議場の皆様。こんにちは。会派羅針盤の近藤です。今回も資料を使用し、大綱2点の質問をさせていただきます。
最初に大綱1点目として「自衛隊周辺土地の有効利用について」お聞きします。質問に入る前に歴史的経緯も含め、現在に至る状況を振り返えりたいと思います。
今から、およそ50年前となる、昭和30年代の木更津飛行場では、在日米軍の艦載機が離発着訓練を繰り返し、滑走路の延長線上に位置する江川・久津間の集落は、ひどい騒音や度重なる事故、エンジンのバックファイヤーによる火災などに悩まされていました。
その環境を改善するため、国により基地周辺から住民を移転する事業が進められ、昭和37年から46年までの間に131戸の移転補償が実施されました。今回、配布いたしましたこちらの地図2枚を見比べて頂くと解りますように、この移転事業で自衛隊の北側にある集落や農地が消滅し、面積にして約33[ha]に及ぶ土地が国有地と成りました。
その国有地に江川総合運動公園が順次整備されて参りましたのは昭和50年代でした。現在の公園面積は約3.3[ha]で、基地周辺財産のおよそ1割の面積を占めております。
平成19年に議会の基地対策特別委員会で、江川総合運動公園の再拡張整備について議論が行われ、建設費や維持管理費で財政に大きな負担とならないことを前提とし、国による整備を推進する方針が決まり、平成20年度には市の業務として「基本計画書」の策定を進める中で、各種スポーツ団体や地元区との協議を行い、要望概要が作られました。
平成21年度には当時の浜田防衛大臣の元で防衛省が予算要求を行った結果、平成22年度から整備に向けた調査事業に着手されております。しかしながら平成23年度も残り僅かに成る中で、未だに具体的な計画を示される段階に至っていません。また、政権交代による見直しの結果か、当初は基本的な施設は全て防衛省により整備されるという話であったものが、除草費用の10年分程度の予算規模でしか対応されないという話しも出るなど、基本的なスタンスも変わっておるようです。
運動公園再拡張事業が進んでない中で、本年6月28日に千葉県議会で渡辺芳邦県議が、県として防災拠点の検討をするなら、木更津の自衛隊周辺の未利用地に基幹的広域防災拠点を設けるべきでは、と提案されております。これは、関東の基幹的広域防災拠点が東京都の有明と神奈川県の東扇島にしか無く、自衛隊のヘリコプター部隊を活用することが可能な木更津に設けることで、県内はもちろん、広く関東一円をカバーできることを想定しての提案と伺っております。
また、8月19日に木更津商工会議所から提出された4項目の要望書の筆頭として、千葉県に基幹的防災拠点が未整備なので、陸上自衛隊木更津飛行場を中核的防災拠点と位置付けるとともに、隣接する広大な未利用地に「基幹的防災拠点」を設置するよう、国・県に対し働きかけをされるようお願いする、という項目が記載されておりました。
さらに11月21日の政府主催全国都道府県知事会議で、森田知事が閣僚との懇談の中で、国の基幹的防災拠点が東京湾の西側2箇所しかなく、千葉県側も含めた4つから5つ程度の整備が行われないと、首都圏のバックアップが出来ない、などと提案されています。
この様に、基地周辺土地を単に運動公園として拡張するだけでなく、防災の視点も加えるべきと言う議論が起きつつある状況を背景に中項目3点を質問いたします。
中項目の1点目として、江川総合運動公園の拡張整備事業の進捗状況について、5点の質問を行います。
1点目として、現在、調査は何処まで進んでいるのかお聞きします。拡張に向けて土質調査が進められていると今までの基地対策特別委員会では報告されておりますが、その後の状況が明らかに成っておりません。今後もさらに調査を必要としているのか、情報をお持ちでしたらお示し下さい。
次に、2点目として詳細設計協議と工事着手及び完成の時期の見通しについてお聞きいたします。先ほど経緯を説明したように、本事業は平成22年度から国で予算化されたものでありますが、未だに設計がどうなるか示されず、もちろん工事着手や完成の時期も明らかとなっておりません。今後の行程についての見通しをお示し下さい。
3点目に、市の作成した基本計画の内容通りに整備が出来るのか確認させていただきます。平成20年度に作成した基本計画では野球場を新規に2面作り既存の1面と合わせると3面が運用できるようになり、サッカー場は2面、テニスコートも2面、さらに2期工事として陸上競技場も新規に追加することで、それらの大会が江川で開催できるような規模の公園に拡張する予定としておりました。国の事業予算の制約が言われている中で、市の計画の通りに整備が可能なのか、現在の協議状況を報告願います。
