学校再開で考える
2020/05/20記
 今年の2月28日の金曜日に3月2日からの休校が決まった木更津市立の小中学校は簡素な卒業式や終業式を行ってきたものの、休校の期間が延長を重ね、今月末までの3ヶ月間という長期に渡るものとなってしまった。
 県内でも既に館山市などでは学校が再開されているようであるが、木更津市でも学校再開に向けた説明があったのでここで意見を交えて整理する。
 なお、学校再開に向けた動きは木更津市・君津市・富津市及び袖ケ浦市の教育委員会が一同に会して検討を重ね、ほぼ同じ状況になるように調整されたようだ。
 
 まず、5月26日(火)から29日(金)までの4日間を『事前準備期間』として設定し、休校中ではあるものの自由登校日として位置付け「登校」に馴れる期間とする。26日と28日は期数学年、27日と29日は偶数学年が登校し、更に学級に20人以上在籍している学校ではグループ分けして時間差を設けることで「密」な状況を極力排除する事とする。鎌足小学校等の小規模校ではそもそも「密」で無いので、グループ分けは行わないという事である。
 更に小学校1年生は入学式しかしていない状況なので、学級を更に細かく分けて保護者同伴で登校させる事とする。これに伴い午前中の長時間に渡り登下校が続く状況となるため地域の見守り活動も長時間続くことになる。学校から学校支援ボランティア等への連絡が流されるのだろうが地域力が問われる週間である。
 なお、基本的には休校期間中でもあり、学校に行ってもホームルームを行い翌週以降の連絡等を行うだけで授業は行われない。更に共働き等で自宅において児童を見ることが出来ない家庭では今までと同様に学校で受入が続けられる。
 児童・生徒を集めて自宅に帰したらグループになって外に遊びに行ってしまい、かえって感染リスクが高くなるように思われるので、「新たな生活習慣」をしっかり教え、「密集」を造らないように指導する事を教育委員会から伝えるとの事であった。団体行動を学ぶべき場で団体になることを避けるように教えるのは心苦しいことだろう。
 
 次に、6月1日(月)から6月12日(金)までの12日間、登校日にして10日間は20人以上のクラスを2グループに分けて午前登校と午後登校を交互に行う。従って午前中に下校が有り、午後からの登校も有る状況が続くことになり、地域の見守りはより長時間に及ぶことになる。
 授業は再開されるが2〜3時間程度に留まり、本格的な学校再開に向けたルールの徹底期間と位置付ける。給食は再開せず、中学校の部活動も行われない。期間の最後になる11日と12日は午前中に一斉登校を行う事は学校の判断で認められるようだ。
 なお、入学式を行っていない小学校1校、中学校11校については12日(金)に規模を縮小して当該学年だけで実施する予定であり、1年生以外は通常通りに授業とするようだ。
 
 6月15日(月)は千葉県民の日であるが休みとはせず登校し、この日以降は感染予防を十分に行った上で通常登校とする。
 学校給食は始まるが感染予防に配慮して極力配膳を行わない方法を模索し、部活動も再開されるものの当面の間は朝練習や土日の練習も行わず、水泳の授業は座学だけにしてプールは使用しない事にするなど、通常とは言っても今までとは違う日常になる。
 
 例年だと7月18日(土)から8月31日(月)までとなるはずの夏休みについては欠課授業を取り戻すために短縮し、8月8日(土)から8月23日(日)までの16日間となる。夏休みでなくなってしまった学校の日における給食の提供はこれから検討するようだ。
 既に全ての普通教室にエアコンの設置が終了しているので通学時を除くと熱中症の危険性は少なくなるが「密閉」を避けるために換気を頻繁に行うことになるため、エアコンの負荷は大きくなるだろうし、電気代は当初の見込み以上に掛かることだろう。
 
 これらは千葉県の緊急事態宣言が明日の21日に解除されてもしなくても変えるつもりは無いようだが、感染者が増加するような事態に成った段階で見直しを行う予定となっている。
 また、運動会・文化祭・市内の各種大会や修学旅行などは現段階では実施の是非について判断が先送りされている。授業数の確保と感染リスクを低下する事を目的とするなら、これらの行事は中止されることになるだろうが、学校は勉強だけを行う場ではなく、集団行動を守ることや集団の中での個人を確立するために有ることを考えると、例年通りに行うことが無理だとしても何らかの代替行事が行われる事を望みたい。
 
 感染症の状況も見通せないが、来年の卒業が3月なのか7月なのかも解りにくい状況の中、教育委員会の手探りが続いている状況は理解できる。しかし、子どもや保護者が先を見通せないことで学習意欲を失ったり、問題行動に繋がるようでは大きな問題であり社会にとっても損失である。的確に情報を提供し、理解を得ていくことの重要性を鑑みながら今回の記事をまとめた。