外国人労働者を考える
2018/11/21記
 今朝の新聞に、主に首都圏の駅前で中華料理店の「日高屋」を約4百店ほど展開する「ハイデイ日高」(本社・さいたま市)で、外国人従業員が約3千人が加入する企業内労働組合が結成されたことが伝えられた。組合員総数が約9千人なので全体の約1/3が外国人という事でニュースに成っているが、特に東京都区内の飲食店チェーン店では、フロアスタッフの過半数が外国人になっているのではないかと私は感じている。
 
 木更津市でも介護職等を中心に人手不足が深刻で、ホテル三日月が進出した縁を頼りに渡辺市長を中心にする訪問団が先月始めにベトナムのダナン市を訪れ、優秀という評判の高いベトナム人を木更津市にも引き込むため、都市間で友好を深めようとしている。
 労働条件が劣悪と言われる研修制度とは違って、正規の労働者として迎え入れ、適切に対応を行う中で日本国と木更津市を愛していただき、地域情報を好意的に発信することで、遠くない将来に豊かに成ったベトナムの人々が木更津市を訪ねたくなるので有れば、この訪問団は素晴らしい戦略だと、私は感じている。
 
 現在、アメリカ合衆国では不法移民を抑制する目的でメキシコとの国境に壁を設けようとしており、一方、中央アメリカのホンジュラスからグアテマラやメキシコを経由して米国に向かい、米国で難民申請を求める「移民キャラバン」が約4千人規模でアメリカ国境前でキャンプを余儀なくされている事も伝えられている。
 アメリカ国内でも単純労働は外国人や移民によって行われている割合が高いはずであるが、既に流入してしまった数が多いので、抑制する方向での議論がトランプ大統領の支持につながり、シンボルとしての壁の建設に成っているのだろうと理解している。
 
 既に日本国内で雇用されて働く外国人労働者は、2017年10月末時点で127.8万人と過去最高を記録している事を厚生労働省は伝えている。実際はそれを遙かに上回っているとの指摘も聞くが、国内の少子化に伴う労働力不足の不安が、入管法改正に向かっている。また、韓国や台湾といった周辺諸国でも自国民が単純労働に従事する割合が下がることで労働力不足を招いており、外国人労働者、特にASEAN諸国の優秀な労働者の争奪戦が始まっているとも聞く。ベクトルは外国人を多く日本に引き入れる方向に向かっているのだろうと感じている。
 
 ブラジルの日系人が多く働く都市では、行政窓口でポルトガル語の対応が出来るように人を雇っている。外国人の増加は犯罪率を高めるのではと心配する人も多いが、現在でも多くの外国人が居住している都市で犯罪が増えて過ごしにくくなったという話は聞かない。彼らのアイデンティティを尊重しながら日本社会への同化を上手く進めているのだろう。
 自らの事も考えて見たら、16世帯で構成される我が町内にもアメリカ人と台湾人が居て事業を営んでいる。アメリカ人の会社には多くのアジア人も働いている。個人的には仲良くさせていただいているし、近所からも文句は聞かれない。国際化は既に周辺に存在しているのである。
 
 外国人も労働組合に加盟して当然の権利を勝ち取らせるべきであるし、彼らを尊重しないと今の日本は回っていかないという現実から目を背けるべきではないと考える。
 行政としては、国民ではないが住民である外国人をどの様にサポートしていくかが、これから外国人に評価される都市に成るかどうかの分岐点であり、木更津市は優秀な方々が競って来たくなる都市を目指さなければ成らないだろうと、昨今の報道を元に考えていた。その為に何をすべきか、より深く勉強しようと思う。