小中学校に関する諸問題 (平成23年9月定例議会)
 議場の皆様。こんにちは。9番議員、個人質問順番も9番目の会派羅針盤の近藤です。今回も議長の許可を頂き、資料を使用させていただきます。それでは、通告に基づき大綱1点「小中学校に関する諸問題」について質問させていただきます。
 
 最初に中項目の1点目として学校規模等適正化に関する6点の質問を行います。
 1点目として、今回の方針に対する市民の反応についてお聞きします。
先月の15日まで、学校規模等適正化の方針をパブリックコメントに掛け、市民の意見を受け取られたと聞いておりますが、その件数と主な内容についてご説明ください。
 2点目に、小規模校の今後についてお聞きします。審議会の方針を受けて将来的に廃止を検討する予定である、東清小学校・富岡小学校および存続が決まった鎌足小学校等は児童数が著しく少ないものとなりますが、複式学級はいつ頃から始まるのか、現在の子供の数から推計した時期を、ご説明ください。
 3点目に、第二中学校を移転しない理由に関してお聞きしいたします。
審議会の答申との変更点として、第二中学校の移転が無くなった事があります。その理由として、耐震改修事業等を進める中で予算措置が厳しい、と説明がありました。しかし、第一小学校で財政上の効果が顕著として導入したPFI事業を、第二中学校の移転と真舟小学校の建設事業にも適用すれば、初期投資が少なくなることで、審議会の答申の通りに遂行できたのではと思いますが、そのような検討を行ったのか伺います。
 4点目に、第二中学校を存続させる問題についてお聞きします。第二中学校については、現況の位置で中長期的に活用していくという方針が示されましたが、それでは、審議会で指摘された第二中学校の校庭が狭い問題などが解決されないまま残ることになります。この問題にはどのように対応する考えなのかご説明願います。
 5点目に学校の賃貸借料の解消に向けた取組についてお聞きします。議場の皆様には配付資料の1頁目をご覧下さい。この資料に示しますように、学校用地の賃貸借料は平成22年度決算において約7百万円となり、本市の全賃貸借料の過半を占めます。そこで、学校の統廃合に関する市の方針が確定した結果、現在賃貸借を行っている7校のうち、清見台小学校・岩根小学校・中郷小学校の3校については、当面存続する学校に決まりましたので、それらの学校に存在する民地及び国有地については、用地買収に向けて交渉を進めるべきと考えますが、本市の対応はどの様になっているのかお聞かせ下さい。
 6点目に学校用地の利活用について伺います。桜井小学校、八幡台・畑沢中学校用地については審議会が今後学校建設の予定は無い事を明らかにしました。そのうち桜井小学校用地については少年サッカー大会も多く開催され、広く市民が利用していますので教育施設として残すことに異論はありませんが、八幡台中学校・畑沢中学校用地および小学校を建設する予定が無くなった真舟小学校用地については、公共財産の利活用の視点から一般財産に変更し、売却するか、適正な使用料を徴集することで財政に寄与すべきと考えます。この件につきましては、一新の会代表の大野議員からも質問され「教育財産としての活用の可能性が極めて少なくなった場合」一般財産に変更される事もあるという回答がなされております。それでは、具体的には可能性が少ないと判断する手段はどの様になっているのか伺います。
 
 中項目2点目として学校耐震化事業に関する3点の質問を行います。8月25日の千葉日報新聞によりますと、全国の公立小中学校の耐震化率は80.3%で、千葉県の平均はそれより低い71.6%でした。木更津市の値は更に低く55.1%で、千葉県下54市町村中の50位、つまりワースト5位と不名誉な位置を占めています。4年前は31.9%でワースト3位だったことから見れば進歩しておりますが、一層の耐震化率向上が求められています。現在の各学校における状況は資料の2頁目に示すとおりで、これを元に質問をさせていただきます。
 1点目として、屋内運動場の耐震診断についてお聞きします。優先度の高かった祇園小学校、高柳小学校、中郷小学校の屋内運動場は、既に診断結果が出ていますが、祇園小学校についてはIs値を求めるのではなく「耐力度調査」という今までに実施していない調査手法を採用されております。この手法をとるに至った経緯をご説明願います。
 2点目として、診断結果の悪かった学校の対応について伺います。資料に示すように、高柳小学校と中郷小学校の屋内運動場はIs値が0.3を下回りました。この値では大きな地震の際に「崩壊する危険性が高い」という事を意味します。そのため、例えば秋田県大館市では本年2月にIs値0.2と判断された市立の成章(せいしょう)中学校の体育館を使用中止としたようにIs値0.3以下と判断されたものを使用禁止にした自治体も幾つかお聞きします。本市ではどのような対応を行うのか、今後の改修計画も含めて、ご説明願います。
 3点目に改築に向けて設計を進めている南清小学校について伺います。南清小学校は現在、新校舎の設計を進めており、一昨日の大野議員の質問に対しても、平成25年の工事完成を目指していると回答がありました。その校舎の規模は東清小学校の約70名の編入に耐えられるものなのかご説明願います。
 
