学校耐震と再編・生活保護・上水道事業 (平成21年12月定例議会)
 議場の皆様。こんにちは。フォーラム未来の近藤です。本日最後の質問となりましたので、最後までよろしくお願いします。それでは、通告に基づき大綱3点について質問させていただきます。
 まず大綱1点目として、学校の耐震と再編の問題について伺います。この件につきましては、昨年の9月議会でも質問させていただきましたが、その後、多くの学校で耐震診断が進み、耐震対策事業が進んでおります。また学校の再編問題については学校適正規模等審議会の中で議論されているところであります。この様な状況の中で今後の方向性を確認するための質問をさせていただきます。
 
 最初に、耐震対策事業の進め方について質問いたします。
 今回配布いたしました資料の1頁目ですが、昨年の9月議会の資料を更新したものです。この様に校舎の耐震診断については旧基準の27校中19校で結果が出ており、残る8校では今月末に診断結果が出る予定です。しかし、体育館は現在でも未着手の状況です。
 まず1点目にお聞きしますが、校舎の診断が間もなく完了する中で、今後の体育館の調査と耐震設計、耐震対策を未実施の校舎及び体育館の工事など、耐震対策事業の完成年度の目標について、どの様に考えているのかお答え下さい。
 次に耐震設計の進捗について伺います。昨年9月議会で、設計を数年前に済ませていても有効かという私の質問に対し、審査基準が変わらない限り経年変化に関係なく有効であると判断される、という回答がありました。そうであれば工事の全体額を確定するためにも、耐震設計も順次進めるべきであると考えます。その結果として、今後、仮に政府の緊急対策等のメニューが示された場合には遅滞なく工事を発注できるメリットも生じます。現在診断結果が出ている畑沢小学校・請西小学校・岩根中学校は、耐震設計が発注可能な状況であり、今月末にはさらに8校で診断結果が出ることから、設計段階への移行が可能となります。 今後の耐震設計の進捗を、どの様に考えているのかお示し下さい。
 3点目に耐震対策工事について伺います。公共投資臨時交付金を財源として県内57自治体中52位という低い耐震化率を改善するため、この前の9月議会では馬来田小学校・木更津第三中学校・祇園小学校・高柳小学校の4校について工事を行うという説明がありましたが、政権交代に伴う補正予算の組み替えや執行停止の影響のためか、今回の12月議会における補正予算ではIs値0.3未満の2校については追加されましたが、祇園小学校・高柳小学校の上程はまたも見送られております。耐震対策については「待った無し」と言われて久しいのに、進捗が遅いのが現状です。そこで、安全安心交付金だけでも事業化を行い、公共投資臨時交付金が執行された場合には予算の組み替えをする前提で、工事を発注できる準備をすべきと考えますが、今議会で2校の上程を行わなかった理由をご説明下さい。また、今回上程された馬来田小学校と木更津第三中学校については、平成22年度中に工事が完成しない場合は、補助金の支給割合が低くなると思われますが、それまでに間に合うのか、併せてご説明下さい。
 
 2点目に、学校再編について質問いたします。
 本年3月1日に設置された『木更津市立小中学校適正規模等審議会』は12人の委員により3月19日、6月25日、8月19日、10月22日の4回に渡って活発な審議が行われており、今年度末には中間答申が出されるようです。審議会の議論に影響を与えないよう、答申が出されるまでは、議会で再編問題に関する質疑を控えるべきであるかも知れませんが、そうした場合は、この問題に関する議会側の議論が、年度末まで凍結することになりますので、敢えて何点かは結論が出る前に確認すべきと考え、今回質問させていただきます。
 今までの審議会の議事録を見ますと、適正な学校の規模として、学校教育法施工規則第41条にある「小学校の学級数は12学級以上18学級以下を標準とする」という前提で考えが進められているようですが、学年当たりの学級数で考えると2か3にする事となります。そうなると今後、人口が増える請西などでは分割が当然となってまいります。学年当たりのクラス数が5とか6になるような状況は望ましくないと考えるのか、それとも学年当たりのクラス数はどの程度までが良いのかを審議会で議論するのか、その考え方の整理はどうなっているのか、ご説明願います。
 また、中学校の学級数は小学校に準じると施工規則で示されていますが、それは学年当たりの学級数を小学校と同じようにするのか、それとも全体の学級数を同じと考え学年当たり4ないし6、つまり倍にする事が望ましいという解釈なのか、ご説明願います。
 次に答申の尊重方針について質問します。今年度末に出される予定の中間答申では、人口増加中の市街地の対策を示されるようですが、財政に余裕さえ有れば、巨大校を分割する事は望ましいのでしょうが、現状を考えると、地区の批判を受けても学校の分割を避け、さらに合理化を行なうことを明示し、地域住民に説明する事こそが、行政の責務であり、審議会に押しつける問題では無いと考えます。審議会の委員も地域の代表やPTAの経験者が中心となっており、公開を前提とした会議の中で、名簿も議事録も公開される中で議論を行っていますので、学校を統合するような、地域住民に厳しい意見を発言しにくいのではないか、と危惧しております。仮に審議会が人口増加地区では学校予定地を利用して新規の校舎を建設するべきで、人口減少地域は地域性を大切にするために再編を控えるべきだという結論が出された場合、教育委員会としては答申を尊重してそのような方向に進む考えなのか、ご説明願います。
 3点目に審議会の審議時間について質問します。審議会では現状を理解していただくために多くの資料が配布されているようですが、その読解に充分な時間が与えられているのか疑問があります。また、今回の中間答申までには5回の審議が行われていますが、毎回2時間の議論としても、10時間で出された意見は、充分な検討を行ってきたと言うのには少ないのではないかと考えます。審議会の回数を増やすとか、分科会を行うという考えはないのか伺います。
 
