会派提言を提出する | |
2019/10/08記 | |
2015年から会派羅針盤として毎年要望書の提出をさせていただいているが、今年も改選後の新たなメンバーで8項目の要望を提出させていただいた。例年では本会議終了後に提出していたが台風15号の被害も有ったので少し間を空けて本日の午後4時半より市長・副市長・教育長に提出となった。 項目事項の8項目以外にも、新庁舎の議論の進め方や中学校教育におけるプールの活用方法など、多様な議論を交わし、また週末には台風19号が接近しており、その対応等についても意見を交わした。提出した内容については下記の通りであり、今回も備忘録として、また記録保存の意味から記載させていただく。 |
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要望1 財政健全化について 要望の要旨 1 大胆な行政改革を進め、行政サービスを維持しながら歳出の削減を進めること 要望理由 渡辺市長の就任以来、財政力指数・実質収支比率・自主財源比率・実質公債費比率・将来負担比率といった財政状況を示す値は改善され、積立金につきましても、財政調整基金を平成25年度末残高の25億39百万円から平成30年度末には44億38百万円まで増加させながら、平成29年度には、新たに公共施設整備基金を設置し、平成30年度末までに7億36百万円を積み立てております。当面は人口増加が続き、市民税も手堅く推移するとともに、新築家屋の増加や企業進出によって固定資産税も伸びると予想されています。 この様に木更津市を取り巻く社会環境は市の税収増につながることが多く、前の水越市政当時の地価下落に伴う税収減の中で長年に渡って土地開発公社の負債を返済するため「アドバンスプラン」に従って厳しい財政運営をしていた頃とは状況が違う様には感じられます。しかし、その当時に先送りした社会資本の更新時期のピークが迫る中で高齢者の増加による扶助費の増大も進み、市の推計でも2026年以降は人口の減少を推定するなど木更津市の将来を見通すと目の前の好環境に浮かれていることが出来ないことは明かです。渡辺市長もそのことを理解した上で、公共施設の再配置や補助金・負担金の見直しを進めるなど、行政改革を進めていることは充分認識しています。 しかしながら、本年度はパークベイプロジェクトや街なか居住マンション建設補助事業など、みなとの整備や中心市街地の活性化に取り組まれる一方、依然として学校適性配置の具体化など、地域に痛みを与える事業は先延ばしになっていると感じることがあります。 堅調な歳入に目を向ければ、収納率は若干改善されつつあるものの依然県下では下位に甘んじており、その改善は急務のことでありますが、他にも市街化調整区域の住宅密集地を市街化区域へ編入することで都市計画税を賦課するといった歳入増加対策の余地も多く残っています。 安定的な税収が期待され、人口が増加している今の時期にこそ大胆な改革を行うべきであります。既存市街地の価値を高めることで更なる税収増を進める一方で、必要な合理化を図り、将来に向かって持続可能な都市運営を進めるための絶え間ない改革を進めていただくことが必要です。「入るを量りて出ずるを為す」ことは今に続く教訓ととらえ、財政健全化を要望します。 要望2 災害対応力の強化について 要望の要旨 1 台風15号の災害対応を検証して対応力を強化すること 要望理由 渡辺市長は木更津市の防災力向上を明確な目標に据え、庁舎整備に先立ち消防新庁舎を整備することや機能別消防団の充実で消防機能を向上させるとともに、総務課の課内室であった危機管理室を独立した課に格上げし、その組織も毎年増員するなど、着実に目標に向けた展開を進めてきたところは高く評価するところであります。 しかしながら奇しくも市長の誕生日となる9月9日未明に襲来した台風15号による強風災害は人的被害がほぼ無く、物的損害も全壊家屋が後ほど2棟と修正されましたが、当初は一部損壊の家屋が大多数で、降雨時間が短いために土砂災害等も僅かしか生じない中で、想定外の長期停電と大規模な倒木による被害で、対応は決して迅速には進みませんでした。 