自衛隊周辺土地の有効利用・他 (平成23年12月定例議会)
 議場の皆様。こんにちは。会派羅針盤の近藤です。今回も資料を使用し、大綱2点の質問をさせていただきます。
 最初に大綱1点目として「自衛隊周辺土地の有効利用について」お聞きします。質問に入る前に歴史的経緯も含め、現在に至る状況を振り返えりたいと思います。
 今から、およそ50年前となる、昭和30年代の木更津飛行場では、在日米軍の艦載機が離発着訓練を繰り返し、滑走路の延長線上に位置する江川・久津間の集落は、ひどい騒音や度重なる事故、エンジンのバックファイヤーによる火災などに悩まされていました。
 その環境を改善するため、国により基地周辺から住民を移転する事業が進められ、昭和37年から46年までの間に131戸の移転補償が実施されました。今回、配布いたしましたこちらの地図2枚を見比べて頂くと解りますように、この移転事業で自衛隊の北側にある集落や農地が消滅し、面積にして約33[ha]に及ぶ土地が国有地と成りました。
 その国有地に江川総合運動公園が順次整備されて参りましたのは昭和50年代でした。現在の公園面積は約3.3[ha]で、基地周辺財産のおよそ1割の面積を占めております。
 平成19年に議会の基地対策特別委員会で、江川総合運動公園の再拡張整備について議論が行われ、建設費や維持管理費で財政に大きな負担とならないことを前提とし、国による整備を推進する方針が決まり、平成20年度には市の業務として「基本計画書」の策定を進める中で、各種スポーツ団体や地元区との協議を行い、要望概要が作られました。
 平成21年度には当時の浜田防衛大臣の元で防衛省が予算要求を行った結果、平成22年度から整備に向けた調査事業に着手されております。しかしながら平成23年度も残り僅かに成る中で、未だに具体的な計画を示される段階に至っていません。また、政権交代による見直しの結果か、当初は基本的な施設は全て防衛省により整備されるという話であったものが、除草費用の10年分程度の予算規模でしか対応されないという話しも出るなど、基本的なスタンスも変わっておるようです。
 運動公園再拡張事業が進んでない中で、本年6月28日に千葉県議会で渡辺芳邦県議が、県として防災拠点の検討をするなら、木更津の自衛隊周辺の未利用地に基幹的広域防災拠点を設けるべきでは、と提案されております。これは、関東の基幹的広域防災拠点が東京都の有明と神奈川県の東扇島にしか無く、自衛隊のヘリコプター部隊を活用することが可能な木更津に設けることで、県内はもちろん、広く関東一円をカバーできることを想定しての提案と伺っております。
 また、8月19日に木更津商工会議所から提出された4項目の要望書の筆頭として、千葉県に基幹的防災拠点が未整備なので、陸上自衛隊木更津飛行場を中核的防災拠点と位置付けるとともに、隣接する広大な未利用地に「基幹的防災拠点」を設置するよう、国・県に対し働きかけをされるようお願いする、という項目が記載されておりました。
 さらに11月21日の政府主催全国都道府県知事会議で、森田知事が閣僚との懇談の中で、国の基幹的防災拠点が東京湾の西側2箇所しかなく、千葉県側も含めた4つから5つ程度の整備が行われないと、首都圏のバックアップが出来ない、などと提案されています。
 この様に、基地周辺土地を単に運動公園として拡張するだけでなく、防災の視点も加えるべきと言う議論が起きつつある状況を背景に中項目3点を質問いたします。
 