 次に大綱2点目として、生活保護施策について質問致します。
 厚生労働省は、平成21年10月20日付けで、OECDと同様の計算方法で我が国の状況を計算した場合、相対的貧困率は、2007年調査で15.7%、子どもの相対的貧困率は14.2%であると発表いたしました。先進国ではアメリカに次いで2番目に高い値です。調査のありました2007年以降には、世界的な景気後退が生じ、さらに失業率も高くなった結果として貧困層も増加しておるものと推察され、失業保険などのセーフティネットだけでは救われず、最後のネットと言われる生活保護を受給する世帯が増えてきております。他に為す術も無く、生活に困った人が、最後の手段として公的な支援を受ける制度が、生活保護ですが、中にはこの制度を利用して詐欺行為を働く者も増えております。
 2007年には北海道滝川市で生活保護費のうち交通費補助の不正受給が発覚しました。これは札幌の病院までタクシーで通院していると言う届出を行い、タクシー会社と共謀して市からだまし取ったもので、実際の生活の拠点は滝川市には無かったという事です。また、本年10月には奈良県大和郡山市の山本病院で生活保護受給者に心臓手術をしたように装い診療報酬を受給した事件も発生し、病院の関係者が逮捕されています。さらに多いのが、住宅困窮者に住居を与えるという美名の元に、実際には劣悪な住宅環境なのに高額の住宅費で契約し、その金額を生活保護の住宅扶助費として行政に請求する事例で、全国的な問題となっております。10月04日の新聞によりますと、その様な貧困ビジネスを摘発するため、厚生労働省は調査を開始したと報道されておりますし、11月16日の事業仕分けの場でも医療扶助や住宅扶助について不正請求対策を取るように求められています。このような状況の中で、本市でも悪質な貧困ビジネスに対しては、毅然として立ち向かうことが必要だという観点から4点ほど質問をいたします。
 1点目として、午前中の白坂議員の質問にもございましたが、本市は近隣市に比べ保護率が高い状況ですが、相対的貧困率の値は全国平均と比べ、どの様になっているのか、把握しておるようでしたら報告願います。
 2点目として、厚生労働省は貧困ビジネスの調査を行うようですが、本市における不正受給に対する調査はどの様になっているのか報告願います。午前中の白坂議員の質問と重なる部分も有るかと思いますが、その部分は省略し、簡潔な回答をよろしくお願いします。
 3点目として、住宅扶助費が増額している原因について伺います。配布資料の2頁目は平成15年から20年までの6年間の決算資料を使用し、生活保護事業の執行内容毎に整理した物で、グラフは平成15年を100として変化を示した物です。これより本人に直接渡される生活扶助費より住宅扶助費の延びが大きいことが解ります。これは貧困ビジネスによるものだけとは言いませんが、なぜこの様に増えているのか、行政当局の認識を伺います。
 最後に4点目として、本市に住居を持っていなかった住民により、同一の施設から一斉に生活保護の申請が行われるような事例があった場合は、貧困ビジネスが疑われるかと思いますが、そのようなケースでは、本市ではどの様な対応を取るのか、ご説明願います。
 
