ベーカリーのパンは確かに美味しいものであるが、同じ様な大きさや形で、多分成分も殆ど同じものがスーパーでは価格が1/3以下で販売されている。同じ「食パン」ではあるが昨年頃から高級食パンがブームに成っているようで、食パン専門店も出来ている。
これがお弁当なら、たとえ同じ様な大きさや形の容器であっても中に入っている具材の差で人気が異なるように思う。おにぎりも同じだと思う。白米だけの「ごはん」が産地や炊き方の差で3倍以上の値段で売られている事例は、木更津市内では聴いたことがない。
同じ様な成分で価格差が大きく開いているものは世の中には多く、特に酒類はそうである。日本酒も成分としては大きな差が無くても材料や製法の差で大衆酒から大吟醸まで大きな差が出ている。ウィスキーやワインも僅かな差で価格は10倍以上も開いている。これだけの差が開いている理由は、99%内容が一緒でも、わずかな差の違いに消費者が価値を見いだしているからである。ただし、中には質の差より「評判」や「希少価値」といった情報の差で価格が開いている事例も多く目にする。だいぶ前にも「越乃寒梅」の人気が高くなっている頃、「越乃寒梅」の瓶に入っている事が重要だと、空瓶に他の酒を入れてお客に出していた事件があったことを思い出す。多くのお客はそれを美味しそうに飲んでいたということであるが、高くなくても美味しいお酒は全国に数多くあるのでその様なこと起きるだろう。
高級食パンの話をしたのは、昨日から始まった自由民主党の総裁選挙とその後に告示される衆議院選挙に関して、本日11時から自由民主党木更津支部の役員会議が開かれたからである。
自由民主党の総裁選には河野・岸田・高市・野田の4人が立候補し昨日からテレビや新聞を賑わせ続けている。4人とも同じ自由民主党に所属する衆議院議員であるから、政策の内容の大多数は同じであり、菅内閣の施策から激変するような事はないだろう。
それでも僅かな差が大きな価値の差になると考え、自由民主党員である私も地方票を投じることになるからである。
ちなみに、自由民主党員は全国に約110万人存在し、千葉県には約3万3千人、木更津市には約3百人が居るということである。新総裁は直後に実施される衆議院選挙の顔になるので、若手国会議員の多くは誰が成ったら選挙に有利に働くかという視点で総裁を選ぶと言われており、派閥の代表が立候補している岸田派を除くと派閥に拘束されることなく投票活動が行われそうである。
私は自分の選挙に直結することはないので政策を元に決めたいが、先に書いたように99%は大差がない。その中でも進めて欲しい施策が河野候補の脱炭素の取組、岸田候補の新自由主義との決別、野田候補の子育て世代への支援である。
特に浜田代議士が支援者となった野田候補は今までに何度も総裁選を目指したことと派閥の支援が少ないことで、遠慮しない答弁は爽快である。既に進んでいる人口減少社会に歯止めを行うことの優先度を感じている事もあり、今回は野田候補に一票を投じようかと考えている。本命候補ではないのでいわゆる「死に票」となる可能性は高いが、自民党員の中にも彼女の掲げる施策を評価する声が有ったことを残すことの意味は有るだろうと思っている。最終的には国民の人気が高い小泉・石破・河野からなる「小石河連合」が個人的な力を集めれば河野候補が有利であろうし、手堅い施策と行政運営が期待でき国会議員の評判が良い岸田候補も順当な結果になると思う。
来月4日に首班指名が行われ、その夜に選ばれたもので成立した新しい内閣で臨む衆議院選挙は、それまでのメディアへの露出の多さと新しい内閣に対する期待値が加わり、野党には不利に働くことになるだろうが、この１年間の知事選挙や衆議院補欠選挙などでの与党連敗を考えると、まだ野党に風が吹いているかも知れないので結果は解らない。
いずれにしろハッキリしているのは、来月には新しい内閣が成立し、選挙が訪れ、遅くとも11月には衆議院議員の顔ぶれが新しくなるということである。その頃には国民の70%以上に2回目のワクチン接種が終了しており、重症者の減少による医療現場の負荷軽減で、感染が抑えきれなくても新しい日常の名の下に経済活動が再開されることになるだろう。いや、そう成らねば多くの産業が持ちこたえることが出来なくなるだろう。これから年末に向けた日々が期待や希望に満ちたものに成ることを願いながら今回の記事を記載した。
なお写真はクロワッサンの「幸せ食パン」、浜屋の「バーベキュー弁当」、宮崎酒造の「峯の精大吟醸」である。本文とは関係ないが、全て満足する一品であることを付け加えておく。