 中項目の1点目として、江川総合運動公園の拡張整備事業の進捗状況について、5点の質問を行います。
 1点目として、現在、調査は何処まで進んでいるのかお聞きします。拡張に向けて土質調査が進められていると今までの基地対策特別委員会では報告されておりますが、その後の状況が明らかに成っておりません。今後もさらに調査を必要としているのか、情報をお持ちでしたらお示し下さい。
 次に、2点目として詳細設計協議と工事着手及び完成の時期の見通しについてお聞きいたします。先ほど経緯を説明したように、本事業は平成22年度から国で予算化されたものでありますが、未だに設計がどうなるか示されず、もちろん工事着手や完成の時期も明らかとなっておりません。今後の行程についての見通しをお示し下さい。
 3点目に、市の作成した基本計画の内容通りに整備が出来るのか確認させていただきます。平成20年度に作成した基本計画では野球場を新規に2面作り既存の1面と合わせると3面が運用できるようになり、サッカー場は2面、テニスコートも2面、さらに2期工事として陸上競技場も新規に追加することで、それらの大会が江川で開催できるような規模の公園に拡張する予定としておりました。国の事業予算の制約が言われている中で、市の計画の通りに整備が可能なのか、現在の協議状況を報告願います。
 4点目に、施設を造るために市の負担が生じる可能性は有るのか伺います。基本計画は20億円を超える大規模なものでありましたが、除草作業の10年分に相当する事業予算ということが事実であるとすると、その差は極めて大きく、余程、簡易なものとしても国費だけで整備することは難しいものと思います。今後も拡張事業を進める場合、本市の負担が生じる可能性は有るのか、ご説明願います。
 5点目として、進入路や域内の市道を事前に整備する考えはないかお聞きします。昨年の12月定例会で國吉議員が、市の予算にて一部道路拡張は出来ないものかと質問したのに対し、国の拡張整備事業に合わせ、進入道路の整備は、国の民生安定事業等の補助金などの活用を図りながら整備していく、という回答がありました。しかし、国の事業の展開を考えると事前に進入路と域内の細い道の整備を進めるべきと思います。そのことにより既存の公園利用者に対するアクセスの問題も解決されますし、その財源についても特定防衛施設周辺設備調整交付金が、ヘリコプター部隊の基地に対しても支給されるなど、充当可能な歳入も生じているものと思いますが、進入路整備に関する市の考えを伺います。
 
 次に、中項目2点目として、広域防災拠点誘致の市の取組状況について3点の質問を行います。
 まず1点目に、広域防災拠点を本市に誘致することをどう考えるのか伺います。商工会議所の要望書に対しては文書による回答を行わないことが慣例のようですが、新聞報道等によると、本市も前向きに取り組むつもりだと伝わっておりますが、確認のために御答弁をお願いいたします。
 次に、2点目として防災拠点機能に対する自衛隊の意見について伺います。基地周辺の土地が防災拠点として関東一円の役に立つ前提が、自衛隊との密な運用にあることは言うまでもありません。つまり自衛隊が消極的であると、防災拠点として整備する位置づけが弱くなりますが、市として自衛隊の意向を把握されているようでしたら報告願います。
 3点目に、今後の取組はどうするのか伺います。防災拠点の中には医療支援や物資分配、司令機能など様々な役割があります。木更津では緊急物資の速やかな展開を支援する拠点となることが機能的にも理想と私は思いますが、基本的な考え方について県や自衛隊と連携しながらまとめていくことが必要であると思います。具体的な展開を来年度以降はどのように考えているのか、ご説明願います。
 
 中項目3.自衛隊周辺土地の周囲の整備方針について質問を行います。今回の運動公園や防災拠点としても有効活用をされる予定がない土地を今後どうするのかという質問です。今回の計画で対象範囲としているのは現在の江川総合運動公園に隣接する地域だけですが、それ以外にも北側の計画施設に近い場所で有りながら離れて存在する久津間の土地や、滑走路に近いため整備範囲から除外される区域を駐車場等として利用するとか、市民農園として貸し出しを行えば、雑草の繁茂を抑制でき、不法投棄などの環境悪化を防止できるものと思います。活用する範囲を拡大する考えはないのか伺います。
 