 最後に大綱3点目の上水道事業について質問いたします。
 本市では上水道の6割強が君津広域水道企業団からの購入水となっています。企業団からの受水価格は、単純に使用量に比例するものではなく、各市の割当とも言える責任水量に対応する定額部分と、使用量に応じた比例部分との合算で算出されます。そこで、平成15年から20年までの各自治体別受水量を根拠に価格を求め、使用量で割り戻して単価の計算を行ったものが配布資料の3頁目であります。
 だんだん資料が細かくなって申し訳有りませんが、この資料に示すように、各事業体間の単価差が大きくなっており、公正な状況ではございません。受水金額の合計を、受水量の合計で割り戻した、全体の平均単価と、各市毎の受水単価を比較すると、年度によってばらつきはありますが、1立方メートル当たり10.9円から22.0円も高い金額で本市は購入しており、その差額をその年における年間受水量に乗じたものを年間損失額と仮想して計算しますと、毎年1億円を超える額となっており、平成20年度では2億3千万円を超えております。その差額で利便を受けているのは、平均よりもずっと安価な価格で購入をしている県営水道であります。このような計算結果が出ますのは、金額の計算に当たり、各市に責任水量が割当てられており、それが実際の使用量とかけ離れているからであります。本市でも水道事業の累積赤字が解消されたという報告がありましたが、高い漏水率を下げるためには老朽した管の更新などが必要であり、水の原価を下げる努力が求められていることは言うまでもありません。そこで、この様な現状を前提に、3点ほど質問を行わせていただきます。
 最初に、この様に各事業体の購入単価が異なり、本市においては高い単価での購入を余儀なくされている状況について、どの様に改善を要求してきたのか、ご説明願います。
 2点目に、なぜ購入量を抑えて自己水を多く使用しているのか伺います。現在の制度で単価が高くなっている理由は、本市が責任水量の6割強しか受水していない事が原因であり、県営水道と同じように85%程度の受水を行えば、同じように低い単価で購入することが可能となるのですが、何故そうしないのか、ご説明願います。
 最後に、このように販売価格が異なる原因の一つとして、事業体が別組織である事があげられます。昨年の6月議会でも質問したことですが、企業団を含めた四市水道事業の統合に向けた取組は、現在どの様に成っているのか、報告願います。以上で第一質問を終了いたします。
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<水越市長>
 フォーラム未来、近藤忍議員のご質問に、ご答弁申し上げます。
私からは、大綱3「上水道事業について」のうち、中項目1の3点目、「水道事業統合の取り組みについて」でございます。議員もご承知のとおり、君津地域の水道事業の広域化につきましては、4市と君津広域水道企業団で組織します「君津地域水道事業のあり方検討会」におきまして検討を重ねております。平成20年度におきましては、「君津地域の現況」と「事業統合による効果」を「需要と供給」、「施設更新」、「組織」、「財政収支」等に分類して検証しました。その結果、「公平化」と「安定化」、更には「効率化」が認められ、また、事業統合に向けた課題も併せて抽出されたところであります。平成21年度におきましては、前年度の検討結果を踏まえまして、「施設更新計画」や「施設管理体制」の検討、「経営・財務」の分析、「水道需要者への効果」更には、「水道広域化導入推進方策」の検討を実施しているところであります。その他につきましては、部長から答弁をいたします。
 
