出生率が低下する
2025/06/13記
 先週の話であるが、5日の朝刊で2024年に生まれた日本人の子供の数が68万6061人で統計のある1899年以降の最低値であり70万人を下回っていたことと全国の合計特殊出生率が1.15となり前年の1.20より0.05下がったことが伝えられた。
 2024年中の死亡者数は過去最多となる160万5298人だったから自然減は91万9237人となり、香川県や秋田県が消滅したことに匹敵する。なお、和歌山県、山梨県、佐賀県、福井県、徳島県、高知県、島根県、鳥取県などはそれ以下の人口しかないので例えば約53万1千人の石破総理の出身である鳥取県が7ヶ月も経たないうちに消滅する勢いである。
 
 一週間も待てば2024年度の市町村別データが発表されるだろうと思っていたが千葉県のHPが更新されることが無かったので1年前のデータで昨今の近隣市の状況を整理したい。
 元は2024年(令和6年)9月議会の代表質問のために2023年までまとめた資料なので、それに2023年分を加えただけのものが下表及び図面である。
木更津 君 津 富 津 袖ケ浦 全 国
H8 1996 1.39 1.42 1.22 1.50 1.43
H9 1997 1.31 1.43 1.21 1.46 1.39
H10 1998 1.29 1.39 1.30 1.40 1.38
H11 1999 1.28 1.36 1.21 1.27 1.34
H12 2000 1.30 1.42 1.22 1.51 1.36
H13 2001 1.24 1.35 1.05 1.39 1.33
H14 2002 1.28 1.33 1.09 1.32 1.32
H15 2003 1.23 1.32 1.03 1.27 1.29
H16 2004 1.24 1.33 1.07 1.23 1.29
H17 2005 1.36 1.29 1.00 1.10 1.26
H18 2006 1.29 1.43 1.06 1.35 1.32
H19 2007 1.24 1.32 1.06 1.23 1.34
H20 2008 1.33 1.45 1.05 1.40 1.37
H21 2009 1.37 1.33 1.05 1.37 1.37
H22 2010 1.55 1.49 1.04 1.38 1.39
H23 2011 1.47 1.34 1.11 1.33 1.39
H24 2012 1.52 1.42 1.11 1.46 1.41
H25 2013 1.52 1.48 1.06 1.45 1.43
H26 2014 1.43 1.52 1.14 1.29 1.42
H27 2015 1.46 1.54 1.08 1.53 1.45
H28 2016 1.60 1.36 1.13 1.44 1.44
H29 2017 1.52 1.40 1.12 1.56 1.43
H30 2018 1.46 1.52 1.09 1.67 1.42
R01 2019 1.40 1.29 1.05 1.41 1.36
R02 2020 1.47 1.30 0.90 1.63 1.33
R03 2021 1.40 1.29 1.08 1.36 1.30
R04 2022 1.44 1.23 0.78 1.56 1.26
R05 2023 1.29 1.17 0.89 1.38 1.20
   
 
 
 
 木更津市の値が1.29まで低下していることに合わせるかのように君津市や袖ケ浦市の低下も顕著である。富津市は若干盛り返しているが前回があまりに厳しい値であったためで、今回の0.89も危機的な値であることに変わりはない。
 
 令和2年からのコロナの流行は外出を抑制することになるので夫婦が在宅する。アメリカで停電が生じると出生数が上がるように日本でも上昇すると私は想像していたのであるが、夫婦でも密になることや感染症が流行る中での妊娠のリスクを下げることを選択したためか、出生率は低下した。
 それでは感染症が一段落したら増加するかと思ったが減少の傾向は加速するばかりである。そもそも出産適齢期の女性の絶対数が減少しているので特殊合計出生率が向上しても人口増加にはつながらないのであるが、その上に出生率が減少しているので相乗効果で地域から子供が著しく減っていくことだろう。
 
 児童手当の増額・子育て給付金などの資金援助が続けられ、待機児童が多かった保育園の状況も大きく改善されている。木更津市では地域から小学校が無くならないように小規模特認校制度を活用して持続させてきたが、数字の上からは顕著な結果が出ていないことになる。そもそも若い女性が人生を謳歌して子育てに入るのが遅れる傾向にあることを非難したり、戦中の日本のように産めよ増やせよという事はナンセンスであるが、自発的に母に成ろうとしている人が減っているという客観的な数値から目を背けることが出来ない。
 
 中には私の姉の孫のように早く結婚して夏には子供を産む予定であり私の母に玄孫を見せてくれる者がいる一方で、結婚が遅く何とか孫を見せることが出来たような者、つまり人口増加に寄与しておらず客観的にこんな記事を記載する資格を問われかねないような私もいる。
 人口が減少する局面では多くの痛みが伴うが日本の国土で養える程度の人口まで減少すれば食料安全保障上は有利だとか、欧州の多くの国は日本の半分以下の人口でも存在感を誇っているとか、日本より人口が多く増加が激しいパキスタンやナイジェリアでの危機を考えると減少は贅沢な悩みだとか、様々に考える必要が有る。それでも静かな有事を前に、直面する社会保障制度の見直しとか高齢者医療の在り方とか、それを参議院選挙の争点にすべき段階ではないかと個人的には考えている。