来年度の水道予算
2023/02/07記
 昨日開催されたかずさ水道広域連合企業団議会では来年度予算が審議されたが、来年度予算の純損益(税抜き:単位千円)は下表の通り前年度の黒字予算から一転して赤字予算と成った。
令和4年度予算 令和5年度予算 増減
水道事業 347,798 -131,239 -479,037
用水供給事業 130,170 -425,027 -555,197
合計 477,968 -556,266 -1,034,234
 歳出が電気代や工事費等の高騰により著しく増加していることが10億円を超える財政悪化の主な要因であるが、君津市や富津市の人口減少に伴い収入も減少傾向に向かっている。来年度の給水人口は本年度に比べて1,232人も減少するのである。
 その件に関して君津の小倉議員より更新にあたって管径の見直しを行うべきではという質問があり、既に令和4年度に君津市内において200mmを150mmに変更した事例があり今年度導入したシステムを活用することでコンサルタントに委託することなく適切な管の大きさが検討出来るようになるようだ。
 
 私からは老朽管の更新状況を確認するため現在の状況を要求したところ、令和3年度末の状況(単位km)の報告があった。
木更津 君津 富津 袖ケ浦 管種別計
石綿セメント管 12.0 78.0 95.0 17.0 202.0
塩化ビニル管 327.0 344.0 108.0 26.0 805.0
普通鋳鉄管 36.0 - 0.1 2.0 38.0
老朽管合計 375.0 422.0 203.0 45.0 1,045.0
全管路延長 1,051.0 843.0 477.0 522.0 2,894.0
老朽管比率 35.6% 50.0% 42.6% 8.8% 36.1%
 統合基本計画では木更津市と袖ケ浦市では令和20年度まで、君津市と富津市では令和30年度までに老朽管を無くすという目標を立てていたが令和4年度は33km、令和5年度予算では37kmを更新するだけなので目標の達成は困難な状況だと解った。
 統合による交付金が期待できる令和10年度までは漏水の可能性が高い塩化ビニル管を優先して更新し、それ以降は病院などの重要施設に繋がる管を更新する計画ということであるが805kmもある塩化ビニル管をどの程度更新できるのか疑問である。
 もう一点は工事の平準化を確認する質問を行ったが83件と予定している工事のうち18件が4月1日に契約状況にあり、13件の工事は早期発注を目指しているということである。毎年確認してきた平準化への道はそれなりに対応していることを確認した。
 
 斉藤議員からは検針業務と料金徴集業務の費用及び下水道使用料の受託費の収入状況が確認された(単位千円)。
木更津 君津 富津 袖ケ浦
検針業務 62,475 34,401 22,574 24,202 143,652
料金徴集[A] 115,766 88,770 56,166 66,489 327,191
小計[C] 178,241 123,171 78,740 90,691 470,843
徴収受託[B] 82,579 62,414 11,872 57,336 214,201
[C-B] 95,662 60,757 66,868 33,355 256,642
[B/A] 71.3% 70.3% 21.1% 86.2% 65.5%
 その場では[C-B]や[B/A]の報告はなかったが私が勝手に加筆したものである。四市の8業務を統合すると約4億7千万円の歳出となるが2億1千万円の収入があることも解った。
 前回の補正予算で計上された債務負担行為は現状より高額になるので歳出の削減を行うように要望しておいたが、君津の石上議員の質問に対する答弁で合理化を検討しているということと受託業者が決まったら報告があることが解った。
 石上議員は未だに方針が決まらない中で令和6年度の料金改定が出来るのか確認したが、来年度が赤字予算なので早めの料金改定を行わないと内部留保資金が底をつく可能性のセグメントもあり改定が急がれていることやそれに伴う経営改革を進めることが答弁された。最後に水道事業全体の民間委託の考えがないことを確認されたが、別室で音声を傍聴していた方々の疑問は解決したのであろうか。
 
 これらについては後日議事録が各議会に配られ、木更津市議会ではタブレットを通じて情報提供が行われるものであるが、個人的な備忘録としてここに記録しておく。