<栗原教育部長>
 私からは、大綱1「学校耐震と再編について」ご答弁申し上げます。
 まず、中項目1「耐震対策事業の進め方について」のうち題意1点目「調査及び工事の全体行程について」ですが、体育館における調査の進め方は、平成20年12月議会においてご答弁致しましたように、平成18年度に実施しました、簡易な判定方法であります耐震化優先度調査の優先度ランクを基に、計画的に耐震診断を進めることとし、平成22年度には祇園小学校・高柳小学校・中郷小学校の体育館耐震診断に着手したいと考えております。
 また、耐震補強工事の進め方ですが、校舎につきましては、今年度末に全ての校舎の耐震診断が完了いたしますので、平成23年度から始まる次期総合プランに位置づけることで、計画的な補強工事の推進に努めたいと考えております。体育館につきましては、全ての体育館の耐震診断結果が判明した後、施設整備計画を作成し補強工事を進めて参りたいと考えております。したがいまして、耐震化の完成目標年度は耐震診断結果などが判明しておらず、補強内容及び事業量などが把握できないことから、全ての学校施設の耐震工事の完了年度を示すことはできませんが、児童・生徒などの安全を確保することは重要であり、できうる限り早期に耐震化を図って参りたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、2点目の「耐震補強設計の進捗について」ですが、議員ご指摘のとおり、緊急経済政策等への迅速な対応を行うには耐震補強設計を完了させておくことは必要不可欠なものと考えております。そこで、本年7月の臨時議会におきまして、国の補正予算であります地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用いたしまして、東清小学校・鎌足小学校・金田小学校の小学校3校、及び木更津第二中学校・金田中学校の中学校2校の耐震補強設計業務委託を本年10月に発注したところでございます。また、校舎耐震補強設計が未実施分については、全ての耐震診断結果が本年度中に判明いたしますので、その結果に基づき、原則、Is値が低い施設から耐震補強設計を実施して参りたいと考えております。
 次に、3点目の「耐震対策工事の進捗について」でございますけれども、平成21年9月議会においてご答弁致しましたように、祇園小学校及び高柳小学校の耐震化対策は国の補正予算である地域活性化・公共投資臨時交付金を活用して実施する計画となっておりましたが、現時点では地域活性化・公共投資臨時交付金に関する国からの内示等が示されておりませんので、本議会への上程を行わなかったものでございます。内示等があり次第、予算化に向けて関係各課と調整を行い、作業を進めて参りたいと考えております。しかしながら、Is値0.3未満の馬来田小学校及び木更津第三中学校におきましては、文部科学省の目標であります、原則、平成22年度までには耐震化を完了させること、遅くとも平成24年度までに確実に耐震化を完了させることを踏まえまして、事業を実施して参りたいと考えております。なお、馬来田小学校は平成22年度中に校舎の補強工事及び改築工事などが完了する見込みとなっております。また、木更津第三中学校は平成22年度中に校舎の改築工事を完了させ、平成23年度から既存校舎の解体工事及びグランド整備を完了する見込みとなっております。
 続きまして、中項目2「学校再編について」のうち、小項目1「学校の適正規模の考え方」ですが、適正規模の学級数につきましては、議員のご質問の中にありましたように、国の基準では、学校教育法施行規則第41条に「小学校の学級数は、概ね12学級以上18学級以下」を標準とする、「ただし、地域の実情その他により特別の事情のあるときは、この限りではない。」と規定され、同法施行規則第79条により、中学校も小学校の規定を準用するとされております。まず、審議会におきましては、学校経営や子どもたちにとってよりよい教育活動が展開できる学級数を根底に置くとともに地域や施設の実情を加味しながら本市においては、「12学級以上18学級以下」を標準としたものであります。また、学校によりましては、1学年5学級から6学級の大規模校や、標準を下回る小規模校もあり、あまりよい条件とは言えませんが、学校施設の現状、地域の実情、或いは、学校経営・教育効果を加味した結果、「12学級以上18学級以下」を標準とするかたちで整理されたものでございます。中学校におきましても、複数の小学校から進学してくることから、小学校同様に、全体の学級数を「12学級以上18学級以下」を標準として整理をされたものでございます。
 次に、小項目2「審議会の答申に対する対応」ですが、答申内容によっては、保護者や地域の理解、更に財政面に関わる事項等も考えられることから、慎重に対応していきたいと考えておりますが、審議会からの答申を十分尊重していきたいと考えております。
 次に、小項目3「審議会の審議時間について」でございますが、教育委員会としましては、貴重な時間での審議となることから、会議開催日の約1週間前に会議資料を審議会議委員の方の自宅へ郵送させていただいているところであります。回数につきましては、当初開催予定の5回から6回に増やして実施する予定であります。なお、分科会につきましては、実施する予定はございませんのでご理解賜りたいと存じます。私からは以上でございます。
 