 中項目3点目に学校施設の整備方針について3点の質問を行います。
 1点目に、学校校舎に備蓄倉庫を併設することについてお聞きします。今回の震災で、学校施設が緊急時には避難所として大いに活用されることが改めて明らかとなりました。しかし、学校は緊急時の対応が充分でなく、震災直後は物資不足で大変な苦労をされていたことを報道で目にされた方も多くおられると思います。そこで今後は学校を中心に備蓄倉庫を整備すべきと考えますが、教育施設に併設することは可能なのか伺います。
 2点目に、太陽光発電装置の普及に向けた学校の対応についてお聞きします。第三中学校や馬来田小学校では、校舎屋上に太陽光発電施設を装備しました。これにより、子供には環境学習の効果が生じたと思いまし、また、本市にはソーラーシリコンテクノロジーという東日本最大の太陽光発電装置を生産する会社がありますので、太陽光の利用は積極的に進めるべきと思います。そこで伺いますが、南清小学校の新校舎を始め、今後の学校整備に当たり、太陽光発電装置の設置を進める考えはあるのか伺います。
 3点目として、夏の猛暑対策について伺います。具体的には緑のカーテンと言われる壁面緑化について伺います。昨年の決算審査特別委員会で当時の石井次長に、地球温暖化が進んでいる中で教育委員会の指導は無いのかと私が質問したところ、今後十分協議した中で、学校の方と対応してまいりたいとする旨の回答がありました。また本年度当初には木更津市農協より緑のカーテンの提案も有り、震災後の節電ムードの中で全国的に機運が高まっておりました。しかし、今年の夏は全ての学校で対策に取り組まれた訳ではないようです。来年度以降に向けた、市の考え方をご説明願います。
 
 中項目4点目に学校建設工事の方針について2点の質問を行います。
 1点目として、木更津第三中学校グランド整備工事に関連してお聞きします。7月13日に公告された木更津第三中学校グランド整備工事は予定価格約1億13百万円の工事であり、入札の結果、予定価格の72.9%で落札者が決定されました。入札改革の前は土木工事であれば予定価格の80%を下回れば失格となるところを、今回はそれを約7%も下回る契約が出来たことになりますので、これに伴う効果額は約8百万円となり、制度改革の効果が発揮できたものと高く評価しております。しかし、今回のグランド工事では校庭をクレー舗装とする設計となったため、特殊な施工能力を必要と判断されたのか、入札基準では必要な技術点が高く、残念ながら地元業者が参加できないものとなりました。今後のグランド整備工事でもクレー舗装が標準となり同じような入札基準を設けられた場合は、また、地元業者が参加できなくなる可能性があります。そもそも私はこの工事に著しく高い品質管理技術が求められるものとは思えませんが、今回の工事の発注に至った経緯と今後の対応をご説明願います
 2点目に、昨年度末に竣工した第三中学校の校舎建設工事に関連してお伺いいたします。校舎の建設工事も、工期が厳しいという理由で、極めて高い技術点の会社だけを応募対象にしたところ、やはり地元業者が参入できずに大手の建設会社だけによる入札になったという経緯があります。施工は危惧されたような遅延もなく立派に完成したことは、担当職員の速やかな対応など、現場の苦労が大変であったものと伺っております。しかし、そもそもこのように厳しい工期で大手による施工を前提としなければならなかったのは、全体の工程管理が不十分であったものと思われます。市が充分な工期を持つように設計段階から工程管理を綿密に行えば、このような状態は防ぐことができたものと思われます。そこで、来年度の南清小学校を始め、今後の大型のプロジェクトを進めるに先立ち、余裕のある工程を確保するための対策をどのように考えているのか伺います
 
