金田の渋滞対策を考える
2019/03/17記
 来月1日より運用開始される金田地域交流センターの市民向け内覧会が昨日開催されたようであるが、我々議員に対しては3月8日に公開された。その時に出た話が、この施設を週末に使おうとしても道路が渋滞して車では来られないと云う事である。
 噂に聞くところではベイシア金田店では渋滞を敬遠するためか、週末の午後には客足が減り、売り上げが落ちるという事である。そう言えば私も週末に金木橋を渡ることは原則として避けている。
 
 12日から14日まで開催された予算審査特別委員会でも、三上議員より金田の渋滞問題の解決のためには道路車線数を増やすと云ったハード面での対策だけでなく、各種のソフト事業も活用した対応が必要ではないかと質問があり、田中副市長も都市整備部だけの問題ではなく全庁的な対策を講じると答弁していた。
 
 現在の渋滞が続くと、週末にアクアラインを使って房総半島に行くことが敬遠されるように成り、木更津だけでなく千葉県としても大きな経済損出に成るだろう。ましてこれから潮干狩りの時期となり渋滞の規模も大きくなりそうである。ではどんな対策が有るだろうかと考えてみる。
 なお、房総半島に来る人が減れば渋滞は減少するが、それでは経済効果が減少するので、現在の入り込み客を維持しながら、渋滞を発生させない事を前提に考える。
 
 現在も執られている対策は、午後5時から8時に集中する交通集中を分散させるため、木更津市内の飲食店へ誘導して帰宅の時間を遅らせる事を目指した「週末木更津計画」の展開である。これの知名度が高くなれば渋滞抑制効果が高いと思われるので、まずはMOP内で、週末の午後4時頃から店内放送を流すことを検討するべきだろう。さらに受け皿を大きくするため参加店舗を増やし、クチコミでの拡散を期待して、お得で魅力的なメニューやインスタ映えする料理の開発も求められるだろう。
 
 飲食以外でも人を引きつける事として、東京ドイツ村のイルミネーションや木更津港の冬花火のように、日没後に引きつける観光地があることは有効であるが、どちらも冬のイベントなので、潮干狩りの頃には終了してしまっている。マザー牧場や東京ドイツ村には春以降も子供連れが日没後に楽しめるようなイベントを企画してもらうとともに、既存の施設に留まらずに多くの民間の知恵を集めて、帰宅を送らせ房総で夜を楽しむ提案を出すことが必要だ。道の駅うまくたの里も週末は遅い時間まで営業して、朝市ならぬ夜市を開催するという企画はどうだろうか。
 これから日が長くなると木更津市で夕方の海や工場夜景を見てから帰路につくという選択肢も提示すべきだ。今でも江川海岸には多くの観光客が訪れているが駐車場を開放したり展望の場所を設置するなど、漁業組合に頼らない観光施策は検討するべきだ。
 
 都心からの日帰り圏だという先入観を覆すように、房総半島で泊まってもらうという選択肢を増やすことも重要だ。お手軽な素泊まりパックを設けて、木更津や君津の街中で飲んでもらうとか、朝取りの新鮮な野菜を産直市場で購入してから帰宅し、その日の食卓に乗せるというようなモデルが有っても良いと思う。
 
 さらには渋滞発生の主要な原因であるMOPの営業時間を一律に8時とするのではなく、諸経費が高まるとは思うが、週末は21時まで営業する店舗が多くなり、午後8時以降にバーゲンを始めれば、自然と帰宅時間は分散されることだろう。また、逆転の発想でアクアラインが渋滞する前に通過させるため、午前中にMOPで買い物してきたことを示す領収書を提示した場合、海ほたるで記念品等を午後1時までの限定で提供するというのも手段である。
 
 既存のインフラを活用するため、都心まで帰るルートはアクアラインだけでなく館山自動車道を経由する選択肢を示すこともソフト対策であるが、その為に金田から脱出する道路の整備や交差点改良といったハード対策が必要になってくるだろう。週末の午後4時から午後8時までアクアラインの通行料金を高くするというのも簡単な方法であるが、アクアライン800円に逆行する施策は執らないことが望ましいだろう。
 
 色々書いてみたが、まだ他の方法も沢山あるだろう。重要なのは楽しい想い出を持ち帰ってもらい、またもう一度来たくなるという木更津や房総のファンを造ることである。その為に全庁的なアイディアと実行力を期待したいものである。