の温排水による生態系の影響も心配である。何より地球温暖化を促進する施設を増やすことにで世界の常識から逸脱することと、温暖化によって影響を受ける将来の世代からの批判に耐えられるだろうかと、私も心配している事案である。
 
 LNGも石炭も化石燃料である事に変わりはなく、その縮小を将来的には目指すべきであり、そのためには蓄電技術の向上と、夜間でも風さえ有れば安定的に発電する風力発電(特に低周波被害の少ない洋上風力)の普及、さらには分散して不安定に発電する再生可能エネルギーを国土全体で最適化させるような送電システムであるスマートグリッドが必要であろう。
 
 本日、南袖の袖ケ浦海浜公園にある展望台から牛込海岸の波打ち際を見ながら、干潟と水深が深い部分との境界に風力発電が林立することが出来たら、木更津市が北欧の国家のように環境を意識した持続可能都市を目指していると表現できるだろうと思いながら今回の記載を行った。