 中項目5点目に真舟中学校用地に保育園を併設する可能性に関し2点の質問を行います。代表質問で鶴岡議員が小学校用地を検証していますので、私は中学校用地の検討を行います。8月22日に行われた議員全員協議会では、真舟中学校用地に小学校を建設する場合、元の敷地は広大でも法面を除き、さらにそこから保育園用地約3000uを除くと同規模校である祇園小学校、清見台小学校とほぼ同程度となり、現在の両校が狭いと言われている事より対応が不可能という説明がありました。しかし資料の3頁目に示しますように、私が真舟中学校用地に現在の清見台小学校校舎の配置する場合を検討してみますと、広大な校庭を確保しながら約3500uの面積を設ける事が可能と思われましたので、あらためて数値について確認させて頂きます。
 1点目は、比較校の面積です。手狭といわれましたた2校の面積は使用できない法面も含んだ面積であるので、真舟中学校用地に確保できると言われる面積と比較する基準が同一ではありません。祇園小学校、清見台小学校の法面を除いた平地の面積はどの程度なのか伺います。
 2点目は、法面の面積です。真舟中学校用地で使用できないとされた法面ですが、一般的に安定的と言われる30度の勾配より遥かにゆるく施工されている場所が見られます。そこの部分について、法面の勾配を一般的な1.8程度に変更した場合、どの程度の平場が確保できるものなのか伺います。
 以上で第一質問を終了いたします。
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<初谷教育長>
 近藤忍議員のご質問について、私からは、大綱1「小中学校に関する諸問題について」の中項目1「学校規模適正化について」答弁申し上げます。
 まず、1点目の「今方針への市民の反応」についてということでございますが、意見公募の期間中に寄せられたご意見は全体で58件ございました、内訳としましては、木更津第二中学校に関するご意見が2件、東清小学校に関するご意見が56件というところでございます。その内容ですけれども、木更津第二中学校に関しましては、「移転の可能性があるのであれば、耐震工事は必要ないのではないか」「中学校の移転用地を確保しておくべきではないか」「小中一貫校ができるような小学校建設を」というご意見と、それに加えて「(仮称)真舟小学校予定地を木更津第二中学校の部活動の場所に利用してはどうか」そのようなご意見を頂戴しております。また、東清小学校につきましては56件全てが「東清小学校を存続して欲しい」というものでした。
 次に、2点目の「小規模校の今後の状況」について、議員の方からお尋ねの有りましたように、平成23年5月1日現在の幼児数、子供の数を踏まえて予測いたしますと、富岡小学校については平成22年度からすでに複式学級となる規模の所でありますけれども、千葉県の学級編成の弾力化によりまして複式化を避けております。複式化解消している状態であるとご理解いただきたいと思います。東清小学校につきましては、同じく平成26年度からそうゆう事態が生じるわけですが、この事も同様に、同じ対応により解消可能と考えております。鎌足小学校につきましては、現状現段階では複式学級となる見込みはございません。
 次に、3点目、4点目にも関わりますが、「二中を移転しない理由」についてお答えをいたします。仮称真舟小学校の建設につきましては、本年度PFI導入検討はいたしました。その中で、従来の公共支出による事業実施が適当であると、そのような判断をいたした次第でございます。第一小学校および学校給食センターのPFI事業につきましては、学校給食センターの運営でPFI事業会社が運営する部分が非常に多く出てくる、所が今回の場合は学校の新築あるいは学校の管理ということでは、事業者の運営部分が非常に少なくなるコスト低減を図りにくい事業であると判断いたしました。なお、第一小学校および学校給食センターPFI事業につきましては、事業導入時の市の財政負担額についての評価のとおりであると考えております。
 4点目「木更津第二中を存続させる問題」についてお答えをいたします。木更津第二中学校につきましては、現時点での推計によりますと、平成34年までは適正規模を維持できること、また学校が学区のほぼ中心、中央に位置していることから、できるだけ今ある施設を活用することによって予算支出を抑え、耐震工事と防災設備の充実を急ぎたいと考えております。校庭が狭いなどの問題が引き続き残るのではというご指摘でございますけれども、現在有している教育財産の有効活用を含め、生徒の部活動等に支障が出ないような方策を検討してまいりたいと考えております。
 次に、5点目の「学校の賃貸借料の解消」についてお答えをいたします。議員お示しいただいた資料のとおり幾つかの学校用地は借地ということに成っておりますが、この資料の中の6番目、岩根小学校用地(民有地B)と示された部分ですけれども、105.19uにつきましては、既に昨年度末に購入済みでございます。他の借地を買取するか否かという事につきましては、これは相手がある事ですので、まずは、意向等を調査したいと考えております。今まで実施計画等には乗せていませんでしたが、教育委員会で検討のうえ、市長部局の担当部と協議をして、今後進めてまいりたいと、そのように考えております。
 最後に、6点目「小中学校用地の利活用」についてお答えをいたします。教育財産として利活用する可能性が少ないと判断する手順はというお尋ねですけれども、まず、教育委員会事務局で検討の上、活用の可否について決定をし、次に、教育委員会会議に議案として上程し、議決を頂くことによって決定して行く事になります。私からは以上です。
 