 次に大綱2点目「市街化調整区域の土地利用について」の質問に移ります。市街化調整区域における地区計画制度を利用した土地利用については数多くの地域説明会の実施や長期にわたるパブリックコメントによって多くの人の意見を反映させながら本年10月に運用を開始しました。その運用状況に関し3点の質問を行います。
 最初に制度運用後の具体的な動きについて伺います。まだ制度が始まったばかりではありますが、制度設計中に多くの声が寄せられているので、運用後にも何か具体的な動きが生じているのと思われますが、現状を報告願います。
 2点目に、今回の制度を条例化することに関して伺います。都市計画法で市街化を抑制するべき場所として位置づけられる市街化調整区域で、地区計画制度を利用するとはいえ、開発を認める制度となるので、基本的な事項は議会が定める条例とすべきと思います。もちろん運用の細部は要綱としても、条例化することにより法的に強い行政指導が可能と思いますが、そのような検討はなされたのか伺います。
 3点目として、従来の制度を何時まで継続するのか伺います。従来の制度である平成13年12月21日に制定された「木更津市の市街化調整区域における開発行為等の基準に関する条例」では市街化区域から700mの範囲で40以上の建築物が連たんしている地域での開発行為が緩和されています。この開発条件は今回の制度に比べ制限が少なく、調整区域への滲み出しによる乱開発を招くことが危惧されております。そのため、より計画的な都市化の進展を誘導するために、今回の制度の周知期間を経た後には従来の制度を廃止するべきものと考えますが、当局のご見解を伺います。
 以上で第一質問を終了します。
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<石井教育部長>
 私からは、大綱1、自衛隊周辺土地の有効利用について、中項目1点目「江川総合運動公園整備の進捗状況について」の5点のご質問にお答えを申し上げます。
 始めに、小項目1点目「調査は何処まで進んでいるのか」と小項目2点目の「詳細設計や工事完成の時期の見通しは」については関連がございますので一括してご答弁申し上げます。防衛省北関東防衛局では、当該自衛隊周辺土地の利活用に係る検討の資料とするため、市が平成20年度に作成をいたしました江川総合運動場用地拡張基本計画の中で示しております計画用地を対象として、平成22年度に土質等の調査を行いました。当該調査の結果、従来から懸念されていたとおり、当該計画用地は、地盤が非常に軟弱であり、液状化の危険度が高い地点があり、また、地下水位が高く、かつ、排水が悪いことなどが判明をしたところでございます。その後、同局は、当該調査の結果を踏まえた用地造成基本検討調査といたしまして、当該計画用地における法規制等の条件の整理、造成計画、雨水排水計画、圧密沈下の検討、概算工事費等に係る事項について、平成22年度から本年度にかけまして調査を行いました。その結果、当該計画用地は、木更津飛行場の着陸帯相当内、進入表面相当下及び転移表面相当下に所在をしており、造成計画の策定に当たっては、同飛行場の安全な運用の確保から空域制限への考慮及び、雨水の流出を抑制するための調整池の設置が必要であるなどの調査結果が得られたとのことであります。
 防衛省北関東防衛局としては、これまでの調査結果を参酌しながら、自衛隊周辺土地において整備することが可能と思料される具体的な施設及びその配置等について、本市との間で協議を行い、かかる協議が調った段階で、平成23年度予算を用いて、施設の整備の可否等を判断するための敷地造成等に係る詳細な調査を行う予定であると伺っております。市といたしましても、同局に対しては、平成23年度中に詳細調査に入っていただけるよう協議を整え、事業の実施を図って参りたいと考えております。施設の具体的配置や各施設の規模・規格等につきましては、今後、防衛省北関東防衛局と協議をしていく中で見えてくるものと考えております。また、今後進めていただく、詳細調査が終了し、防衛省から整備内容等が示されれば、ある程度の工事着工や完成時期が見えてくるものと考えております。
 次に、市の基本計画どおりに整備が可能なのかとのことでございますが、防衛省北関東防衛局において計画の検討を進めたところ、木更津飛行場の空域制限を最優先かつ十二分に考慮する必要があることや、調整池の設置を考慮する必要があることなどの見直しが行われ、それを元に提示されましたイメージ図である素案では、平成20年度に市が作成しました基本計画での整備区域の範囲及び各種競技場の設置イメージまでには届かないものと考えております。市といたしましては、江川総合運動場の拡張整備については、防衛省が行える整備内容に市で実施する整備内容を加えながら、基本計画に示している整備内容に少しでも近づけていきたいと考え、防衛省作成のイメージ図である素案を元に事務レベルの折衝を進めておりますのでご理解を賜りたいと存じます。
 次に、施設建設に市の負担が生じる可能性は有るのかとのことでございますが、今後、同運動場の拡張整備には、市で行う事業も加えて整備を進めていきたいと考えておりますので、市の負担も生じて参るものと考えております。
 次に、進入路や域内道を先行整備すべきでは、とのことでございますが、進入道路の整備に当たっては、江川総合運動場拡張整備に係る諸事業の中でも、先行すべき事業であると認識をしておりますので、早めに進入道路の位置や幅員等を関係部・関係機関とも協議いたしまして、進めていきたいと考えておりますのでご理解を賜りたいと存じます。
 私からは、以上でございます。
 
