質問と成果を考える
2019/09/08記
 本日、江川陸上競技場で木更津をホームタウンとしているローバーズの試合が行われた。ローバーズを率いるカレンロバートは中郷中学校跡地でサッカーを中心に据えたスポーツ合宿施設を展開しようとしている事もあり、金曜日に行われた本会議で市を挙げて応援しては如何と質問した議員が居た。数年前から検討が進み、優先交渉権を得た昨年にも地元説明会が行われていたのであるが特に今まで企業名を出した質問が行われていなかった事もあり、質問者の成果として木更津市が応援を始めたように解釈されるのも腑に落ちないなと思いながら試合を応援していた。なお、試合の会場で質問した議員を見ることはなかった。
 
 
 既に決まっている事や議員には当然の事をわざわざ議会質問で取り上げ、それが質問で明らかになったかのように書く地域新聞も有るので、誰かが出来合いの質問をして、それを手柄のようにしても、またかと苦々しく思っていたが、今回の議会では条例の一部改正の議案として提出されている事案を質問した議員もいた。
 
 確かに条例改正に向けて質問者が働きかけて来たことは評価される事だと思うのだが、それを自分が行ったことをPRするかのように一般質問を行って議事録に残すことは品が無いのではと、本人に伝えたが、政治家である以上、自分の成し遂げた成果を広く伝えたくなる気持ちは解らなくもないし、他の議員でも自らの利益にも繋がるような制度改正を堂々と述べている姿も見られた。何をもって品がないと言うべきか難しい話である。
 
 木更津市では近隣市に比べて多くの議員が質問を行っている。その事は素晴らしいし、近隣市の議会を傍聴する中で木更津市の質の高さは実感している。ただし、先進地の事例を示し、木更津市でも取り組むべきではないかという質問を行い、その後に制度が変わっていくのは質問の成果だと思うが、制度が変わることを知りながら質問することはあざといように感じている。また軽微なことで担当者に言えば済むような事をわざわざ議会で取り上げて質疑することも如何なことかと私は思っている。もっと市がどうあるべきかという大所高所に立った質問を進めて欲しいものだと思うことが多々あるのだが、そこまで指導すべきでは無いのだろう。
 
 せめて、「一般質問」なのだから質疑で争点を明らかにするべきで、議員個人としての感想を述べる場ではないという事や、質問通告とあまりに違う質問を行うことは控えるようにと通知するべきかなと考えながら、今回の一般質問を聞いていた。