<石井教育部長>
 私からは、大綱1中項目2「学校耐震化事業について」から中項目5「学校用地に保育園の併設」までを順次ご答弁申し上げます。
 まず中項目2小項目1点目 「屋内運動場の耐震診断」についてお答えをいたします。祇園小学校の屋内運動場につきましては、一般的な許容値の6倍を越える不同沈下がみられるなど、建物が大きく傾斜し、構造鉄骨の変形等の問題があることから、耐震化のために、建て替えを前提とし耐力度調査を行ったものでございます。また、交付金事業として実施するためにも耐力度調査を行う必要があったものでございます。調査結果は、2,558点で国庫交付金の対象事業となる基準の4,500点を大きく下回り、仮に筋交いの補強をした場合でも4,443点と基準を下回る結果となったものでございます。平成24年度に改築のための設計を行いたいと考えております。
 次に、2点目 「診断結果値が低い対策」についてお答えをいたします。平成22年度に実施をいたしました、高柳小学校・中郷小学校の屋内運動場の耐震診断結果につきましては、議員ご指摘のとおりIs値が0.3未満と低い数値となっているところでございます。秋田県大館市の教育委員会に電話にて確認いたしましたところ「成章中学校」については、近くに地区の体育館があり、そちらを使用できるということなど、総合的に判断して使用中止としているとのことでございます。また、Is値0.3未満をすべて使用中止としていることではないそうでございます。高柳小学校・中郷小学校の屋内運動場の場合には、近くに代わりに使用できるような施設がざいません。また、これまでも校舎の場合にIs値が0.3未満であっても使用中止はしてきておりません。さらに、屋内運動場は 平屋建てでございますので、3階建てなどの校舎と比較いたしますと、避難が比較的早くできると考えられます。このようなことから、使用中止といったことは考えておりません。今後の改修計画でございますが、平成24年度に中郷小学校・平成25年度に高柳小学校の屋内運動場耐震補強設計を行いたいと考えております。学校施設の耐震化につきましては、基本的には校舎棟の耐震化を優先的に図って参りたいと考えておりますが、平成23年度に実施しております小中学校10校の屋内運動場の耐震診断結果、あるいは、平成24年度にも実施を行いたいと考えております小中学校の屋内運動場の耐震診断結果をふまえて検討して参りたいと考えております。
 次に、3点目 「南清小学校の改築事業」についてお答えをいたします。計画しております学校の規模は、各学年3クラスに特別支援学級2クラスを基本にし計20クラス分の普通教室を確保する予定でございます。また、学区のほたるの地区は人口急増地区でございますので児童数が一時的に多くなることが予想されます。そのため多目的室などを活用することにより各学年4クラスまでは普通教室を用意できるよう計画しております。このようなことから仮に東清小学校との統合となった場合でも、その児童の受け入れは十分可能であると考えております。
 
 続きまして、中項目3点目「施設の整備方針」についてご答弁申し上げます。
 まず、小項目1点目「学校に備蓄倉庫の併設」についてお答えをいたします。防災備蓄倉庫は市内全ての小中学校には設置はされておりませんが、小学校18校中2校に、中学校13校中7校に設置をされており、既に学校敷地内に併設されている状況となっております。このため併設は可能と考えております。
 次に、2点目「太陽光発電装置の普及」についてお答えをいたします。太陽光発電装置は、平成22年度に実施をいたしました馬来田小学校耐震補強事業及び木更津第三中学校校舎改築事業におきまして本市として初めて本格的に設置をし、平成23年4月より運用を開始をしております。今後の学校整備については、どの程度の節電効果があるのかなどの効果を検証し、方向性を検討して参りたいと考えております。また、現在、設計中の南清小学校校舎増築事業においては太陽光発電装置の設置を行う設計とはなっておりません。
 次に、3点目「真夏の暑さ対策の推進」についてお答えをいたします。議員ご指摘のとおり、緑のカーテンなどは暑さ対策に有効な手段ではあると思います。設置を行うには施設を一部改修することも必要な場合があると考えられますので、今後、学校関係者等と協議をし、検討して参りたいと考えております。
 