<鶴岡企画部長>
 私からは、まず、大綱1「自衛隊周辺土地の有効利用について」中項目2「広域防災拠点誘致の市の取組状況」についてお答え申し上げます。
 初めに「広域防災拠点を誘致する考えは有るか」につきましては、今年3月11日の東日本大震災を受けまして、陸上自衛隊木更津駐屯地の存在とともに、広域防災拠点の重要さを痛切に感じたところでございます。また、東京都江東区の有明地区、対岸の川崎市東扇島地区にございます、国の基幹的広域防災拠点等の連携を踏まえ、本市におきます広域防災拠点の有用性も認識しているところでございます。したがいまして、先の答弁にございました平成23年度北関東防衛局の調査結果等を踏まえた江川総合運動場整備計画との整合を執りながら、本市におきます広域防災拠点の誘致について検討して参りたいと考えております。一方で、他自治体の防災施設を視察するとともに、関係団体を通じ、国へ基幹的広域防災拠点の設置も要望しているところでございます。今後も国等に対し働きかけをして参りたいと考えております。
 2点目の「防災拠点機能に対する自衛隊の意見は」ということでございますが、現段階におきまして、具体的な情報も少ないことから、自衛隊の意見としてお答えすることは出来ない、とのことでございましたが、広域防災拠点の設置に関しましては、自衛隊としては、木更津駐屯地が飛行場等の機能を有することから、部隊の運用に影響がないことが前提と認識しているとのことでございました。
 3点目の「防災拠点に対する今後の取組はどうか」についてでございますが、本市といたしましては、広域防災拠点の重要さを認識しておりますので、国内の他事例を引き続き調査、研究するなどして、本市におきます広域防災拠点について検討して参りたいと考えております。
 続きまして中項目3「自衛隊周辺土地の周囲の整備方針」についてお答えいたします。有効活用されない周辺地をどうするのかということでございますが、防衛省が管理しております自衛隊周辺土地につきまして北関東防衛局からは、今後、当該土地の使用について木更津市から、個別具体的な要望があれば、関係機関とも調整しつつ、適切に対処していただけるとお話をいただいておりますので、平成23年度北関東防衛局の調査結果等を踏まえた江川総合運動場整備計画との整合性を執りながら、自衛隊周辺土地の更なる有効活用について、引き続き検討して参りたいと考えております。
 以上でございます。
 
<小川都市整備部長>
 私からは、大綱2「市街化調整区域の土地利用について」、中項目1「土地利用方針を決定後の運用状況」について、お答えいたします。
 まず、「制度運用後に具体的な動きは有ったか」についてですが、10月1日からの本制度の運用開始について、市民の皆様へ広報紙でお知らせするとともに、定例記者会見で記者発表いたしました。そして、いくつかの報道機関において「市街化調整区域の土地利用に関する先進的事例」として紙面に掲載していただいたところでございます。その結果、不動産関連と思われる方々たちから幾つか問合せがございまして、制度についてご説明をさせております。その他、県内の建設不動産関係の団体へも説明を行うとともに、窓口でも概要版を配布し、制度についてのPRを行っているところでございます。また、地域における地区計画策定の動きですが、いくつかの地域で、制度の勉強会が行われ、職員が説明に伺っております。制度の運用開始から日がまだ浅いことから、現時点で具体的な地区計画の提案までにはいたっておりませんが、引き続き制度が活用されるよう支援するとともに、制度のPRを行っていきたいと考えております。
 次に、「今回の制度を条例化すべきではないか」についてお答えいたします。地区計画のガイドラインを条例に位置付ける必要性は十分認識しているところでございます。都市計画審議会においてもご説明させていただきましたが、しばらくは、本制度の使い勝手を見極めたいと考えております。今後は、「宅地開発指導要綱」の条例化の検討と合わせ、本制度の条例化について検討してまいりたいと考えております。
 最後に、「従来の制度を何時頃まで継続するか」についてお答えいたします。従来の制度とは、都市計画法第34条11号に基づく条例により、市街化区域から700mの範囲で、40戸の連担性がある市街化調整区域では、住宅の開発が可能となっており、議員ご指摘のとおり、この制度が市街化調整区域の一部の地域でのスプロールの一因となっていると認識しております。市街化調整区域の土地利用方針に基づく地区計画制度の策定にあたり、当然11号条例の廃止について検討しております。しかしながら、各地区で行った説明会でのご意見や意見公募において、11号条例の存続の要望もあったことから、現在、廃止には至っておりません。11号条例の廃止につきましては、それなりの周知期間が必要であるとともに、地域によっては、必要とされている地区もあることから、地域の実情も踏まえ、検討して参りたいと、そのように考えております。
 私からは、以上です。
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 答弁有り難うございました。それでは一問一答に移らさせていただきます。最初に、中項目1点目の江川総合運動公園の進捗状況についてお聞きします。防衛省北関東防衛局における見直しの中で、空域制限に対する配慮や調整池の設置が必要となった、という回答がありました。それは整備面積が狭まった、という事と思います。すると施設整備エリアが限られてまいりますので、施設数が減るものと思いますが、防衛省作成のイメージ図である素案における、野球場・サッカー場・テニスコート・陸上競技場等の施設数は、それぞれ幾つなのか伺います。
 
