| 福岡県議会の騒動 | |
| 2026/07/11記 | |
本日の午後から八剱八幡神社の御例祭を見学に行き、帰りがけに 地元のスーパーで麦酒でも購入して帰ろうと思って立ち寄ると久留米の会社が作っている紙パックの焼酎に「福岡県議会議長賞」というラベルを貼って売っている商品に目が行き、火中の栗を拾うような気持ちで購入してしまった。現在の議長就任に関して騒動が起きている事をチャンスとして捉えているなら凄いビジネスセンスである。福岡県議会では先月中にハワイへの3泊4日の視察研修で一人当たり300万円にも成る高額な旅費が、旅行会社2社に入札を経ずに発注され高級ホテルに宿泊していたことが問題視されたばかりの所に、元議長が自民党県議団の幹部に約2千万円をカツアゲされたとか、福岡市長選挙の際にも金を準備するように言われたとか、民主系会派の元副議長も現金5百万円を渡したとかの証言が続いている。多くの国民にとっては「議長」という立場を得るために資金が必要だと思われ、更には議長になると何らかの収入が増えて2千万円くらい払っても損しないと誤解されるような状況に在るように感じている。この焼酎に「議長賞」を付けた見返も有るのかと思う節も有るかもしれない。全くもってして迷惑な話である。 私も13万都市の議長を経験させていただいたが、普通の議員と議長は報酬が違うことは事実である。木更津市の場合は普通の議員が月額45万円に対して副議長は47万円、議長は53万円となり月に8万円、年額にして期末手当を現行の4.65ヶ月として計算すると年額では133万2千円の増額になる。ただし、私の場合はコロナに対する議会の対応として1割報酬を減らすことを議決したこともあり45万程度の増額に留まっている。それ以外に市町村圏事務組合議員等の充て職で年間に8万円程度を得ているので確かに議長職は報酬が若干増えるものの、ともかく議会を代表して市の行事に出席するだけでなく、県や全国の議長との会議が多くて報酬以上の激務であることは間違えない。同僚の中には議員に成る前から担っている本業への影響が大きすぎると議長を固辞した方もいた程である。 福岡県の条例を調べると普通の議員が月額89万円に対して議長は111万円なので期末手当を加味すると年額で366万3千円の増額となるが、とても2千万円を支払ってでも得たいという経済効果は無い。福岡県知事に並ぶ権限を得たいという欲求に対する対価としても本当にそんな金額が動いているのかと常識を疑う話である。 木更津市でも昭和の頃には議長就任の月に議会内で祝賀会を設けて、その費用の多くを議長が負担するようなことも有ったと聞くが特定の会派が請求するようなことは聞いたことが無い。私も木更津市の最大会派の代表であるが頭を下げて回るだけで見返を受けたことも無いし、そんなことが認められる議会ではない。 議長がどの様に決まるのか、せめて選考過程が形式的に見えるようにと立候補制を採用している議会は有るし、木更津でも一部の議員から導入を求められている。議長の選出は会派制を採用している多くの自治体で事前の調整があって決まるものであり、形式的に立候補をして所信表明を述べることに意味が見えず、本市では採用していないが、採用した場合は当選が決まった後の挨拶を事前に所信表明にするだけなので多くの手間は要らないだろう。 報道の姿勢として議会が自治体をよくするために取組むことは当然だから大きな記事にはせず、今回の福岡県議会の話や、前に話題になった兵庫県の号泣議員などは大きく取り上げられる。個人的には犯罪行為であるものの普通の会社員が飲酒運転をしても記事にも成らないところを議員が行うと顔写真付きで大きく乗せることには今でも納得がいかない点である。 公職に就くものは襟を正せという意味は理解するが、印象操作のように政治家という存在の魅力が低下し、変わり者だけが政治家を目指すように成ったら民主主義には大きなダメージである。 93年前にドイツがヒットラーを選び第二次世界大戦に進み、近年でもアメリカ合衆国でも国際法を理解していないトランプ大統領が選ばれてしまったように、民主主義は最適な結果に繋がるわけではないことは周知のとおりであるが、それでも地方議会には英知が終結され、少数の議員が圧倒的多数の職員の行う事務を検証し、地域全体の住民が議会が存在することに意義を見出せるような世の中になって欲しいと願いながら福岡県議会議長賞の焼酎を飲みつつ書いている次第である。 |