 続きまして、中項目4「建設工事の方針について」 ご答弁申し上げます。
 まず、小項目1点目「グランド整備工事方針」についてお答えをいたします。木更津第三中学校グランド整備工事の設計は、平成19年度・平成20年度にPFI事業で実施いたしました、木更津第一小学校のグランド整備工事と同程度の設計内容となっており、決して特殊な設計ではなく、既存校舎解体に伴い国道409号線周辺などへの防塵対策として管理面・費用面などを考慮し工法を選定し設計したものとなっております。第三中学校は、昨年度の校舎の新築工事から引き続き満足にはグラウンドが使用できない状況が続いております。早期の事業完了をめざし、今回、解体工事完了前に、グラウンド整備工事に着手しようとしたものでございます。このため細部にわたり詳細な工程打合せ等が必要であり、施工能力や実績を考慮したものでございます。今後の対応でございますが、学校グラウンドの砂埃の対策は近隣へ迷惑をかけないためにも必要と考えております。新たに整備するグラウンドにつきましては、管理面や費用面などを考慮し工法を選定してまいりたいと考えております。
 次に、2点目「全体工程管理の適正化」についてお答えをいたします。発注工事におきましては、常に適正な工程管理が行えるよう事業を進めておりますが、木更津第三中学校の校舎建設工事の場合には、地域活性化・公共投資臨時交付金等を最大限に活用しまして事業を実施する必要から工程が厳しくなったものであり、ご理解を賜りたいと存じます。今後予定しております、南清小学校や仮称真舟小学校などの大型の事業を進めるに当たっては、十分な工程管理を行うために関係課と協議を行い、事業を進めてまいりたいと考えております。
 
 続きまして、中項目5「学校用地に保育園の併設」についてご答弁申し上げます。
 まず、小項目1点目「祇園・清見台小の面積」についてお答えをいたします。祇園小学校は、校地面積が約22,276uで、その内、主に法面としての面積が、教育総務課にて整備しております施設台帳によりますと約2,289uで学校施設として使用可能な平地の面積は約19,987uとなっております。また、清見台小学校は、校地面積が約22,280uで、その内、主に進入路として利用している敷地の北側の部分の面積が同じく施設台帳上約1,285uとなっております。その他にも校地内にのり面がございますが、その面積は施設台帳に記載されておりませんので、学校施設として使用可能な平地の面積は進入路の面積を差し引いた約20,995uを下回るものになると思われます。
 次に、2点目「法面改修で出来る面積」についてお答えをいたします。勾配がゆるく施工されている箇所は学校用地の上段と下段の間でございますが、現在の、のり面の勾配はおよそ1:3.0となっております。これを議員おっしゃるように1:1.8程度に変更いたしますと、これは、上段と下段との間を移動する際に必要となると思われる階段ですとかスロープ等に使用する部分につきましては、現段階では算定が難しいため反映いたしておりませんが、およそ800uの平場が確保できるものと考えております。私からは以上です。
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 答弁有り難うございました。それでは再質問に移ります。最初に学校規模等適正化に関する件について質問します。
 パブリックコメントについては東清小学校の存続を求める声が多く寄せられていることは良くわかりました。8月11日にも市長に対し、地域住民から直接要望が寄せられた事もお聞きしております。しかし、そのような中で私が危惧するのは、教員の増員によって複式学級を回避したとしても、極端に少人数なクラスで良い環境の教育が行えるのか、という点であります。単に部活が出来ないという程度ではなく、小学校の6年間を競い合うライバルも無く、さらには、場合によっては同性の同級生が居ないまま過ごすというような事態が教育環境的に良いのか、と思うのです。大野議員の質問に対する回答でも「社会性が身に付かない事が危惧される」と有りましたが、生徒数を確保するような措置について何か検討されているのか伺います。
 
 現時点におきましては、基本方針が固まりつつある段階でございますので、この基本方針決定後の具体的な計画を考えていく中で、児童生徒数確保などによる小規模校解消のための方策につきましても検討を進めていきたいと考えておりますのでご理解を賜りたいと存じます。
 
 私は小規模校を存続させると決めるので有れば、人数減による教育環境の悪化を回避させる事が必要だと思います。6月議会で篠崎議員から提案のありました、特色有る教育を行うことで学区を超えて通学を認める特認校制度等を、教育部として組織的に研究を開始すべきと思います。
今の回答にありましたように、学校の存続については、子供達の事を第一に考えて、今後の対応を進めていただけるものと思いますので、次の質問に移ります。
 真舟小学校についてもPFI事業を検討したけれども『学校の新築及び管理だけでは、運営する部分が非常に少なくコスト低減を図りにくい事業である』と判断されたという回答でした。第一小学校はPFI事業の中に給食センターという運営部門があったので事業的に成功したという事であるならば、真舟小学校の建築事業と第二中学校の移転事業だけではなく、民間の運営部門としての仮称請西保育園とか子育て支援センターなども一体化したPFI事業を検討すれば全体の規模も大きくなり、運営部門も入ってまいりますので、事業者としても採算が合ってくるのではと思います。行政改革の視点から、その様な検討を行いましたのか、これについては行政改革を担当する総務部長にお伺いします。
 