<金綱福祉部長>
 私からは、大綱2、生活保護政策について、ご答弁申し上げます。
 はじめに、中項目1「生活保護と貧困ビジネス」のうち小項目の1「本市の相対的貧困率の値」についてお答えいたします。市では現在、相対的貧困率の数値を持っておりませんので、質問の趣旨とは異なりますが、代りに市民税の課税状況調査の数値でお答えさせて頂きます。課税状況調査の「全納税者」のうち、比較的貧困と思われる「課税標準額」、市民税の税額計算の対象となる所得金額でございますが、それが10万円以下の者の割合ということでご答弁させていただきますと、全国と本市の状況でございますが、平成18年度につきましては全国が4.1%、本市が3.9%。平成19年度では全国が4.2%、本市が3.9%。平成20年度では全国が4.1%、本市が3.9%となっており、この3年大きな変化はない状況でございます。
 次に小項目の2「不正受給に対する調査」についてでございますが、これは、先程の白坂議員の答弁で申し上げましたとおりでございます。また、貧困ビジネスに対する調査でございますが、現在、問題視されております、無料低額宿泊施設につきましては、市に調査・指導の権限がございませんが、今後、調査・指導の必要が生じた場合は、調査権限のある千葉県に、調査・指導を働きかけて参りたいと存じます。
 続きまして、小項目3「住宅扶助費の増加理由」についてご説明申し上げます。確かに住宅扶助費の伸びは、生活扶助費の伸びを上回っております。住宅扶助費は、単身世帯で、上限が37,200円、複数世帯では、48,400円の基準の範囲内の実費を支給することとなっておりますので、契約の更新時に家賃の値上げがあったり、低家賃の物件に入居していた者が、家主から老朽化した建物の取り壊しを理由に退去させられ、転居するケースがよく発生します。そのような場合、家賃が上がることがほとんどであります。また、最近の保護申請者におきましても、基準内の物件に入居しているものの、以前より高額な物件に入居しているように見受けられます。このようなことが住宅扶助費の伸率が、生活扶助費の伸率を上回った要因ではないかと考えられます。
 最後に小項目の4「生活保護申請が同時に行われた場合の対応」についてご答弁申し上げます。木更津市に住居を持っていなかった者が、同一の無料低額宿泊施設に大勢で入居し、生活保護の申請をした場合の取扱いでございますが、その場合は、それぞれ個々の申請を厳正に調査し、申請者が要保護状態であると認められれば、生活保護として取り扱うことになります。しかし、この場合、入居の直前までどこにその者の生活の拠点があったかを調査し、一般的には、その拠点を所管する福祉事務所が生活保護の実施責任を負うことになっております。また、現在は法令には違反してはおりませんが、議員ご指摘のように、住宅環境の割に家賃が高いと思われるものもございます。その点につきましては、現在、厚生労働省が、制度の見直しに取り組んでいるとのことでございます。その見直し案では、「事業者が高額な家賃を徴収して営利を図ることを防ぐため、入所者に支給される住宅扶助費を施設に応じて減額し、悪質な場合には打ち切りを検討する。」という内容のものでございます。市といたしましては、現在、その動向を注視しているところでございますが、このような見直しが実施されれば、居室に見合った家賃に改善されるものと期待しているところでございます。いずれにいたしましても、無料低額宿泊施設は、住居のない者が一時的に身を寄せる施設であると認識しておりますので、市といたしましては、生活保護が今後も継続すると思われる者で、転宅の意思があり、かつ、居宅生活が可能であると判断した場合には、民間のアパートなどへの転居を指導して参りたいと存じます。私からは以上でございます。
 
<伊藤水道部長>
 私からは、大綱3「上水道事業について」のうち、市長が答弁いたしました項目以外につきまして、お答え申し上げます。
 始めに、受水費につきましては、議員もご指摘されているとおり、責任水量制をとっております。具体的には君津広域水道企業団と木更津市を含む各構成団体とで責任水量を取り決め、君津広域水道企業団が各構成団体の要望水量に合わせて投資した建設費、及び稼動施設の固定的経費を回収するための「基本料金」1立方メートル当り109円と、実際に使用した水量に対して支払う「使用料金」1立方メートル当り24円の、2部料金制となっております。これにより、各構成団体は責任水量に対し、おのおのの状況で使用水量の比率が異なるため、責任水量に対し支払う基本料金と、使用水量に対し支払う使用料金を合わせた受水金額を、受水量で割り返しますと、各構成団体により、それぞれ、実質割り返し単価が異なってまいります。
 そこで、1点目の、購入単価、いわゆる実質割り返し単価が異なる状況に対し、どのような、改善要求を行ったか、とのご質問でございますが、現在の責任水量は、平成17年度に、平成18年度から22年度までの5年間について、協議決定したものですが、その際、平成18年度から20年度までは、1日当り、45,800立方メートルとなりましたが、平成21年度から22年度は、1日当り50立方メートルを下げた、45,750立方メートルとなっております。尚、受水費のうちの基本料金109円につきましては、今年3月及び11月に君津広域水道企業団に対し、4市として合同による、引き下げの要望を行っております。
 次に、2点目の「なぜ購入量を抑えて自己水を多く使用するのか」とのご質問でありますが、本市は、5箇所の浄水場で合計21本の井戸から取水を行なっております。この取水した水を配水池で貯水し、使用状況を見ながら、足らない分を君津広域水道企業団から受水して、安定供給に努めている所でございます。又、井戸は新たに増やすことが出来ない状況にあることから、21本の井戸につきましては、渇水時や災害時においても、飲料用に活用できる貴重な財産でありますので、今後も、井戸の保全を計りながら、有効利用をしていきたいと考えております。私からは以上であります。
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 それでは再質問に移らさせていただきます。最初に学校耐震対策について質問を行います。平成22年度から祇園小学校などの3校の体育館で耐震診断を行うことで、危険性が高いと予想される優先度@とAの物件が調査されると言うことは、着実に進んでいく姿勢に安堵致します。しかし、県下でも耐震化率が低い値なので、早急な改善が望まれていることは明白なのに、現在耐震対策工事が進行中の校舎は本市の中には無、市内から鎚音が聞こえていない中で、耐震設計が完了している祇園小学校と高柳小学校の工事の発注を見送る事は耐震化率を急いで向上させようと勤めている様には理解できません。政権交代の結果、政府の方針も日々変化しているようですが、仮に地域活性化・公共投資臨時交付金が見込めなくなった場合は、今後の耐震対策工事を、どのように進めようと考えているのか説明願います。
 
