大津の事故で考える
2019/05/09記
 先月23日に江川で小学3年生の女児に対する交通事故があったばかりだが、昨日の午前10時15分ごろに滋賀県大津市で信号待ちをしていた保育園児の列に衝突事故を起こした軽自動車が突入し、またも尊い命が失われる結果に成ってしまった。亡くなられた園児たちは2歳で我が家の娘と同級生であり、成長したら同じ学校で学ぶ時があったかもしれないと考えると、遠い滋賀県の事故も他人事とは思えない。
 その場に居合わせて負傷された保育士の方々が、園児の命を守ることができなかったと自らを責めることのないように、同じ園の児童たちを含め、関係者の心理的ケアを大切に行っていただきたいと願うところである。
 
 今回の事故は江川での信号無視とは異なり、交差点内で発生した接触事故で車両が歩道に飛び込み、そこで信号待ちをしていた園児達を巻き込んだ物である。この事故形態に対し、羽鳥野の交差点を思い出した。
 私が組合で工事の監理を行っている頃の話だが、交差点の交通安全施設について木更津警察署の立ち合いを受け、担当者からは接触事故を起こした車両やハンドル操作を誤った車両が歩道に突入しないよう、横断歩道の部分にも車いすが通れる程度の幅を開けて柱を立てて欲しいと指導された。
 事前に千葉県警と交わされた交差点協議の条件には無く、当然追加の工事費を伴う事案なので指導には従わない選択肢もあったが、発注者の了解も有ったので対応させていただいた。
 今回の事故でもそのような柱があったら少しは被害が少なくなったかもしれない。遠くない将来には、交差点の標準設計に歩道への飛び込み防止支柱の設置が示されるように様になるかも知れない。ただし、柱1本で車を停められる程の強度は無いので、中に鉄筋コンクリートを入れて強度を上げるのか、被害を軽減する効果しかない事を前提にするしか無いだろう。
 何れにしろ、このような悲しい事故が起きるたびに安全基準を高めると、同じ事業費では整備できる個所数が減るというデメリットもあるが、何とかせねばと考えてしまうのである。
 
 それにしても江川の事故も大津の事故も軽自動車が歩行者を撥ねており、運転手は無事である。昔の事故だと大型車両に巻き込まれてという印象が有るが、軽自動車の基準が少し緩和され排気量が大きくなって車体も重くなったことから事故での衝撃力も当然強くなっているわけである。小さくて取り回しが楽だからと安心せず、凶器に代わるものを運転しているという自覚を全ての運転者に自覚させなければと今回の事故で思った。
 しかし今朝も江川の交差点で朝の見守りを行う中で、事故直後には通過速度が低下していたものが、通常の速度超過での運転に戻っているように感じさせられた。そのうちに夜間の信号無視も増えてくるのかもしれない。
 岩根では今から50年くらい昔に交通死亡事故が発生し私の姉と同級生の小学生が亡くなっている。その近くに交通安全を願うお地蔵さまが江川老人クラブによって昭和48年1月に設置された。それ以降は大きな交通事故もなく過ぎてきたのだが中野畑沢線の4車線化以降は交通量の増加に伴う事故が増えているように感じている。その一人一人、一台一台が交通安全に心がけてくれることを願いながら、今回の記事を終えたいと思う。