袖ケ浦の開発計画
2025/02/09記
 昨日、袖ケ浦市の粕谷市長から「定住人口増加に向けた取組について」という講演の中で袖ケ浦駅西側地区のまちづくりの紹介があった。下記の画像は袖ケ浦市のHPより引用させていただいたものであり、対象範囲は北と西は市境である浮渡川、東側は袖ケ浦駅海側土地区画整理事業、南側は内房線を超えて既存住宅の手前までの農地を含む範囲の約49[ha]である。
 
 
 袖ケ浦市の人口構成を見ると、平成24年度では長浦地区に人口の44%を占める26,599人が住んでいたが、令和6年度までの12年間で5%の増加に対して昭和地区では39%も人口を伸ばしている(下表参考:4月1日現在)。
地区名 平成24年  令和6年  増減 増加率
昭和 15,730 26% 21,890 33% 6,160 139%
長浦 26,599 44% 27,848 42% 1,249 105%
根形 6,058 10% 5,792 9% -266 96%
平岡 6,602 11% 5,341 8% -1,261 81%
中川・富岡 5,943 10% 5,170 8% -773 87%
合計 60,932 100% 66,041 100% 5,109 108%
 昭和地区では福王台や神納にも人口が集積されているが、何より袖ケ浦駅海側土地区画整理事業による住宅供給が大きな成果となっている。アクアラインの効果を更に享受するため西側へ区画整理事業を拡大しようとしているのである。
 昨年12月17日には「袖ケ浦駅西側地区の土地利用に関する事業化の検討に係る協定」を戸田建設株式会社・大和測量株式会社と締結している。事業手法も含めて検討することになるのであろうから土地区画整理事業を行うと決まったわけではない。しかし農振農用地を開発する手法としては現実的には土地区画整理しか選択の余地がなく、戸田建設が将来の業務代行を見据えているのだろうと勝手に想像している。
 
 49[ha]の区域には約550筆の土地があるが地権者の数は解らない。図で見る限り区域内に居住している住宅はなく補償案件が少ないのであれば事業は比較的容易であろう。ただし全区域で盛土を行うことになるので土の確保が重要になるだろう。個人的には姉崎袖ケ浦インター近くの山間で企業用地を造成するために切土を行って、その土を運搬することで双方の事業費を削減するような検討が行われるべきだと勝手に思ってしまう。
 
 それより木更津市として考えるべきなのは市境を超えて浮渡川から金田西土地区画整理事業地までの区間をどうするかということである。9議会の代表質問では地権者から土地活用についての相談は寄せられていないということで、希望もないのに勝手に財産権の侵害を行うわけにもいかないことは重々承知の上で袖ケ浦市に学び、地域での意見集約をするべきだと考えるのだ。
 木更津市ではバブル崩壊による地価の下落で多くの区画整理組合が行き詰まり、特に千束台などは無事に完了を迎えたことが奇跡のような事態に追い込まれていた。私が事業に携わった烏田特定土地区画整理組合も現在では「羽鳥野」として人気の住宅地であるが業務代行の新日本製鉄(当時)と施工業者の大成建設が保留地の大部分を相場より遥かに高い価格で引き受けることで事業が終了できたのである。
 そのため区画整理事業について話をすることも躊躇われるような空気があるが、将来の市の活力維持のためには木更津市も積極的な展開を行い、既に人口が8万人を切ってしまった君津市や4万人を下回っている富津市を支えられるような体力を袖ケ浦市とともに造らねばと思うのである。昨日の話を聞きながらそのようなことを考えていたので忘れる前に記載する。