 祇園小学校・高柳小学校の2校の耐震化につきましては、地域活性化・公共投資臨時交付金を活用して事業を進めることといたしておりましたが、地域活性化・公共投資臨時交付金が見込めなくなった場合は、本市の現在の財政状況などを考えますと耐震対策工事の実施は非常に難しいものと考えております。しかし、一方で児童等の安全を確保することは非常に重要なことであり、今後予算化に向けて関係各課と調整を行い、できうる限り早期に耐震化を図って参りたいと考えております。
 
 財政上の立場も理解できますが、安全が優先することを前提にしていただき、平準化した工事の発注により職員や業者の負荷も安定させるということを考えていただきながら仕事を進めていただくように、今後の各課協議を進めていただきたいとお願いいたします。次に、第三中学校の工事について伺います。今回の議会に補正予算で14億円を超える額が計上されていますが、学校の改築工事、いわゆる建て替え工事は予算の優遇措置がある平成22年度までに、建て替えそのものが完成するのか確認いたします。
 
  第3中学の改築工事につきましては、22年度中に校舎の改築を行って、既存校舎の撤去やグランド整備は23年度に予定をしております。
 

 平成23年度に入ってからの工事は、安全安心交付金の交付金の対象事業になるのか確認いたします。
 
 文部科学省の基準では、校舎改築工事の場合はIs値が0.3未満かつ一定の条件を満たした場合に安全安心交付金の嵩上げの対象となっております。木更津第三中学校は、この一定の条件が満たされないため嵩上げの対象とはなっていませんので、安全・安心な学校づくり交付金の補助率は、そのために1/3となります。なお、今回、平成21年度補正予算による安全・安心な学校づくり交付金は、平成22年度末までの実績が対象となりますので、木更津第三中学校の校舎改築工事については、平成22年度中に工事が完了できるよう努力して今後努力して参りたいと考えております。

 
 三中のIs値は0.3以下である0.23なので、本市の負担率は少ないと認識していましたが、今1/3ということで嵩上げの対象でなくなったのは、何の条件だったのか、説明願います。
 
 嵩上げ対象にする条件というのは3点有りまして、1点目は、コンクリート強度が10.0N/mm2未満の建物であること。2点目は、構造種別によらず技術上補強を行うことが困難と認められるもので、公的機関などで確認を受けた建物であること。3点目は、技術面・学校機能面などから総合的に見て、補強で対応することが困難であると学校設置者が判断した建物で、コンクリート強度が10.0N/mm2以上で13.0 N/mm2未満の建物であること。という3つの内の何れかに該当した場合が嵩上げの条件となっております。木更津第三中学校はIs値は0.3未満ですが、コンクリート強度が21.4 N/mm2ということで、比較的値が良いことから、何れの嵩上げ条件にも該当しない結果となっております。
 
 了解しました。今回教育常任委員会の方でその話があると思いますから、この件は結構です。ただ、なかなか上手に交付金が受けられていないのではないかと、今回の嵩上げも受けられなかったし、出来る限り補助金を上手く使えるよう、上手く利用できるよう、これはお願いに留めて次の質問に移ります。
 学校再編の件について質問いたしますが、中学校の適正規模は先ほどの回答で小学校と同じ程度という事で有りましたが、これは学年当たりにすると小学校の2倍という事になります。複数の小学校から中学校には進学してくると回答がありましたが、逆に中学校区に1校しか小学校が無いような場合、そのような中学校については統合の可能性が高いと解釈して良いのか伺います。
 
 中学校区に小学校が1校しかない場合の中学校区において、児童生徒数が減少傾向にある、あるいは、将来的に人口及び児童生徒数の増加が見込まれないと判断がされた場合には、隣接する学校との統合等も一つの視野というか選択肢に入ってくると考えております。いずれにしましても、地域の実情や通学距離など児童生徒への安全で安心な教育環境を十分考慮しながら、今後、審議されていくものと考えております。
 