東京電力を災害対策本部に配置するまでに2日間を要し、災害ボランティアセンターの開設や自衛隊への支援要望等は災害から間もなく1週間が経過するようなタイミングとなりました。人的被害が少ないためか、市内各地で結成されている自主防災組織の活躍もあまり耳にする事がありません。災害協定を締結した綾瀬市からの協力は目にすることがありませんでした。 実態としての被害が少ない中で進められた災害対応は、多くの教訓を残した一方で、本市では始めて開設された災害ボランティアセンター等の対応は貴重な経験を蓄積することに成ったものと思います。 そこで、今回の台風15号被害対応が一段落した段階で、災害対応を検証し、それを議会や市民の意見を受けることで行政外部からの指摘を加え、問題点を明らかにするとともに共有化を図り、遠くない未来に発生が危惧されている海溝型大規模地震に対する災害対応力の強化につなげること。 要望3 交通インフラの活性化について 要望の要旨 1 東京オリンピックを前提とした木更津飛行場の官民共同利用を研究すること 2 木更津港のクルーズ船寄港を念頭に置いた施設整備と海の駅を有効活用すること 3 JR内房線巌根駅で全ての快速列車の停止を実現すること 4 アクアラインバスの木更津〜金田間に新たな停車場を設置すること 5 移動困難地域の解消のため新しい交通システムの実現を早期に図ること 要望理由 木更津市ではアクアラインを活用した活性化が進み、金田東地区や築地地区に大型の商業施設が進出する中、対岸との交流人口も増加しています。しかしながら、アクアラインの効果だけが脚光を浴びており、陸海空の結節点である木更津市の交通インフラの機能を充分に活用しているとは言い難い状況にあります。 東京オリンピックを翌年に控え、混雑緩和が課題となっている羽田空港に近接する木更津飛行場には1800mの滑走路が有り、近年需要が増大しているプライベートジェットの離発着が可能である状況にも係わらず、陸上自衛隊が所有するオスプレイの暫定配備が打診されたものの、民間機による利用の話は生じてきません。 また、木更津港も駅から700mに立地する好条件が引き出されている状況ではなく、クルーズ船の実証実験は引き続き行われているものの、海外からの運航やホテルシップといった具体的な活用策が示さてはおりません。 さらに陸上交通を見ると、JR巌根駅が内房線で総武線快速列車が停車しない唯一の駅であり、アクアラインバスも岩根地区を素通りすることで人口減少や地価停滞が生じ、木更津市の活力を維持する足枷に岩根地区がなっています。 岩根地区以外でも車の運転をされない、或いは免許証を返納された高齢者には買い物、通院等の移動の際に不便を感じている方が多くなっています。とりわけ公共交通機関が充実をしていない地域では問題が深刻化しており、現在検討が進んでいる自治会バス等を利用した「新しい交通システム」の早期実現が望まれています。 これらのことから、木更津市の将来の可能性を広げるためにも、既存の交通インフラを最大に活用するとともに、新たな施策展開が必要であると考え、昨年に引き続き、交通インフラの活性化を図ること。 要望4 江川総合運動場の充実、改善について 要望の要旨 1 江川総合運動場内陸上競技場施設の更なる充実、野球場、サッカー場の早期整備及びネーミングライツの導入をすること 要望内容 本年6月、本市の市制施行以来、永年の悲願であった陸上競技場が江川に完成した。 しかし、9月に本陸上競技場で行った木袖支部中学校陸上記録会から、大きな課題が見えてきた。市内の小中学校の陸上大会、記録会には、選手、役員、応援の保護者を併せて1,000名程度が集まることが予想されることから、駐車場、トイレが不足することは間違いなく、現在の駐車場の収容台数、トイレの数では、円滑な大会運営は厳しいと思われる。実際に使用した関係者からも同様の声を多数聞いている。是非、早急に駐車場の拡張、トイレの増設をお願いしたい。 東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ誘致に向けてナイジェリアとの覚書を締結し、キャンプ誘致が現実味を帯びてきた今、江川陸上競技場を世界に恥ずかしくない陸上競技場にする必要を強く感じている。