写真撮影を考える
2023/07/25記
 昨日は娘を連れて富津ジャンボプールへ行った。私が子供の頃から楽しんでいるから50年ほど前には設置されたのだろう。老朽化した設備も随所に見られるが綺麗に管理されており、海越しに横浜市や富士山の風景も楽しめる魅力的な場所であった。
 しかし、その状況は文字でしか残すことが出来ない。何故ならこのプールではカメラやビデオの持ち込みが認められておらず、撮影も禁止されているからである。
 
 割れて危険なビンや缶などは解るが、わざわざ記載する内容なのかと思う刃物や危険物と並びカメラ・ビデオの記載はある。携帯電話の規制はないが、文字として(撮影禁止)と書かれている。一部の利用者は携帯電話で子どもの喜ぶ顔を撮影していたが、私個人としては今時、撮影を禁止にしている県の対応がナンセンスだと思ってしまい、今回の記載に至っている。
 
 確かに肌の露出が多い水着姿を映されたくない女性は多いものと思うが、その様な行為は迷惑防止の範疇で規制すれば良く、子どもの成長の記録として映像を残せないばかりか、SNSへの発信によるクチコミ効果での集客はテレビやラジオによる広告費以上の効果があるものと思うのにそれを失っていることも勿体ない。
 中には私のようにコンクリートから鍾乳石のように垂れ下がっている風化の証拠やペンキが剥がれている状況、水面に浮かぶ鳥の羽や虫など、管理者にとって見られたくないものを撮影して公開するものも考えられるだろうから、指定管理の受託者だけでなく所管部局にも撮影禁止は重宝で、辞めたくないのかもしれない。
 
 迷惑防止の範疇での禁止の前に、そもそも異性からカメラを向けられる事に嫌悪感を覚え、そのため撮影自由な海には行かない、という人も確かにいるだろう。その様な人のための避難所としての施設はあった方が良いが、それで有ればいっそのこと女性専用デイを定期的に設け、男性の入場だけでなく撮影も禁止するなど運用を見直すべきであり、公共の場、特に屋外での撮影は原則として自由であるべきべきだと思っている。
 
 因みに袖ケ浦が運営する百目木公園プールでの個人的な撮影は禁止されておらず、民間の施設も私が娘を連れて行った範囲では、その多くがカメラの持ち込みを認めている(入場前にトラブルにならないように確認している範囲であるが)。
 プールだけでなく博物館や美術館でも原則撮影可能として、著作権などの問題で撮影しては成らないものだけ禁止措置を執るべきだと長いこと議会で言い続けたので郷土博物館金のすずでも撮影が可能となった。それによる問題が生じたとは聞いていない。
 
 千葉県だけの問題ではなく、プールや撮影に関した問題だけでもない。一般的事項に拡張して、行政を司るものには過去に禁止した事項について思考停止に陥ることなく、そして一部のものを養護することを目的とした他の手法が考えられる中で、一律に安易な規制を設けて多くの方の権利を奪うことの無いようにと思いながら、それでも娘の写真を撮りたかったなと考えて記載している。