市民の質問に答える
2019/01/31記
 メールで巌根周辺の公共交通に関して下記の質問が届いた。トップページのメールから届いた意見で有ればご意見と回答で答えるしか回答の方がないのだが、先方のメールアドレスが解る様な通常のメールで届いていたので、先ずはメールで返信し、それとともにHPに記載する旨の了解を得たので、質問の文章が長いこともあり当欄に転記することとした。
 まず届いたメールの抜粋である。
 
 昨秋、木更津市福祉プラン推進委員会・安全安心部会に出席した際、担当課より巌根駅のバリアフリー化について説明をうけました。その中で駅構内の上下ホームを結ぶ跨線橋に各1基のエレベーター、また東西口を結ぶ自由通路にも各1基のエレベーターを設置する事で準備を進めているとのことでした。そこで提案ですが跨線橋も自由通路もエレベーター設置工事のため、当然補強工事が行われると思います。
 この際ですから跨線橋と自由通路を接続してスイカ専用の自動改札機を設けて無人の改札口を設置出来ないものでしょうか。駅舎を全面的に立て替えて橋上駅舎を建設するには巨額の費用がかかるため、現在の財政状況では実現不可能と思われます。東西を結ぶ自由通路は将来駅の橋上化を見据えて建設されたいきさつがあると覚えています。今回のバリアフリー化工事に合わせて簡易改札口を設置すれば最小限の費用で出来るのではと思うのですがいかがでしょうか。
 
 もう一つ、高速バス東京線の岩根地区へのバス停設置に関して、バスは西口を出ると富士見通りを直進し右折し内港に沿って北進して中野畑沢線に入って行きますが、これを富士見通りの宝家交差点で右折して直進すれば3、4分の時間短縮が出来ます。この旧東映通りは大型車もすれ違える道幅もあります。この通りよりも狭い有吉通りや本庁通りも路線バスが走っていますし、金田のスパ三日月竜宮城の送迎バスも旧東映通りを通行しています。なぜ高速バスはこの通りを通行出来ないのでしょうか。道の拡幅を待っていたのではいつになるか分かりません。
 実現すれば、短縮された時間内で岩根地区にバス停を設置する事も容易だと考えます。いかがでしょうか。
 
 それに対し私の回答として下記の回答メール(抜粋)を送らせていただいた。
 
 巌根駅について駅舎の建て替えはご指摘の通り、長浦駅も袖ケ浦駅も約25億円程度袖ケ浦市が負担した例を考えると現在の財政状況では不可能であろうと、私も考えています。橋上駅を造る場合も毎日の電車運行に支障を生じさせない制約の中では夜間の数時間だけしか作業が出来ず、安全に掛ける架設物の設置などもあり、どれほど簡素なものとしても数億円というオーダーになる事も想定されます。なお、ホームにエレベーターを設置する場合のコストも同じ様な制約を受けるので1基あたり1億円程度、上下線にそれぞれ設置すると2億円が必要となります。青堀駅では地盤が悪かったこともあって2億近い予算で断念したとも聞いています。
 そこで、私が提案しているのは東口にSuica専用出口を追加し
自由通路のみにエレベータを設置するという案です。朝と晩で出入りする改札が変わりますが、最も安く上がるアイディアです。JRが複数の改札口に成ることに対し異論を唱えている様ですが多方面のチャンネルを通して調整中です。決まっていないので地元説明も出来ないことが残念です。
 
 高速バスを宝家交差点で曲がる運行については、港の道路が自動車運送用のトレーラーで渋滞する事もあり多くの議員から質問が出されていますが、歩道のない道路を通過させるには高速バスが大きすぎる旨の答弁です。複数のバス会社が相互乗り入れする現状で認可が降りないと聞きます。時間短縮のためには横断交通の少ない交差点の信号機を感知式に替え、更にはバスが来たら青になる、バスロケーションシステムを導入しそれと同時に宝家から215m区間を早く事業化するように要望しています。
 他にも金木橋を渡ると直ぐに左折して金田BTに入るようなコースにすることで2分程度の短縮も可能と考えますし、都心側にも対策の余地は沢山あります。それでも重要なのは到達時間だけでなく、需要があるところにバスを停めることだと思うのです。これらの問題については引き続き粘り強く努力していく所存です。
 
 私の考えを質問者に送ってから、改めて市役所に問い合わせをしたところ、JR東日本の千葉支社は初期投資額の問題でなく、長期的なランニングコストの点と巌根駅のような乗降者の少ない駅における複数改札の設置という実績を残すことがどうしても認められ無かったようで、やはりエレベータを4基設置する方向で市は協議を終了している様である。私には残念な話である。
 バリアフリーに関する成果品の工期が今年度末までなので、地域で説明できるとしても3月に成ってからが望ましいという事であった。その頃には来年度予算が議会を通過しているので、快速電車停車に関する取組についても細かい説明が行えるだろう。
 
 質問された方も私の考えに対する返信で「巌根駅周辺は昔からの街で、生活に必要なスーパーや各種店舗、それにクリニックも集積しています。電車や高速バスが便利に使えればまだまだ伸びしろはあると思われます。」と書いてあるように、請西や羽鳥野等で人口を伸ばすだけでなく、木更津駅周辺や巌根駅周辺のように都市基盤の整っている場所に人口が集まるような施策誘導をする事が木更津市の持続可能性を高めるために必要だと考えている。
 私だけでなく、他の地域に住む議員や市の職員にも意識を共有してもらうためには議会質問を更に磨き上げて行うことが一つの方法であり、また議会基本条例の第7条2項に規定する「政策研究会」を立ち上げることを進めるのも良い手段だろう。
 そのためには先ずは統一地方選挙の洗礼を潜り抜けてこなければと考えながら、この様な記事を書いている。