東清川を検討する
2023/01/13記
 東清川にある東清小学校は長い歴史を持ち、昭和の頃には日の出団地の子どもたちの在籍も多い規模の大きな小学校であったが、現在は地元の子どもが減少し、小規模特認校制度を利用することによって複式学級が発生することを抑えているが、来年度にはそれでも防ぎきれず複式が発生する見込みである。
 先の議会質問で、岩根小・高柳小及び西清小の学区においては市街化調整区域での農地から宅地への転用が続き、住宅が増加して実質的に市街化が進んでいることを示したが、木更津駅からほたる野までと大きな距離の差が無いにも関わらず、東清小学区では市街化調整区域での宅地開発が行われていないことも明らかになった。
 小学校の存続のためには学区内に住宅開発が進むように誘導することが重要であり、更に東清川駅周辺に住宅が増えることで久留里線利用者が増加して路線の存続に寄与するという効果も期待できる。既存の日の出団地の更新という手段もあるが、市街化調整区域における宅地開発の可能性も高いのではないかと考え、誰に頼まれたわけでもないが東清川の検討をしてみた。
 
 東清川駅のホームに立ち南東側を見ると耕作された農地が広がっているが、中には雑草が生い茂っている休耕田も目に着く。南西側には駅前にも関わらず太陽光発電施設が設置され、地形的には住宅への転用を出来る可能性は感じられた。
 地図で距離を測ると、鉄道から国道409号線までの南北方向の幅は約170m、笹子踏切のある市道から椿川までの東西方向の幅は約400mなので、約68,000uの面積がある。当該範囲には数軒の建築物が含まれているが、それを控除せず、約30%を道路等の公共用地に使用したとして47,600uを宅地として使用することが可能となり、平均200u(約60坪)で造成するなら238区画を供給することが可能になると算出した。入居率を70%、世帯平均の小学生人数を0.7人とすると117人の児童数である。入居率や小学生の平均には根拠がないが、新興住宅地での体感的な値を勝手に使用した。この結果、各学年に19人程度の増加となる。
 
 と、ここまでは数字上の遊びで、実際には耕作を続けたい農家や現在居住している住民もおり、この様には進まない。何より問題なのは、この周辺は住宅になっているような場所を除き、農振農用地に指定されており、開発行為は容易に出来ないことだ。
 右の写真で着色されている場所が「農振農用地」なので開発が出来ないとなると、久留里街道の周辺で住宅が多いエリアで虫食い状に開発を行うか、林地開発の許可を得て山を造成するしかない。それでも小学校周辺には無着色部分が有ることも解る。
 
 市街化調整区域でも農振農用地に指定されていない遊休農地の地権者に意識調査を行い、手放す意向がある場合は住宅メーカーに繋げるという役割を行政が果たすことは可能だろう。
 より広いエリアを整備するためには地区計画制度の活用が理想的であり、本気で進めるのなら土地区画整理事業を立ち上げることも可能であるが、時間と労力が比較にならないほど多くなる。
 何れにしろ地域の課題解決のために行政が出来る可能性は多くあるということを考えながら、東清地区にも活気が甦ることを願って今回の記事を終える。