 行政改革の視点からというご質問でございます。PFIの導入にかかる基本方針に基づく庁内の推進体制では、先ず事業担当課が導入検討と具体的な事業の実施について、発案することとしております。ご質問の小中学校の建設部門と保育関係の運営部門を合わせての事業につきましては、発案がございませんでしたので、PFIの導入検討を行っておりません。が、今後は各部が計画している事業について、総合調整する枠組みを検討してまいりたいと考えております。
 

 多様な財政調達という観点からは、おっしゃられましたように担当課だけの検討ではなく、総合調整を行う枠組みを作るという点は私も賛成です。そのためには市役所内部だけでなく、事によっては外部等の意見も参考にしながら、様々な組み合わせを考えるべきと思います。今回の事案に対しても過ぎたこととするのではなく、改めて検討されるようなことを望みます。
 では次の質問に移ります。二中の校庭の狭さへの対応は解りましたが、その他の問題としまして、第二中学校が現在の位置に残ることで、学校に近接する国道16号線の歩道が十分に確保されない点は解決されません。国道の混雑部分の解消も含めてどの様に解決される考えなのか、お伺いいたします。
 
 現在、学校のグランドの法面および隣接している交差点は千葉国道事務所の所管となっております。この部分につきましては、両側に歩道が設置されていない状況で、今後改善が必要な状況と認識しております。この問題を解消するために、現在の法面の部分または学校用地を一部利用する等の方法が考えられますが、今後、千葉国道事務所及び教育部と良く調整をし、改善を図っていきたいと考えております。

 
 今言われましたように交通処理上の問題が残りまして、その原因が市の保有する学校であるということは、若干残念でありますが、この議論はここまでとしまして、次に、学校用地の賃貸借の件についての再質問に移ります。
 学校用地の賃貸借の件につきましては、先ほどの回答で地権者の意向を調査し、市長部局の担当者と検討を進めるということでした。巨額ではないとは言え、賃料は義務的経費として毎年発生し、財政の硬直化を招く事になりかねませんが、それについての財政部の見解をお伺いします。
 
 市が所有する施設の底地につきましては、当該施設の設置の当初の事情から所有権を取得せず、賃貸借契約等により権原を取得したものもございます。しかしながら、市が恒久的に使用する施設の底地につきましては、みずから所有することが、安定性の観点から、望ましいと考えております。従いまして、所有者の意向もございますでしょうから、まず、教育委員会におきまして、対応を協議いただき、その結果を踏まえまして対処してまいりたいと考えております。
 
 了解しました。次に学校用地の利活用について再度伺いますが、教育財産として活用する可能性が極めて少なくなったと判断するのが教育委員会事務局ということでした。それでは、余程のことが無い限り、教育財産として残すと云うことと私は感じますので、教育委員会事務局の判断ではなく、全庁的、又は外部の有識者を招いて議論すべき問題と考えます。先ほどもご回答いただきましたが、行政改革を所管する総務部としてはどの様にお考えなのか、お伺いいたします。
 
 再度行政改革を所管する部としての考え、という質問ですが、学校用地の利活用につきましては、教育財産以外に、つまり市長部局で活用していくことが必要とする事例が発生した時点で、全庁的に議論し、教育財産を活用するという方向、方針となった場合には、教育委員会と協議のうえ、判断していきたいと考えているところでございます。
 

 有り難うございました。教育委員会の独立性というのは、教育内容の独立性であって、学校用地や建物については別に考えるべきと私は思いますが、これは6月議会で質問したことと重複しますので、これ以上は申しません。
 次に、学校耐震化事業についての再質問に移らさせて頂きます。祇園小学校の体育館が建て替えを前提としておりますので、交付金事業として実施するための調査を行ったという事は理解させていただきました。それでは現在未調査の学校で、建て替えを前提としている学校はまだ他にも有るのかお伺いいたします。
 