4点目に、施設を造るために市の負担が生じる可能性は有るのか伺います。基本計画は20億円を超える大規模なものでありましたが、除草作業の10年分に相当する事業予算ということが事実であるとすると、その差は極めて大きく、余程、簡易なものとしても国費だけで整備することは難しいものと思います。今後も拡張事業を進める場合、本市の負担が生じる可能性は有るのか、ご説明願います。
5点目として、進入路や域内の市道を事前に整備する考えはないかお聞きします。昨年の12月定例会で國吉議員が、市の予算にて一部道路拡張は出来ないものかと質問したのに対し、国の拡張整備事業に合わせ、進入道路の整備は、国の民生安定事業等の補助金などの活用を図りながら整備していく、という回答がありました。しかし、国の事業の展開を考えると事前に進入路と域内の細い道の整備を進めるべきと思います。そのことにより既存の公園利用者に対するアクセスの問題も解決されますし、その財源についても特定防衛施設周辺設備調整交付金が、ヘリコプター部隊の基地に対しても支給されるなど、充当可能な歳入も生じているものと思いますが、進入路整備に関する市の考えを伺います。
次に、中項目2点目として、広域防災拠点誘致の市の取組状況について3点の質問を行います。
まず1点目に、広域防災拠点を本市に誘致することをどう考えるのか伺います。商工会議所の要望書に対しては文書による回答を行わないことが慣例のようですが、新聞報道等によると、本市も前向きに取り組むつもりだと伝わっておりますが、確認のために御答弁をお願いいたします。
次に、2点目として防災拠点機能に対する自衛隊の意見について伺います。基地周辺の土地が防災拠点として関東一円の役に立つ前提が、自衛隊との密な運用にあることは言うまでもありません。つまり自衛隊が消極的であると、防災拠点として整備する位置づけが弱くなりますが、市として自衛隊の意向を把握されているようでしたら報告願います。
3点目に、今後の取組はどうするのか伺います。防災拠点の中には医療支援や物資分配、司令機能など様々な役割があります。木更津では緊急物資の速やかな展開を支援する拠点となることが機能的にも理想と私は思いますが、基本的な考え方について県や自衛隊と連携しながらまとめていくことが必要であると思います。具体的な展開を来年度以降はどのように考えているのか、ご説明願います。
中項目3.自衛隊周辺土地の周囲の整備方針について質問を行います。今回の運動公園や防災拠点としても有効活用をされる予定がない土地を今後どうするのかという質問です。今回の計画で対象範囲としているのは現在の江川総合運動公園に隣接する地域だけですが、それ以外にも北側の計画施設に近い場所で有りながら離れて存在する久津間の土地や、滑走路に近いため整備範囲から除外される区域を駐車場等として利用するとか、市民農園として貸し出しを行えば、雑草の繁茂を抑制でき、不法投棄などの環境悪化を防止できるものと思います。活用する範囲を拡大する考えはないのか伺います。
次に大綱2点目「市街化調整区域の土地利用について」の質問に移ります。市街化調整区域における地区計画制度を利用した土地利用については数多くの地域説明会の実施や長期にわたるパブリックコメントによって多くの人の意見を反映させながら本年10月に運用を開始しました。その運用状況に関し3点の質問を行います。
最初に制度運用後の具体的な動きについて伺います。まだ制度が始まったばかりではありますが、制度設計中に多くの声が寄せられているので、運用後にも何か具体的な動きが生じているのと思われますが、現状を報告願います。
2点目に、今回の制度を条例化することに関して伺います。都市計画法で市街化を抑制するべき場所として位置づけられる市街化調整区域で、地区計画制度を利用するとはいえ、開発を認める制度となるので、基本的な事項は議会が定める条例とすべきと思います。もちろん運用の細部は要綱としても、条例化することにより法的に強い行政指導が可能と思いますが、そのような検討はなされたのか伺います。
3点目として、従来の制度を何時まで継続するのか伺います。従来の制度である平成13年12月21日に制定された「木更津市の市街化調整区域における開発行為等の基準に関する条例」では市街化区域から700mの範囲で40以上の建築物が連たんしている地域での開発行為が緩和されています。この開発条件は今回の制度に比べ制限が少なく、調整区域への滲み出しによる乱開発を招くことが危惧されております。そのため、より計画的な都市化の進展を誘導するために、今回の制度の周知期間を経た後には従来の制度を廃止するべきものと考えますが、当局のご見解を伺います。
以上で第一質問を終了します。 |