早急な対応を要望する。 また、江川総合運動場の更なる充実のためには、すでに建設が決定している野球場、サッカー場の早期整備の実現、また、ちばアクアラインマラソンやブルーベリーラン等でランニングへの関心が高まっている市民のニーズに応えるためにも、総合運動場周辺を活用した駅伝、ロードレース用の道路整備も併せて要望する。 更に、現在、日本各地で進められている様々な競技施設におけるネーミングライツ導入は、自治体の歳入増加という視点から成功しているケースが多いと聞いている。そこで、江川総合運動場においてもネーミングライツを導入すること。 要望5 木更津市子育て世代包括支援センターの充実について 要望の要旨 1 木更津市子育て世代包括支援センター「きさらづネウボラ」による子育て世代の支援の充実を図ること 要望理由 現在、核家族化の急激な進行と一人親家庭の増加により、子育てに悩む家庭が急増し、虐待の通告や相談が激増している現実がある。そのような中、本市の調査によれば、通常学級に在籍し、多動性や衝動性があり、特別に支援が必要な子どもたちが6%を超えており、30人の学級には2〜3人が在籍していることになる。このような子どもたち及び保護者を早期に支援することにより、将来的な学校不適応や不登校の解消につながるものと考えている。 現在、本市では、かねてからの要望に応え、木更津市民総合福祉会館内に、木更津市子育て世代包括支援センター「きさらづネウボラ」が開設され、福祉部健康推進課、子育て支援課、障害福祉課、教育部学校教育課、まなび支援センターなどが連携し、子育て世代の保護者に対し、包括的な支援ができるようになったことは、大変すばらしいことである。 しかしながら、現在は、人的配置の人数や専門職の配置の面で、十分とは言えず、子育て世代の保護者からのニーズに、十分に応えられていない現状がある。そのため、今後、更なる相談ケースの増加、相談内容の多様化等に十分に対応するために、担当職員の増員と、臨床心理士、言語聴覚士等の専門職の常勤職員としての配置を強く推進すること。 要望6 木更津市子育て世代包括支援センター「きさらづネウボラ」の充実について 要望の要旨 1.木更津市子育て世代包括支援センター「きさらづネウボラ」による子育て世代の支援の充実を要望する。 要望理由 現在、核家族化の急激な進行と一人親家庭の増加により、子育てに悩む家庭が急増し、虐待の通告や相談が激増している現実がある。そのような中、本市の調査によれば、通常学級に在籍し、多動性や衝動性があり、特別に支援が必要な子どもたちが6%を超えており、30人の学級には2〜3人が在籍していることになる。このような子どもたち及び保護者を早期に支援することにより、将来的な学校不適応や不登校の解消につながるものと考えている。 現在、本市では、かねてからの要望に応え、木更津市民総合福祉会館内に、木更津市子育て世代包括支援センター「きさらづネウボラ」が開設され、福祉部健康推進課、子育て支援課、障害福祉課、教育部学校教育課、まなび支援センターなどが連携し、子育て世代の保護者に対し、包括的な支援ができるようになったことは、大変すばらしいことである。 しかしながら、現在は、人的配置の人数や専門職の配置の面で、十分とは言えず、子育て世代の保護者からのニーズに、十分に応えられていない現状がある。そのため、今後、更なる相談ケースの増加、相談内容の多様化等に十分に対応するために、担当職員の増員と、臨床心理士、言語聴覚士等の専門職の常勤職員としての配置を強く要望するものである。 要望7 都市計画道路の整備等について 要望の要旨 1 都市計画道路 中野畑沢線について (1)貝渕工区に早期着手すること (2)中央地域の道路改修を行い中野畑沢線の効果を高めること 2 都市計画道路 中里曽根線について (1)線形を再考し通称平成通りをアクアライン連絡道の側道に連結すること 3 社会資本整備予算の拡充を図ること 要望理由 都市計画道路中野畑沢線は、本市金田地区から中心市街地を通り畑沢地区を結ぶ、総延長12,700mの道路で、本市西部を南北に貫く主要幹線道路として位置づけられています。