水道事業を考える
2022/10/31記
 本日の午後2時からかずさ水道広域連合企業団議会議員13人を対象とした事業運営懇談会が開催された。本日の議題は下記の通りである(通知文のままではなく内容に沿って記載している)。
 
(1) 11月議会上程の議案概要説明
議案1 専決処分の承認(職員の育児休業条例改正)
議案2 令和4年度補正予算(第1号)
議案3 職員の給与条例の一部改正
議案4 未処分利益剰余金の処分
議案5 令和3年度水道事業会計決算の認定
議案6 監査委員の選定
報告1 水道事業会計予算繰越計算書
報告2 令和3年度水道事業会計決算の資金不足比率
(2) 水道事業統合広域化基本計画の取組状況について
(3) 令和5年度予算編成方針
(4) 広域連合ビジョンの概要について
(5) その他
@ 亀山ダムの土砂堆積対策状況(口頭説明)
A 管工事組合からの要望対応(口頭説明)
 
 これらの説明に要する資料は、来月14日の11月定例議会の議案書等を含め、下表に示すように253頁に渡っている。今回は一週間ほど前に郵送されてきているので突然の提示というわけではないが、特に議案については内容量が多いため議会に先立って説明が行われているのである。
  
No 項目 頁数 備考
1 次第・招集通知書等 6 A4
2 11月定例議会議案書 53 A4
3 決算書 129 A4
4 監査の決算意見書 29 A4
5 決算の概要 11 A3
6 補正予算案の概要 4 A4
7 余剰金資料 2 A4
8 統合広域化の取組状況 15 A4/A3混在
8 令和5年度予算編成方針 1 A4
10 広域連合ビジョンの概要 3 A4
合 計  253
 
 用水供給事業を行っていた君津広域水道企業団の頃には各市の議員を回って説明を行っていたが、説明を一度に済ませて職員の手間を減らすことと、互いの質問を聞き議員間の共通認識を深くするため、更には議案以外で企業団の現状を説明する場が必要だという考えから四市水道統合後にこの様な形になったのである。
 定例議会の議案については、確認行為以上に深く質疑を行うと事前審査になることや本会議で再度聴かないと議事録に残らないという問題があるので疑義の残る点も本番に残し、再質問はしなかった。今回記載したいのは統合広域化の取組である。
 
 統合による合理化と総務省からの補助金を受けて君津市や富津市に多く残る膨大な老朽管の更新を進めるとともに強靱化を進め、将来的な料金値上がりも可能な限り抑えるという触れ込みで水道の統合が行われたのであるが、令和3年度末に36.1%も残る老朽管は年1%程度しか更新が進まず解消は令和30年まで係るという計画である。漏水という常時の課題に加え大規模断水の危機も懸念される。
 工事費の高騰や施行業者の減少、統合10年後以降は補助金が減少となり、停電対策やダムの堆積対策負担といった最近の課題に加え、統合時から鹿野山水道の統合や富津南部地区への拡張といった多くの課題が山積する中で、わずか1%の改良ペースすら守れないのではないかと私は危惧する所である。
 
 事務の合理化のためにはシステムの統合が前提となるが、統合から3年半が経過しているが未だに四市の給水事業と旧君津広域水道の用水事業で別々のシステムが使用されている状況である。
 来年度から四市が個別に発注している料金徴収事業と検針事業を統合して発注する方針のようだが、今日の説明では統合による合理化の効果を期待していないようで理解に苦しむところである。
 
 水道料金改定については広域ビジョンの策定の中で各市との協議が進んでいないため今回の説明が見送られたが、料金改定に向けた議論は全体に遅れており、令和6年度の改定は令和11年の統一料金に向かう激変緩和措置と成るべきであるのに、このままでは小手先の改正になるのではないかと危惧している。
 今まで市の水道部が行っていた頃には情報を収集しやすかった様々な事案が見えにくくなっているとしたら、我々広域議会の議員の力不足によるものである。様々な課題がある中で13人の議員が連携を取り合いながら対策を執って行かねばならないかと考えつつ、本日の事業運営懇談会に参加していたので、取り急ぎの報告としたい。