 現段階といたしまして示されているイメージ図案は、野球・サッカー・陸上競技等ができる広場の整備となっております。その図案の中では、野球ができる広場が1面、サッカー競技ができるような多目的広場が1面、陸上競技ができる広場1面となっております。また、陸上競技ができる広場では、フィールド部分でサッカー競技が可能なものとなっております。
 
 本市で作成しました「基本計画書」では、先ほども言いましたが、野球場2面、サッカー場2面、多目的広場と陸上競技場、さらにテニスコート2面という考えでありましたので、およそ半分程度に減らされたイメージ図が防衛省より提示されたという事が解りました。防衛省の予算が制約される中での事とは思いますが、市として、総合運動公園としての整備を進める、という視点で、防衛省で造られない、その不足分を補うなど、将来型を検討していく考えはあるのか、伺います。
 
 市といたしましては、防衛省が行う整備事業は、江川総合運動場の拡張に向けた第一歩の事業として捉えております。この事業を防衛省で、まずは実施をしていただき、同事業で実施できない部分の整備につきましては、市の事業としての整備を行い、様々な条件がある中ではございますが、少しでも基本計画の整備内容に近付けた施設の設置を目指して行きたいと考えております。
 

 解りました。防衛省のイメージ図という事が提示されていると思いますが、それを基地対策特別委員会等に提示できないのは、また事務レベル協議が続いている為とは思います。それを早急に協議を取りまとめないと、当初の回答にありましたように、平成23年度予算で施設の配置などの詳細部分の調査が行えないのではないか、と思いますが、そのように協議を急ぐ必要があると思いますが、今後の予定はどう考えているのか、お伺いします。
 
 市といたしましては、今月中にも防衛省北関東施設局と協議の場をもちまして、かかる協議を調え、早めに詳細な調査に入っていただけるよう、お願いをして行く予定でございます。

 
 今月中に協議行うという回答でありましたが、基本計画書の策定の段階では野球連盟やサッカー協会など、各種スポーツ団体と協議して策定して来たという経緯を考えますと、防衛省のイメージ図に対する市の回答を確定してしまう前に、各種団体と協議を行うことが重要ではないかと思いますが、執行部の見解をお願いします。
 
 まだイメージ図案が示された段階でございまして、今後、更に事務レベルでの協議を進める中で、各種スポーツ団体とも協議をして参りたいと考えております。
 
 各種団体の意見を聴くという回答でありました。それも重要だと思いますが、やはり市の回答を行う前にもう一つ、議会や地元、これらにも情報が提示されるべきものではないかと思います。事務レベルで有る程度まとまった意見を、我々の方に示せるのはいつ頃に成りそうなのか、行程について再度確認したいと思います。
 