本路線の整備状況を見ますと、北部では中野工区の700mが県により事業化され、休日の交通渋滞の対策として着実な整備事業の進捗が望まれております。南部では木更津市が桜井工区の890mを整備し、用地買収・墳墓の移転・文化財調査等が進められています。現在、未着手は中央工区・新田工区・貝渕工区の1,562mと成っております。 未着手区間のうち、貝渕工区の550mは桜井工区完成後に着手する予定と聞きますが、交通安全の面から桜井工区と同時開通して欲しいとの声があり、市において想定交通量調査が行なわれ、同時開通により交通量が減少するという結果が得られました。桜井工区が用地買収で進展が見られない中、貝渕工区の早期着手が望まれます。 中央工区の215mにおいては、道路線形の見直し協議を早々に開始する一方で、既存道路を大型バスの通行が可能な構造に改修して、高速バスのルート変更で中野畑沢線全体の道路整備効果を十二分に生かすよう求めます。 一方、都市計画道路中里曽根線は依然として未着工のままであり、袖ヶ浦市における 通称「平成通り」は本市境に於いて途切れたままであります。当該道路については線形の見直しを図り、早期に平成通りとアクアライン連絡道側道とを連結することを要望します。これにより木更津市の内陸部に袖ヶ浦市方面からの誘客を行い、本市市民も袖ヶ浦市方面に通勤することなど、市民の利便性が向上すると考えます。 また、社会資本の老朽化により住民要望が最も多い項目が道路修繕や側溝修繕等です。その様な要望を効率よく処理する為に計画的適正な工事発注として一つの整備事業を拡大する事でコストの削減や工期の短縮と同時に職員の経験が増えることも図れます。市民ニーズの多様化や超高齢化少子化時代を迎えるにあたり財政状況の厳しい中、木更津市都市計画道路中野畑沢線早期整備延伸等に係る予算を十分に確保願い早期完成や開通、社会資本の長寿命化や職員の経験向上を確実に推進すること。 要望8 次世代への都市づくりについてて 要望の要旨 1 持続可能な土地活用について 要望理由 今年4月「総務省統計局」から公表され「平成30年 住宅・土地統計調査 住宅数概数集計」結果の要約によりますと、全国の「空き家」の数は846万戸と、平成25年と比べ、26万戸の増加となり、空き家率は13.6%と過去最高とのことでした。今後も「空き家」の数は、増えるものと予想されます。 近年、多くの市町村においては「所有者不明」の「空き家」の対応について、とても苦慮しているものと聞いております。本市においても 今後、向かえる「人口減少」及び「相続等」により、所有者が特定出来ない「所有者不明」の「空き家」の数は増えるものと予想されます。 人口が減少局面に転じると、都市の大きさは変わらずに、都市の内部に空き地や 空き家等の低未利用地が時間的・空間的にランダムに数多く発生し、多数の小さな穴を持つ スポンジのように都市の密度が低下する、いわゆる「都市のスポンジ化」が進行するといわれております。この「都市のスポンジ化」が進行すると、都市の密度の低下、生活利便性の低下、行政サービスの非効率化、治安・居住環境の悪化、地域コミュニティーの希薄化、まちの魅力の低下、賑わいの喪失などの「負のスパイラル」が生じ、加速度的に都市の衰退を招くおそれがあり、持続可能なまちづくりが難しくなります。 本市におきましては、既に一定数の空き家が存在し、更に近い将来には人口減少が始まることが予測されておりますことから、「都市のスポンジ化」を防ぎ、持続可能なまちづくりを実現するための取組が不可欠と考えます。対応策と致しまして、不在者管理人や相続管理人制度の導入を早期導入や「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく略式代執行等の検討を図る事。 また、今後の既成市街地の再生にあたっては、整備が必要な地区を絞り込み、地区の課題に対応する小規模で柔軟な土地区画整理事業の実施を行う事。 |