解除から一週経過
2021/03/28記
 先週の日曜日を持って72日間に及んだ緊急事態宣言が解除され本日で一週間が経過した。木更津市内では金曜日に6人、土曜日に1人の新たな感染者が明らかになるなど、緊急事態宣言下と大きな違いはなく、坦々と感染者数が増加し続けている。
 左の写真は今日の午前中に車内から撮影した小櫃川沿いの桜並木である。飲食店の営業短縮は来月21日まで続く事になったし、桜祭り等のイベントは殆どが中止になっている。それでも綺麗な花や暖かな陽気に誘われて送別会等の人出は増えてくるだろう。
 
 木更津市に最初の新型コロナウイルスワクチン(米ファイザー製)が到着するのは来月19日で、26日に到着予定分の1箱とあわせて2箱、390瓶が確保できるという事が25日の木曜日に発表された。一つの瓶から通常の注射器だと5回分のワクチンが取れるため1950回の接種が可能になる。1人に2回接種が求められるので半分は保管され975人に接種することと成る。供給量が少ないため65歳以上の接種に先立ち、特別養護老人ホーム等の高齢者施設の入居者に優先接種してクラスターの発生や重症患者の発生を防止したいという方針のようだ。
 LDS注射器という注射器内に薬液を少ししか残さない器具を使うことで1瓶から6回分の採取が可能になるので975人が1,170人に増加する。さらに糖尿病に使用するインスリン用注射器を使用すると7回分が可能になるので1,365人まで増加するという事が伝えられ、河野大臣も積極的に使用するように発言していた。
 しかしながらその様な注射器の確保がまた難しいようで、貴重なワクチンを多くの方に供給することが出来ず、注射器とともに廃棄されていくことは勿体ないと思う。
 
 木更津市では19日から昨日までの8日間で17人が増加しているが、房総全体では83名で、前の8日間の増加数93人よりは緩やかに成ってきた。
市名 感染者数 町村名 感染者数
1 館山市 57→59 +2 1 九十九里町 34→34
2 木更津市 436→453 +17 2 芝山町 32→32
3 茂原市 167→173 +6 3 横芝光町 34→34
4 東金市 157→160 +3 4 一宮町 10→10
5 勝浦市 29→29 5 睦沢町 9→11 +2
6 市原市 857→877 +20 6 長生村 18→22 +4
7 鴨川市 54→59 +5 7 白子町 13→13
8 君津市 146→148 +2 8 長柄町 2→2
9 富津市 57→59 +2 9 長南町 15→22 +7
10 袖ケ浦市 175→180 +5 10 大多喜町 8→8
11 南房総市 69→70 +1 11 御宿町 9→9
12 山武市 155→157 +2 12 鋸南町 26→26
13 いすみ市 47→49 +2
14 大網白里市 104→110 +6
市計 2510→2583 +73 町村計 200→223 +13
房総半島合計 2720→2806 +86
 
 一日当たりでは10.75人で依然として2桁を下回っていない。これをグラフにすると下図の通りである。
 
 
 この様に一日当たりの増加数が一定なのでグラフの傾きも下図のようにほぼ一定で増加している傾向が続いている。
 
 
 一方で木更津市の部分は今まで落ち着いて値が今回急に増加している事が明かである。保育園で発生したクラスターも影響しているが、一刻も早い沈静化を願うところである。
 
 
 木更津市のグラフを年齢別に区分けしたものが下図である。
 
 
 特徴的な動きは大学のクラスターが出た10代、特養のクラスターが出た90代以上、保育園のクラスターが出た10歳未満で示しているので、それに30代、50代、70代のデータを加えて年代別の累積感染者数グラフを作成してみると下図のようになる。
 
 50代は継続的に増加しており、30代は10代に影響されるように増加し、70代の増加後に90歳以上のクラスターが発生したことがグラフからは見えてくる。また10未満の増加に伴い30代が増加しているのは家庭内感染が生じているためと推察される。
 
 因みに木更津市内の感染者数の年代別割合を一昨日の東京都のデータ(3月27日現在で年齢が明かな119,650人)と比較すると下図のようになる。
 
 都内と比較すると10代、60代、90歳以上で比率が高く30代から50代にかけて少ないことが解る。働き盛りの世代が感染しないように自粛してくれている事だと推察でき、感謝する次第である。
 
 緊急事態宣言が明けても多くの会社や組織で感染対策が継続され、宴会等の自粛は続いているとも聴く。飲食店の苦境は続くがリバウンド防止のためには致し方ないように感じている。
 現在読んでいる「新型コロナの科学」(黒木登志夫著:中公新書)から知識を深めて、それを周辺に伝え、誤解や偏見の無い世界を作りながら収束の日までを乗り越えていこうと思いつつ、今回の記載としたい。