 防衛省との協議を調え、詳細調査に進んでいただき、その後、皆様にお示しできる、ある程度の整備方針、具体的な施設の配置案等が見えてくれば、早めに、議会や地元の皆様にも情報を提示して参りたいと考えております。また、協議を重ねる中でも、早めに情報を示せるよう調整を図って参りたいと考えております。
 

 今言われましたように、協議を重ねる中で出来るだけ早めの情報を示せるよう、調整を宜しくお願いします。
 次に市の負担についてお伺いいたします。施設を造るため、市で行う事業も加えて整備を進めるなかで負担も生じてくるのではないかと回答がありました。当初の整備方針である全額国費ということとは、基本的な枠組みが異なってきたものですが、この負担額は第4次3ヶ年計画には含まれていないものと思います。第一質問でも申しましたように、本年度よりヘリコプター部隊の所属する基地に対しても特定防衛施設周辺設備調整交付金が支給されるようになりました。当初計画に無い歳出が想定される一方で、計画に無かった歳入も発生していることから、その一部に相当する額を影響のある地域での整備に回すと考えますと、財政計画には大きな変更が生じてくるものでは無いと思いますが、当局のご見解をお願いいたします。
 
 ご指摘の趣旨は、特定防衛施設周辺整備調整交付金を他の事業に当てて、浮いた一般財源分を江川総合運動公園拡張事業に投入できるのではないかとのご質問かと存じます。しかしながら、江川総合運動公園拡張事業につきましては、現在、プラン上、財政的な位置づけがされておりませんので、今後事業が進展し、整備内容が具体化した段階で検討していきたいと考えております。なお、浮いた一般財源を回すという考えではなく、必要な事業に必要な予算措置をすることについて、総合的に判断していきたいと考えているところでございます。
 
 総合的な判断というのも当然かとは思いますが、ただ今年より支給されることになった先ほど申した交付金ですが、これはヘリコプターの騒音で影響を受けている自治体に支給されるという意味を考えますと、直接に一番大きな被害を受けております、吾妻・中里・江川・久津間・畔戸のような直接の被害を受けている所に優先的な配分を行うという事も念頭に置いてご検討頂けたらと思います。
 最後に進入路の整備についてお伺いします。現在の江川総合運動公園の利用者の利便向上でなく、防衛省が行う整備工事の進入路としても広い道が必要と思われますが、これから事業に取りかかったときに、防衛省の事業に間に合うのか、私は心配しております。そこで、都市整備部長の方に伺いますが、用地購入を前提として約150m程度の道路を建設する場合、事業着手から完成までに要する一般的な期間はどれ程なのかお答え下さい。
 
 一般的なお話でございますけれども、道路のまず計画・設計それと測量、そして用地取得、そして工事着手という事ですので、概ね3年から4年ぐらいはかかるのではないかな、と考えております。
 
 次に教育部にお伺いします。防衛省と市の協議が整い、工事に着手されるのは、最も早い段階で何時頃に成るのかと想定されるのか、お伺いします。
 
 本事業の実施は、防衛省で行う事業でもあり、私どもといたしましても、1日でも早い着工を望んでおりますが、先ほど、ご答弁申し上げましたとおり、詳細調査もまだ残っており、その調査結果も出ていない現状ですので、工事の着工年度を想定することは大変難しいものとなっております。本事業の実施に向けましては、今後とも防衛省に対し、きめ細かな折衝を進め、事業の早期実現に努めて行きたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 
 教育部としては、具体的な時期は示せないようですが、今回行うものは大きな構造物もない、単なる造成工事という事で有りますし、また用地も既に買収済みの防衛省の土地で有ります。来年度の調査や設計が終わりますと、それを元に平成25年度に概算の金額が確定し、そこの中で予算要求が行われ、それが通った場合は平成26年度には、もう工事に掛かれるのではないかな、と私は推察する所では有ります。が、そうすると26年度に進入路として使用する可能性が出てくることになります。先ほど都市整備部長から回答がありましたように、これから3〜4年掛かるという事で有りますと、ちょっと間に合わないのでは無いかと思います。で、市が道路を整備していないので防衛省はまだ工事に掛かれない、とか言われませんように周辺整備には早急に取りかかるべきものと思いますので、そういう点でのご検討を頂けますようお願いし、中項目2点目の方の質問に移らさせてもらいます。
 中項目2点目の広域防災拠点誘致の市の取り組み状況について再度お聞きします。先ほどの回答で、重要性を痛切に感じ、国に対し働きかけをしていくという事で有りますので、それは私と考えが一致するところであります。しかし、先ほどに有りましたように江川総合運動公園整備計画が縮小されている中では、この整備計画の縮小により残された土地を活用し、非常時には防災拠点として使用することを前提とした公園整備という形で防災拠点を整備することで、当初の予定で達成できなかった総合運動公園の不足分を補うことができるのではないかと考えます。
そのように運動公園整備を拡大するような方向で防災拠点整備を一体的に考える事についてはどのようにお考えなのか伺います。
 
