原発再稼働を思う
2025/12/24記
 報道によると東京電力ホールディングスは本日、柏崎刈羽原発の再稼働に必要な手続きを原子力規制委員会に申請し、順調にいけば来年1月20日に6号機の原子炉を起動させ、2月26日に営業運転を始める方針だということである。
 東電は6号機の再稼働に備え、すでに原子炉に核燃料を入れるなど、技術的にはいつでも動かせる状態にしており、規制委等のチェックをふまえて、実際の営業運転に移るようだ。
 
 福島第一での事故を受け、全ての原子力発電所が停止となり、事故を起こした福島第一は廃止が確定し1号機から6号機までの全てで廃炉作業を進め、福島第二では4つの原子炉を廃止に向けて措置を進めているが、比較的新しい柏崎刈羽を再稼働させることにより燃料調達コストを低減させ、廃炉作業や補償などの費用を工面するという東京電力の経営方針も理解はできる。
 しかし遠く離れた関東で電力を享受している私は南相馬の被災地で何回かボランティア活動を行う中で地域の苦悩を聞き、2年前には福島の復旧に向けた尋常ならざる作業を見てきたので複雑な思いで今回のニュースを聞いている。

 そもそも福島の事故を経験しても日本国内では既に多くの原子炉が運転を再開している。原子力規制員会のHPから引用して一覧表にしたものが下記であるが、東北電力の女川、中国電力の島根でそれぞれ1基、関西電力は福井県の3つの発電所で合計7基を、九州電力は2つの発電所で合計4基を再稼働させており、日本国内では13基が稼働済みの中での判断である。
  
所在地 略称 会社名 運転 停止 措置 廃止 建設
北海道 北海道電力 3
青森県 大間 電源開発 1
東通 東北電力 1 1
宮城県 女川 1 1 1
福島県 福島第一 東京電力 6
福島第二 4
茨城県 東海第二 日本原子力発電 1
東海 1
新潟県 柏崎刈羽 東京電力 7
石川県 志賀 北陸電力 2
福井県 美浜 関西電力 1 2
大飯 2 2
高浜 4
敦賀 日本原子力発電 1 1
もんじゅ 1
ふげん 1
静岡県 浜岡 中部電力 3 2
島根県 島根 中国電力 1 1 1
愛媛県 伊方 四国電力 1 2
佐賀県 玄海 九州電力 2 2
鹿児島県 川内 2
合 計 13 20 20 6 3
 
 意思決定も若干複雑な経緯をたどっている。新潟県の花角知事が22日の新潟県議会定例会本会議で、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認すると表明し、県議会は知事が職務を続けることを認める付帯決議を採決したことで地元同意の手続きが完了したこととして、翌日となる昨日の23日に赤沢経済産業相と会談し了承すると伝えている。
 
 木更津市議会がオスプレイの暫定配備を認める段階では議会が主体的に議論を牽引し、議会として条件を付けたうえで暫定配備をやむなしとして防衛省に意見書を提出している。それに比べれば新潟県議会は回りくどい対応をしたと思う。新潟県民に対する世論調査でも賛成が4割を超えて反対を上回っているのだから議会が責任をとる議論をすればとも思うが、原子力災害を考えると判断者に成りたくないという消極的な気持ちも理解できないわけではない。
 
 それより現在建設中の3基の原子炉がある。既に多くの予算を投じていると思うが、廃炉に伴うコストが増大している現状を考えると建設途中で廃棄したほうが後世に残す負担が少なくなるのではとも思う。大間や島根の人たちもどう考えているのだろうかと気になる。
 
 鴨川などでメガソーラーの問題が生じ、再生可能エネルギーに対する風当たりが強くなる中で原発の再稼働の話が進むというのは単なる偶然であろうが、遠い将来も見据えて間違えない選択をしているのかと自問自答しながら難しい判断を超えた花角知事の苦悩を推察しながらも自分が答えを出せていない事に悩みながら今日も電力消費をしているのである。