議会運営を変える
2020/08/19記
 昨日の午前中に議会運営委員会が開催され、今回の9月定例会における一般質問は会派代表質問で90分の所を75分に、個人質問では60分の所を50分に短縮することについて了承を得た。
 
 前回の6月定例会では質問する議員と執行部の摺り合わせが通告日の前になるGW明けに始まる事が予想され、緊急事態宣言下で出勤を半減させながら執務を執行しなければならない市役所職員の負担軽減を考え、前例のない質問中止を4月中に決定した。
 この事については某新聞社が「議会質問は不要不急か」というニュアンスでオスプレイ暫定配備間近の木更津市議会に対する批判的記事を記載したが、千葉日報社の集計によると、県内54自治体のうち本会議での質問を中止した議会は20自治体と多く、決して木更津市だけが中止を判断したのではなかったのだ。
 
 因みに前回の質問に対する議会対応状況を自治体の人口順に整理した表にすると下記の通りとなる。
No 自治体名 質問中止 時間短縮 通常通り 7月実施
1 千葉市 979,930
2 船橋市 639,804
3 市川市 495,777
4 松戸市 492,679
5 柏市 430,625
6 市原市 269,558
7 八千代市 198,122
8 流山市 195,682
9 習志野市 173,761
10 佐倉市 170,483
11 浦安市 170,272
12 野田市 152,495
13 木更津市 135,697
14 成田市 132,058
15 我孫子市 130,755
16 鎌ケ谷市 109,382
17 印西市 101,274
18 四街道市 92,818
19 茂原市 87,169
20 君津市 82,130
21 香取市 72,624
22 八街市 67,221
23 旭市 64,093
24 袖ケ浦市 63,432
25 白井市 61,909
26 銚子市 58,719
27 東金市 58,129
28 富里市 49,945
29 山武市 49,050
30 大網白里市 47,959
31 館山市 45,113
32 富津市 42,891
33 南房総市 36,127
31 いすみ市 36,054
35 匝瑳市 34,970
36 鴨川市 31,933
37 横芝光町 22,474
38 酒々井町 20,449
39 栄町 20,126
40 勝浦市 17,121
41 九十九里町 14,966
42 多古町 13,982
43 長生村 13,776
44 東庄町 13,261
45 一宮町 11,759
46 白子町 10,417
47 大多喜町 8,961
48 長南町 7,484
49 鋸南町 7,239
50 芝山町 7,042
51 御宿町 6,892
52 睦沢町 6,835
53 長柄町 6,794
54 神崎町 5,787
自治対数 20 18 15 1
人口合計 3,081,773 2,229,507 812,230 152,495
 上表の人口は令和2年3月1日現在として千葉県が発表しているものであり、野田市は市長選挙が有ったため定例会は6月中に開催されなかったようである。
 表からは一般的な傾向として人口の多い、つまり議員数の多い自治体は一般質問を中止して、人口の少ない自治体は通常通りに実施しているように読めるが、中には人口約27万人の市原市が通常通りに実施する一方で県内最小人口の神崎町が中止するなど、必ずしも人口に比例するわけではない。
 また前回はかずさ四市での対応が別れたが、長生郡でも一宮町が短縮して他は通常通りにするなど、必ずしも近隣と足並みを揃えていないことが解る。特殊な状況の中で、議会運営は各市の議会が自主的に判断しているという状況も理解できる。
 
 今回は前回以上に感染者の増加傾向は強く出ているものの、市役所の対応に若干の落ち着きが出ていることや、議員の質問権を半年に渡って制限することもできないので質問を実施することとした。しかし、商業施設を改修した本市の駅前庁舎の議場では換気が十分ではないため、換気のための休憩時間を確保する事も目的にやむを得ず時間短縮を伴う質問としたものである。
 他にも一般質問の様に議決行為を行わない本会議は議場の密を緩和するため約半数の議員を会派室内で傍聴してもらうことや、質問の対象にならない部長等の執行部職員は議場内に入室しない事など、木更津市議会としては前例に無い各種の対応を執ることにした。議場に入らない議員が欠席していたように判断されないよう、出欠の取り方について再考が求められたため27日に再度議会運営委員会を開催する事にも成った。
 
 一般的に行政運営は前例踏襲という癖があり、事務局を職員に任せている議会もその傾向が強く出る。しかしながら昨年5月に私の議長就任以降は台風とコロナで前例のない対応を執らねばならない事が続いている。議会事務局が柔軟な判断をしてくれている事もさることながら、私の相談役である國吉副議長、齋藤議運委員長、鶴岡同副委員長が平成19年の同期当選組で、一期生の頃から腹を割った話しをしてきた事で相互信頼が今の力になる。
 議会運営を通常モードから変更することの大変さを認識するとともに、語り合ってきた日々は無駄ではなかったことを改めて感じながら今回の難局を乗り越えていこうと考えている。