経済の循環を考える
2018/11/01記
 昨日は木更津市オーガニックシティプロジェクト推進協議会(会長:鈴木木更津商工会議所会頭・事務局木更津市企画部企画課)によるオーガニックシティセミナー第2段が開催され、地域経済循環編として『「アクアコイン」未来につながるまちの仕組みづくり』と題した講演会&パネルディスカッションが行われたので勉強のため聴きに行った。
 
 
 趣旨説明が企画課の担当者によって行われたことも好感が持てtが、基調講演を行っていただいた一般社団法人持続可能な地域社会総合研究所の藤山浩(ふじやまこう)所長による『地域をつなげるおカネの使い方』と題し、多くの資料を元に行われた説明が秀逸だった。講演については録音や録画が禁止されていたため、写真も撮影してないが、内容について同感した点を記載したい。
 
 まず、今までの日本人は稼ぐために暮らしていたが、これからは暮らすために稼ぐ時代になるという点である。現在の東京都心ではまだそれが持続されており、長時間労働やストレスによって精神障害の発症や出生率の低下等という問題が生じているが、地方都市におけるインフラの整備によって都会との生活差が少なくなった現在では環境を求めて低賃金でも地方への移住を考えている人が増えているという事の説明である。実態は都心から地方への流れを遙かに上回る都心回帰が進み、中央区や港区の人口増加数は日本最大規模であるが、考え方の二極化は進んでいるだろう。
 
 次に、アクアコインは地元企業に狭めることで一次的に経済の地域循環は起きるが、実際にはその原料や加工課程の労務費などが他市で有った場合は、販売手数料しか手元に残らないので、より多くの地元産品、特に大地に根ざす農林水産品の循環を考えることで深く経済の循環が起きるという事である。その視点で考えると、近年は取扱が減少傾向にある公設市場は、まさに経済循環の最前線という事になる。再整備計画が進んでいるようだが、それを食品や食事にして供給する地域業者と供に考えねばならぬ問題だと私は思っている。
 
 地域経済の実態を調べるために家計調査や、消費・流通・生産の各段階を通じた経済循環の把握も提案されていたが、私も行政が調査費をかけても行うべきだと思う。特に『里山資本主義』等の書物でも示されているように、エネルギーの経済流出が大きいので、せめて熱エネルギーの一部は地域の木質バイオマスを広域的に活用して対応することを、これからの時代では考えるべきだと思っている。
 
 地域交通による赤字は、高齢者の社会参加による健康寿命の延伸を通じ、医療費や介護費の抑制による黒字で埋められるという視点は好感が持てる。また女性の地域に根ざした小さなビジネスモデルが、地域循環と地域活性化に効果が有るという点を考えると起業を進める手法を広げるべきであり、現在市が取り組んでいる「らずbiz」は先駆的な取り組みだったと改めて認識した。
 
 別に12月議会の質問のネタにしようとしている訳では無いが、気に入った話を聴きながら木更津の現状とフィードバックさせていたので、忘れないように記載した次第である。