 今年度診断中のもの、平成24年度診断を予定しているものにつきましては、現在建て替えを前提としている体育館はございません。
 
 では今後の体育館の調査は、全てIs値を求める事になると了解いたしました。次にIs値が低かった2校の件についてお聞きします。回答にありましたように使用禁止の措置を執らないということについては私も異論はございません。しかし、この2校について存続校として決まっておりますので、この様に低い値が出た以上、出来る限り速やかに耐震事業に着手すべきであり、本来で有れば、この9月議会で設計費の上程が有ってもおかしくないと私は思います。しかしながら先ほどの回答では祇園小学校が来年度、高柳小学校に至っては再来年ということでかなり遅いのではと思います。現在も千葉県54自治体中のワースト5位であるという耐震化率を高めるため、これらの体育館について一刻も早く設計を発注すべきですし、そのための予算がないというので有れば学校を建設しないと決めた学校用地を売却してでも予算を工面すべきではないかと思います。改めてお聞きしますが、設計を前倒しする事は検討されていないのか、お伺いします。
 
 実施計画等の見直しが今後、必要となりますので、教育委員会内で検討のうえ、市長部局の担当部等と協議してまいりたいと考えております。
 
 危険と解っている物を長期間放置するということは「無作為」と言われかねませんので、早急な検討についてお願いいたします。南清小学校の状況については理解いたしましたので、次の施設の整備方針についての再質問に移ります。
 備蓄倉庫については、既に数校では建設されているという回答でしたが、6月議会の篠崎議員に対する答弁で、非常用食料および飲料水の備蓄については目標値を遥かに下回っている値であるという事が報告されております。そのため、少なくとも避難所に指定されている全ての教育施設に対して備蓄倉庫を併設すべきと私は思いますが、その点についてはどの様に考えているのかお伺いいたします。
 
 全ての教育施設に対し備蓄倉庫を併設すべきではというご質問でございます。備蓄倉庫の設置にあたりましては、市役所及び市内13の中学校区単位を基本に整備を行っているところでございます。設置状況といたしましては、市役所をはじめ、現在12箇所の備蓄倉庫を設置しているところでございます。このうち、中学校区で設置されていない、第二中学校区は市役所を、第三中学校区は太田中学校に設置されている備蓄倉庫と一体的に備蓄品の確保を行っております。これによりまして市内全域をカバーしているものと考えております。
 
 中学校区単位での確保という回答でございました。確かに中学校単位に、さらに小学校も全てに配置という事になりますと、かなりのコストが発生するということは了解いたしますが、東海・東南海等の海溝型地震の発生が危惧される段階に近づいていると言われておりますので、全学校への併設を検討していただくことについて要望いたします。
 次に、太陽光発電の件ですが、効果の検証を行うという回答でありました。それはたしかに重要かとは思いますが、東日本大震災以来、電力の自立、また脱原発ということが叫ばれている現在の状況を考えますと、来年度以降に工事発注を予定している南清小学校には、是非とも整備すべきと思います。しかし、先ほどの回答では行わないと言われておりましたので、これについての回答は結構でございます。
 緑のカーテンについてですが、施設の改修を行わなくても、まだまだ対応出来る事例は多く有ったのではないかと思います。今年は6月末に齊藤副議長と田中紀子議員が海苔網を各学校に配って回ったと、その結果として何とか始まった学校が多く有ると伺っていますので、来年度の対応については、今年の内に方針を検討し、準備をしっかりと進めて頂きたいと思います。では4項目目の建設工事の方針についての再質問に移ります。
 今回の質問については、予算が厳しく耐震化事業も進んでいない中で、グランドについては土で充分ではないかと思うところが、単価の高いクレー舗装とする設計が如何なものかなと思いまして質問させて頂いております。第一小学校と同じ整備水準であったとしても、第一小学校はPFI事業として総費用を抑制する中で、事業者が「このような設計とします」と提示した中から選択されたものであって、それと同じにしましたと語るのはどうかなと思います。国道409号線への防塵対策も兼ねているという事ではございましたが、今後の南清小学校、また仮称真舟小学校も住宅地の中の学校と言うことに成りますので、同じように防塵対策が必要になってくると思われますので、同様の設計が前提となっているのか、改めてお伺いさせていただきます。
 
 南清小学校及び仮称真舟小学校につきましては、グラウンド整備の方法につきまして、関係課と協議を行いまして今後研究してまいりたいと考えております。
 
 もう1点の問題としまして、地元業者が参入できないほどの高い技術点を要求したことが有ります。工事に十分な工期が無い事で地元業者が入札にも参加出来ないと、そういう事態は改善すべきという趣旨で今回の質問を行っています。具体的に来年度以降に予定されている南清小学校の工事では、その点の対応は充分に考えているのかお伺いします。
 