 地域の事情というものを、私もよく理解できますが、中学生にもなると自転車での通学も認められ、かなり行動範囲が広くなってまいりますので、財政の厳しさを前面に出した検討を進めていただきたいと思います。そのような意味でも、今回の審議会の答申が出るまでの間に審議会に対する取り組みが重要ではないかと思う訳です。審議しているさなかに、先ほど回答がありましたが「答申は尊重する」としか、当然答えられないことは解りますけれども、危惧するのは、繰り返しにも成るかと思いますが、請西や羽鳥野等の人口が増加している所では学校を増やすべきという回答が出て、それ以外の地域の学校は、保護者や地域の理解が得にくいだろうから、当面現状のままにすることが望ましいだろうと、そういう答申が出されたらどうするかという問題を言わしていただいているところです。審議会の結果を教育委員会が誘導するというのも、問題が有るという認識はありますが、本市の財政事情をもっと適切に審議会の委員に説明していただいて、審議会に計るような進め方は考えていないのか、あえて伺いますので、もう一度お願いします。
 
 議員が言われるように、人口の増加地区において、現在の学校の規模等で収容が困難である場合は、学区の見直しも含め、総体的に判断した上で、学校予定地を活用した学校の新設或いは移転など審議されていくものと考えられます。また、増加地区以外の学校におきましても学内の人口、児童数の推移を見据えた上で統廃合等も視野にいれながら審議されていくものと思われます。確かに、厳しい本市の財政状況ではありますが、現在、進行している本審議会においては、将来を担う子どもたちへの教育の内容を充実する観点から、本市のあるべき姿を審議していただいておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 
 審議会が動いている所ですから、長い質問も致しませんが、教育という所をいたずらに聖域と認めなく、前向きな検討を確実に進めていただくことをお願いさせていただきまして、次の大綱の質問に移ります。
 
 大綱2点目、生活保護政策の質問です。
 相対的貧困率については数値を把握していないが、課税標準額でのご説明がありました。本市の所得が低い割合は全国より少なく、近年で大幅な変化がないという報告でありましたので、逆に、それと比べ生活保護費が著しく増加していると判断されます。やはり厳しい実体調査も必要ではないかと思われます。無料低額宿泊施設に対する調査権限が無いと回答が先ほどございましたが、近年は無料低額宿泊施設を騙った施設の不正がだいぶ追及されておりますので、あえて届け出を行わないで施設を営む者が出てくるこという事も考えられます。そのような無届出施設の場合には本市で対応できるのか、伺います。
 
 届け出施設でない場合、そのような施設の場合は通常の居宅扱いとなると考えられますので、施設に対しては指導はできませんが、余りにも劣悪な環境であれば、生活保護法により入居者に対して指導ができますので、転居指導を考えていきたいと思います。
 
 今回答がありましたように、転居指導をすることで、無料低額宿泊施設を騙った施設で不当に搾取されるような事を防止し、さらに不正の発生が抑制されると思いますので、そのような事が有った場合には適切な対応をお願いします。住宅扶助費については、厚生労働省が施設に対して住居費を減額するように見直しを検討しているという回答もありましたので、私もその経緯を見守りたいと思いますが、本市からも県や国に対して改善要望を行って戴くよう要望いたします。申請が同時に行こなれた場合の問題について伺いますが、無料低額宿泊施設の場合は入居の直前までの生活の拠点がどこに有るかを調べると回答がありましたが、無届出施設の場合では、どのような対応となるのか、ご説明願います。
 
 無届けの場合、通常の居宅からの申請となると考えますので申請が同時に行なわれた場合、本市がすべての申請に対しまして個々に厳正な調査を実施し、保護の開始または却下決定をすることになると思われます。しかしながら、調査に当たりまして、申請者が不利益を被らないように、また、施設による不正が生じないよう、細心の注意を払って参りたいと考えております。
 
 了解しました。保護が必要な人に直接手が届き、中間で不正が行われないような制度になるよう、厳正な調査をよろしくお願いいたします。保護が必要な所得しかない方であっても申請せずに質素な生活でがんばっている多くの人や、生活保護受給額より少ない年金で生計を立てている高齢者が多くいる中で、制度を悪用してビジネスにしている人たちの存在があることが、生活保護に対する市民の大きな偏見の元になっていますので、それを解決できるような、市政運営を希望させていただきまして、次の大綱の質問に移ります。
 
 最後に、上水道事業について質問いたします。
 平成21年度から22年度にかけて責任水量を1日当り50立方メートル下げたと回答が有りましたが、毎日4万5千立方メートルも使っている中で、あまりに軽微な変更ではないかと思います。そこで次の見直しの件についてお聞きしますが、まず、見直しの時期についてはいつになるのか、ご説明願います。
 