 整備計画の縮小により残された周辺土地を活用して、運動公園整備を拡大するような方向で防災拠点整備を一体的に考えたらどうだ、ということでございますけれども、これにつきましては国内の、先ほど申しましたように他の事例を引き続き調査、研究するなどしまして、平成23年度の北関東防衛局の調査結果等を踏まえた江川総合運動場整備計画との整合を検討して参りたいと考えております。
 
 宜しくお願いします。第2点目についてですが、自衛隊の意見としてお答えすることが困難であるという回答でした。確かに具体的な話でなくて、現段階では情報が少ないものというのは解ります。そこで、今後の取り組みについて再度お伺いします。回答では有り方について必要な検討を進めるということでございました。木更津では防災の中でも医療・避難・物資配送など数多くの機能の中で何を担当するべきか、その方針を決めるための具体的な調査に取り掛かることが必要と考えますが、そのような作業に取り掛かるお考えはあるのか伺います。
 
 本市におきます防災拠点の方向性につきましては、国の基幹的防災拠点等を参考として、様々な機関との関係におきまして、今後の状況を見極めながら判断して、誘致に向けて頑張りたいと考えております。
 
 国・県・市、また自衛隊等係わる難しい事業でございますので、なかなか進めるのも大変かとは存じますが、市の方で有る程度イニシアチブを取り進めていって頂けたらと思いますので、宜しくお願い致します。
 中項目3点目の質問に移ります。有効活用の予定のない土地についてということですが、周辺財産の活用策のひとつとして、江川総合運動場の北側、久津間地区に有ります周辺財産を江川総合運動場の利用者の利便性を高めるために駐車場として、整備するようなお考えはないのかお伺いします。
 
 久津間地区の周辺財産を駐車場として整備する、という事でございますけれども、先程来申し上げておりますように、北関東防衛局の調査検討結果を踏まえながら、江川総合運動公園の規模や位置等を踏まえ検討して行きたいと考えております。
 
 協議の方を宜しくお願いします。周辺土地について色々言わさせていただいている所ですが、総合運動公園を整備した時に、整備されなかったところが見通しのきかない雑草の原野に成るような状況が近隣に広がる状況は美観の上からも如何なものかと思いますし、先ほど申したように不法投棄や枯草火災などの心配が残ることになります。
 冒頭に経緯を説明させていただきましたが、現在は雑草だらけの荒れている土地ではございますが、50年前には江川や久津間の住民が生活を営んでいた所でございます。国策により手放した故郷が無策のままに放置されていることに対して心を痛めている住民が多く有る事をお考えいただき、有効活用の予定がない土地を、例えばですが、市が広場としてお借りして、それを市民農園として再度貸与することで賑わいを起こすとか、雑草を抑制するため山羊とか羊等の草食動物を放すなどして、少なくとも現状の荒れたままでなく、それの改善を目指す事も念頭に置いていただき、今後の防衛省協議を進めてもらうことを要望としてお願いしまして次の質問の方に移らさせていただきます。
 大綱2の再質問ですが、調整区域の制度運用を始めて、問い合わせは有ったものの、まだ具体的な計画提案に至る事前相談等は無いという事でございました。今回の制度により調整区域でも計画的まちづくりが進み、農村集落の活性化が図れることを期待しておりますので、今後の展開を期待したいと思います。
 次の条例化についてお聞きしますが、今回、市街化調整区域を7つのゾーンに分け、それぞれのゾーンにおける地区計画のガイドラインを示しておりますが、守るべき数値や基準等が条例化しない場合でも、それを確実に指導できるものなのか伺います。
 
