木曜日に東京散歩
2023/09/29記
 昨日は平日の木曜日だったが9月定例会も終わり急ぎの用事もなかったので都内で買い物がてら、決算審査等のディスクワークで鈍ってしまった足腰の鍛錬に都内を散歩した。
 
 高速バスに海上自衛隊前から乗車して都内に向かい丸ノ内で買い物を済ませてから住友林業のCMで気になった木造建築の上智大学15号館を見学するため中央線で四ッ谷駅まで移動する。駅を出て37年前に社会人だった頃、当時の道路公団本社へ向かう道の途中に木造3階建ての校舎が見えてきた。
 周囲の建築物が大きいこともあり風景の中では小さな建築物だと感じたし、北側や西側の壁は木を覆うような防火被覆が行われているようであった。因みに住友林業のHPではCO2ベースでの炭素固定量は84トンというが施行費用が従来と比べてどうなのかは解らない。
 個人的にはCLTによる木造高層建築の可能性を信じている。既に欧州では進んでいる技術であるが、木造高層住宅を増やすことで炭素の固定化を進めると同時に、国産材を大量に使うことで森林の再整備が進み、産廃処分場に変わることのない健康な山林が維持されるべきだと考えているのである。また岡山県真庭市の事例のようにCLTの工場と木質資源を活用した発電施設を併用することで化石燃料の輸入量を抑制し、山村にも産業が起きることも期待しているのである。
 
 建築物を見るので有れば「ル・コルビュジェの建築作品」として今から16年前の2006年に世界遺産として認定された上野の国立西洋美術館も観ておきたいと思い、天気も良いので四ッ谷から上野までの約6kmを歩いて移動した。途中で令和元年に各県の土で造られた「さくら陶板」が設置された靖国神社を参拝し、水道橋で昼食を摂り、蓮の葉で水面が見えなくなっている不忍池に到着した。気温も上がり、ポロシャツは汗で湿っていた。
 
 
 
 修学旅行生らしき制服姿の中学生とインバウンドの旅行者が目立つ上野公園の木陰で汗が引くのを待ち、午後1時半に500円の入場券を購入して国立西洋美術館の鑑賞を始めた。施設内の美術品は商業利用や公表しない場合で三脚やストロボを使用しない条件で写真撮影が許されており、多くの人が気に入った絵を写真に収めていることが新鮮だった。
 
 
 
 私は美術作品にも興味があったが、それ以上に建築を細かく見て回った。入って直ぐのエリアにはル・コルビュジェの建築の特色を開設するパネルもあり、巻き貝のように収納品が多くなれば増築を繰り返して成長する建築という考え方には新鮮な驚きもあった。
 油絵をCanonの技術で赤外線撮影して下書きと完成品の差を示すコーナーなども有り、個人の収集品を国民のために公開するだけでなく様々に興味を引くように展示されている姿勢には感心させられる。
 空調が利いた館内をゆっくりと見て回ったので美術館を出る頃には夕方になっていた。折角なので久しぶりにアメヤ横丁も散歩してみるとガード下の焼鳥屋には欧米系の旅行者が多く、店舗の幾つかは中国語が飛び交う中華料理店に成るなど、コロナで暫く来ない間に風景が変わっていた。秋葉原の近くではガード下に期間限定のイベントのようだがキャンプ場も設営されており、そんな需要も有るのかと驚かされる。
 
 
 
 流石に歩き疲れたので秋葉原から東京まで山手線に乗り、八重洲バスターミナルの待合いに出来た立ち食い寿司を味わい木更津に帰ってきた。自然に浸る山歩きも爽快であるが、都内を歩き回るのも楽しいと思った木曜日だった。