 次の見直し時期はいつになるのか、とのご質問でございますが、現在、君津広域水道企業団において第9次の長期水需給計画を作成しておりまして、各事業体は、この計画に反映させるため水需要の動向を報告しております。これにより、平成22年度に各事業体と君津広域水道企業団が協議を行い、次期の「水道用水供給に関する覚書」が締結されると思われますので、この協議の中で、各事業体の負担が出来るだけ均等になるように、努めてまいりたいと存じます。
 
 各事業体の単価ができるだけ均等になるように見直しをすると回答が有りましたのでそれに関連してお聞きします。現在の県営水道の単価を見ますと、基本料金の109円と使用料金の24円を単純に合算した133円より安価な値で買っております。これは計算に当たりまして基本料金の算定根拠になる責任水量に対して、稼働率などを考慮した0.8倍を補正しているのですが、実際には県営水道は85%という事で、稼働率より多い受水をしているのでさらに安くなっているという状況です。昨今民主党政権で話題になっている八ツ場ダムの関係ですが、八ツ場ダムへの参画水量として千葉県水道局は日当たり12万トンの水量を確保しているということが私の調べで出て参りましたので、中止による影響を受けるものと予想されるのであれば、県に対して、もっと小櫃川の水を多く買ってくれと、責任水量の枠を広げるよう要望していく方が良いのではと思いますが、そのような要望を行うのか、伺います。
 
 各事業体における水使用量は、年々減少傾向をみせておりますので、先ほど、答弁しました、各事業体との協議の中で、4市と県が実状に合うような見直しを図れるように努めてまいりたいと思います。
 
 見直しの方向性は解りました。前回のような50m3というような小幅な見直しに終わる場合も考えられますので、現在の制度の中で水道を安価に供給する事も、一方では考えなければならないかと思います。先ほどもありましたが、現在の井戸については、大規模災害等を考えると私も存続すべきではないかと思いますが、井戸水の割合を減らして、企業団から受水を増やし、本市の持っている責任水量の枠まで近づけた方が県営水道と同じように供給単価が下がりますので、水の原価が下がってくるのではないかと考えられます。このように、企業団からの受水を増やす方向での原価を下げる事について、事前に検討を行ったことがあるのか伺います。
 
 井戸水を減らして、企業団からの受水を増やした方が、全体的に安くなるのでは、とのご質問でございますが、受水量を増やすことにより受水費は増加いたしますが、その分、井戸水にかかる経費が大きく減少するものではありません。したがいまして、受水費と井戸水のトータル的な支出を比較した場合、やはり受水費を減らし井戸水の有効利用を図ったほうが経費的には安くなりますので、現在の方法が、適切な運用であると考えております。
 
 今の答では、現在のように割り戻し単価が高くなると解っていても井戸の水を使う方が市全体として安価になるので有れば、やはり価格制度そのものに問題があると考えられます。大幅な見直しを強く要求するところであります。特に水越市長におかれましては、君津広域水道企業団の代表も兼ねておりますので、立場としてどちらに立つのか難しい状況で有ることは理解できますが、本市の市長の立場として調整をお計りいただけるよう、これは要望にとどめまして、最後の項目の質問に移ります。水道事業の統合について、先ほど回答がありましたが、平成21年度末に検討結果が出されるとのことです。来年度以降の今後の具体的なスケジュールについて、どう考えているのかご説明願います。
 
 先程もお答えしましたとおり、現在、平成20年度の結果を踏まえまして、更なる検討をしておりますが、まだ最終結果が出ていない段階でありますので、今後の具体的なスケジュールについての話し合いは現在持たれておりません。
 
 水道事業を効率的に運用することや、君津広域水道企業団からの受水単価の問題などを解決する手法として事業統合は有効な選択肢であることは間違えないと思います。今年の年度末に答申が出されるというのなら12月は3ヶ月前の段階なのに、22年度以降の今後のスケジュールの話し合いが持たれていないと言うのは、どうもよく解らない所なのですが、話を進めるという上での問題点は何かあるのか、伺います。
 
 話を進めるうえでの問題点は、現在、特段ないと考えております。
本年度の検討結果が出たなかで、来年度においては、市民の皆様や議会へご説明し、理解を図っていく、そういう期間ではないかと、私は捉えております。

 
 検討した結果を市民や議会に対して説明することは確かにとても重要で必要なことだと考えますが、それと平行して統合に向けたタイムスケジュールの作成作業を行うのが来年度ではないかと、私個人的には思いますので、前向きに検討していただきたいと思いますが、何れにしろ、年度末に報告される統合効果の検討資料を水道部の内部資料に留めることなく、議会に十分な説明を行うと共に、しっかり市民に公開公表する事によって広域行政が推進され、行政の効率化が図られることを要望し、今議会における私の質問を、全て終了させていただきます。