道路協議会で思う
2020/02/17記
 12日に開催された全国高速自動車道市議会協議会において配付された資料を見ながら、全国で高速道路網が広がっている事を改めて実感し、昭和から平成に向かう時代の中で高速道路の距離を伸ばしていくために努力していた道路公団の時代を思い出した。
 
 現在の高速自動車道路ネットワークは下図に示すように本年の元日に開通している延長が有料区間(赤色)で9.551km、無料区間(青色)で2,409kmもあり、事業中の区間延長も有料道路区間では254km、無料区間では982kmに達しているようだ。既に、無料化区間を含めて11,960kmに達しており、私の頃に予定もされていなかった多くの路線が含まれていた。
 
 
 国交省から示された資料で昨年12月末までに全国で整備されたスマートインターが131箇所に達し、52箇所が事業中、14箇所が準備段階に有ることも示された。圏央道では大網白里が既に供用中で、茂原長柄も昨日の15時に開通されたが、袖ケ浦市域に構想されている「かずさインター(仮称)」は準備段階にも至っていないことが残念であった。
 
 また渋滞対策として付加車線の整備も進んでおり、関東では関越道の花園や高坂付近、中央道の小仏トンネルや相模湖及び調布付近、東名高速では大和トンネルで工事が行われ、既にその多くは開通している。
 アクアラインでも渋滞対策として、金田料金所から1km近く上り線を3車線にするとか、浮島JCTでの合流をスムーズにするため、本牧JCTで湾岸道路を2車線に絞っているような対応が必要だと思われるのだが、現在の所、計画はないようだ。
 
 アクアラインの橋梁部については拡幅を前提に構造計算が行われているので新規にトンネルを掘削せねばならない海底部分に比べれば施工は容易である。確かに建設費の利子すら充分に返却できていない状況で追加工事に踏み出せるのかという議論も有るだろうが、渋滞対策として一部区間のみの施工で有れば理解して頂けるのではと考える。
 
 首都高で大黒JCTから分岐して第三京浜の横浜港北JCTに至る路線が3月22日に開通するが、他にも首都高速道路の川崎縦貫道路が延伸されて立川周辺で中央道に繋がることや、現在建設中の外環自動車道が東名からではなく、延長して第3京浜をネットワークに繋げるべきだろうとか、対岸側で計画に対して考えることは多い。千葉県側では銚子連絡道路が高規格道路に準じた路線として計画に位置付けられているものの、房総半島外側の道路計画が国土交通省の資料に記載されていないことが気になった。
 
 鴨川や勝浦では海溝型の大規模地震が発生した場合に津波被害が発生される事が予想されるが、国道128号線の多くも被害を受けて沿岸部での物資輸送が困難に成ると推察されている。
 これは三陸沿岸でも同様であり、東日本災害時に三陸自動車道が整備されていた区間が如何に復興に役立ったのかが明らかだったため、復興予算を投入して来年度末までには三陸道の大部分が無料の高規格道路として開通する見込みとなっている。従って、房総半島でも、災害が発生する前に道路整備を進めるべきではないかと私は考えているのである。
 
 現在富浦で終点となっている富津館山道路を延長させ、国道のバイパスとして位置付けた無料区間として国交省で整備し、最終的には茂原長南インターまで延長する路線が認可されるよう動くことが、全国高速自動車道市議会協議会に鴨川市や勝浦市が加盟している事の意義であるだろうと考えながら会議に臨んでいた。
 
 ※2月19日に一部加筆を行った