 南清小学校につきましては、外周の道路境界のフェンス等の整備は、ほぼ既に完了しております。道路との境界部分のフェンス等の工事が必要でございました第三中学校とは、状況が違う部分があると考えております。グラウンド整備工事を含めまして、今後関係課と協議し、工程管理を行いまして、対応を検討したいと考えております。
 
 解りました。しっかりとした対応を期待して最後の中項目の質問に移らさせていただきます。
 先ほどの回答に有りましたように、今回の真舟中学校で確保できる平地の面積は法面の改良が無くても同じような規模となる祇園小学校や清見台小学校、これらについては約2万uという事なので、それより約2割も広い約2万4千uは有りますので、さらにこれに法面の工事を加えれば、5千uぐらい広いものが確保できるということが解りました。今回の質問は保育園を建設するなという事ではなく、保育園の建設ついては賛成であるのですが、あくまで学校施設用地の一部を保育園の用地として使用できない、と判断されました教育委員会の決定に対して疑問があるために行っているものとご理解下さい。そのような意味で、今回の答弁のように面積に余裕があるのであれば、やはり、第一小学校・第二小学校で、学校敷地内に学童保育施設が併設され、既に運営されている状況と同じように真舟中学校でも保育園の併設を検討する事が出来るのではないかと考えるのであります。それによりまして、市が保有しております財産が有効活用され、毎年の賃貸借料という義務的経費を抑制することが可能となります。教育部としては、やはりこれでも保育園の併設は難しいという考えなのか、改めてお伺いします。
 
 学童保育施設につきましては当該小学校に通学する児童の受け入れをしているものですので、全ての児童が下校後に、児童の保護者が、主に自動車等で迎えに来まして帰宅していくものでございますので、児童の徒歩での通学と、迎えの自動車の交通動線については錯綜する部分が少ないと考えております。一方、保育園・子育て支援センターとの併設の場合には、小学校の朝の登校時と、保育園の保護者による自動車での送りの時間帯が重複することが考えられます。また、子育て支援センターにつきましては、こちらもほとんどの方が自家用車での来所になるとのことでございます。来所される時間は、小学校児童の登下校時と重なる時間帯となることが予想されます。また、初めて来所される方も多いようですので、両者の動線が錯綜した場合には、安全性を確保することが困難になるというふうに考えております。ご理解を賜りたいと存じます。
 
 面積の問題以外にも安全性の問題という点を、今提案されているかと思います。交通の導線につきましては、私の方で作りました
資料ではございますが、敷地の全体の、例えば保育園を北東の角側、学校の出入り口を北西の角側とするように分離することで、出入り口はかなり遠くなりますので、特に問題なく処理出来るのではないかな、と私は思います。それについてはこの程度の資料ではなく、本議会に補正予算として上程されております真舟小学校の基本設計というのがございますので、その中で対応を検討すれば、本当はどうなのかという事が解るのではと思います。ただ、その真舟小学校の基本設計を待っておりますと保育園の詳細設計に移るのが来年以降という事になり、仮称請西保育園の整備計画のスケジュールが1年遅れることとなります。その遅れについては許容できないものなのか、改めてこの件については福祉部にお伺いたいと思います。
 
 羅針盤代表質問で鶴岡議員へご答弁申し上げましたとおり、仮称市立請西保育園の整備につきましては、特に、請西地区及び当該地区住民からの保育園設置を望む声が強いことでもありますことから、一刻も早く、その実現に向け、当初の計画どおりに事業を進めて参りたいというふうに考えております。
 

 木更津市の南部に保育園を検討すべきだと私が質問しましたのは昨年の同じ9月議会でございました。その時には弾力的な運用で待機児童が出ていない状況では有りますが、波岡地区等への新規の保育園の誘致につきましては、木更津市次世代育成支援対策審議会及び同審議会の下部組織であります保育サービス検討部会で、検討してまいりたいという回答でございました。つまり1年前の段階では具体的な計画ではなかったのに、それから僅か1年の内に同じ加藤部長から「一刻も早く」と回答されることについては釈然としない思いがあります。用地につきましては再考すべきという意見も多くの議員から出されているので、たとえ1年遅れてでも慎重に検討すべきであると私は思います。
 今回は学校の再編や耐震事業など、多くの問題についてお聞きしましたが、それは議会人として市民に対し充分な説明を行うためであるとご理解いただきたいと思います。市民に説明することが困難な事案については、立ち止まり、見直す事も恐れずに、今後の行政を進めていただくことを期待いたしまして、本議会における私の質問を、全て終了いたします。