企業団が活躍する
2024/01/30記
 昨日開催されたかずさ水道広域連合企業団事業運営懇話会のなかで能登半島地震に派遣されている支援隊の活動が報告された。企業団のホームページでも紹介するべきだと提案したが、私もこの場に整理したい。
 
 かずさ水道広域連合企業団(以下「企業団」)は公益社団法人日本水道協会(以下「日水協」)関東支部の災害時相互応援に関する協定に基づき災害派遣を行っている。1月15日には組立式仮設水槽2台を持って職員2名が出発して16日に志賀町役場へ設置て17日に帰還、また給水車とサポートカーを活用する4人編成の給水班が16日の朝9時に出発し17日から給水を開始している。
 被害の大きい能登半島北部の6自治体について日水協の三地方支部(中部・関東・関西)が分担して対応しており関東は輪島市と志賀町が給水活動エリアとなっている。
 
 四市と県の君津広域水道との合併により誕生した企業団は令和元年台風の長期断水を受け令和2年度から給水車3台を購入し、現在は5台を保有する県内2番目の規模の水道事業者である。もっとも最大規模である県営水道との差は極めて大きい。今回の能登半島に千葉県から給水車を送り込んでいるのは県営水道と柏市と我が企業団の3台だけであり、全て輪島市を担当している。ちなみに関東支部としては22台が給水活動を行っているようだ。
 企業団の5台の給水車は2000Lが2台、1700Lが2台で今回能登に向かったのがもっとも小さい1600Lの車両である。車両が小さく4WDということもあり細い道路の先にある避難所にもたどり着けるので重宝されているようだ。
 
 給水班は毎朝5時半に金沢を出発し、報道機関があまり入らない門前地区まで106kmを3時間半かけて到着し地原浄水場で水を満たし一日平均7ヶ所の仮設水槽に給水をするため60km程度走り、14時半に活動を終了して金沢に戻り18時に金沢市内の対策本部に活動を報告し翌日の打合せを済ませ18時半に宿に戻る日々を送っている。
 この様な日々を交代で行っており、第2班が20日に新幹線で金沢に入って引継を行い、最初の班は21日に新幹線で帰還している。以降往復の移動2日と現地活動4日を1サイクルとする給水班が昨日までに4班行っており、今後も交代で業務を継続する計画である。
 金沢から現地までの往復が長く、羽咋市あたりに前線基地を設けて対策本部とはZoom等で打合せを行えば良さそうだと提案したが、既にホテルを長期間に抑えてあり、引継も容易で何かあった場合に移動しやすいので金沢を拠点にしているようだ。そうであれば4日間の活動を終えて引継を済ませたら金沢の経済活性化に寄与して帰宅されることを望みたい。
 
 門前地区には災害ボランティア議員連盟の川上副会長(岐阜県高山市選出県議会議員)が入浴及び洗濯の支援を行っており、水の確保に苦労していると聞いていたので、余力が有れば給水を手伝っていただけないかと依頼したところ早速対応していただいたようだ。
 飲料水などの生活支援が優先されることは当然であり、毎日浄水所と水槽の間を何往復もしている中で、さらに業務を増やしたようで申し訳ないが、現地の住民には大変喜ばれているようなので門前地区の方々が「かずさ」という地域に思いを馳せてくれたら有り難いと思う。
 多くの職員は令和元年台風による長期停電で断水が長引き、その時に全国から多くの支援が駆けつけてくれたことを覚えている。その恩返しと思いながら慣れない雪の中で戦っているのである。企業団の議員として、そんな彼らに出来る支援を行いたいと思うのである。
 
 3月議会が終わる頃には現地の道路事情等も改善されボランティアの受入も拡大されることだろう。中にはボランティアのふりをした窃盗団も動いているようで外部からの人が増えると消防団や自警団が大変になることも理解できるが、それでも現地では全く人手が足りていない状況は聞いている。企業団職員の活躍には及ぶべくもないが年度末頃には入らねばと思い続けている日々である。