 市が地区計画の案として受け付けるものは、土地利用方針やガイドラインに沿ったものであり、更に決定に至りましては都市計画審議会に都市計画の案として諮問し、委員の皆様にご審議いただきます。このことから、ガイドラインに沿った内容の地区計画となるよう指導出来るのではないかと考えております。ただし、先ほどご答弁申し上げましたように、本ガイドライン等の条例化については、やはり必要であると考えておりますので、本市がまだ条例化に至っていませんけど、宅地開発指導要綱の条例化に合わせまして、条例化の検討をして参りたいと考えております。
 

 解りました。現在のように取り敢えず条例がない場合でも、地区計画の決定という行為があるので十分指導できると、しかし市としては宅地開発指導要綱ともども条例化を目指すという考えは解りました。宜しくお願いしたいと思います。では、今回のゾーンにおけるガイドラインの基準を満たさない場合で、先ほど従来の条例と言っていました「木更津市の市街化調整区域における開発行為等の基準に関する条例」、所謂11号条例と呼ばれているものですが、そちらの方で申請があった場合は、今回のゾーニングの基準を守っていなくても許可を行うことになるのか、その点についてお伺いします。
 
 現在11号条例が生きておりますので、11号条例に定められている、市街化区域から700mの範囲で、半径150m内に40戸以上の建築物が連たんしているという要件を満たした区域において、住宅・共同住宅・併用住宅の開発行為であって、それが都市計画方における技術基準を満たしておれば、それは許可になる、ということになります。
 
 許可を行うということではございますが、建築に関する基準を今回のガイドラインと11号条例で比較しますと、どちらが容易に着手できるものなのかお伺いします。
 
 先ほど申し上げましたように11号条例が適用されている区域におきましては、住宅・共同住宅・商店と住宅の併用住宅など、この限定されたものにつきましては、11号条例の開発許可のほうが、現制度では容易に開発できると考えられます。
 
 そうしますと、現在の条例で容易に許可を得られるので有れば、敢えて時間の掛かり手間の掛かる地区計画の策定を目指すものが少なく、結果として都市近郊の無秩序な開発の抑制とか、農村部の活性化を行うという目標を達成することが難しいのではと私は危惧している所でございます。説明会における地区の方々のご意見や意見公募におきまして、現在の11号条例の存続についての要望があったという事も解りますが、大きな問題が発生する前に、見直しについて着手すべきものではないかと思います。なお、この様に並立する制度が有る場合、新制度の周知期間や移行期間というものが必要かと思いますが、それは一般的にどの程度必要とされているものなのかお伺いします。
 
 まず今回の土地利用方針及び地区計画のガイドラインの趣旨でございますけれども、本市の市街化調整区域において、長年中心的な集落として存続していた地域であっても、なかなか開発が出来ず、人口が減ってしまっている、地域がどんどん衰退するという所を活性化させるために、本制度、ガイドラインを作成したもので有りますけれども、市街化調整区域の全区域に置いて、11号条例が全て適用を受けられる状況に成っていないことから、先ほどの趣旨に鑑みて、本制度を活用して地区計画をやるということは必要なのかなと思います。
 また先ほどお話ございましたように、11号条例の廃止につきましては、確かに問題が生じております。ただ市といたしましては、この11号条例によってスプロール化が生じて大きな問題になっている地区というのは大変限定的であると考えております。この地区に着きましては本制度、地区計画というものもございますけれども、市街化区域編入をして、市街地整備を行うなど、他の手法によってスプロールを停め、市街地を誘導していく方が市の発展のためにも、またスプロール防止のためにも有益ではないかと考えております。今後スプロール防止策と開発の誘導策を合わせて検討してまいりたいと考えております。
 また、ご質問がございました周知期間でございますけれども、一般的な法律の改正に基づく周知期間というものは、概ね1年程度というものが多い、と考えております。
 
 有り難うございました。今の回答にありましたように、確かに問題になっているのは市内全域という事ではなく、ごく一部の範疇かと思います。確かに、この11号条例によって岩根地区では人口の減少に歯止めが掛かっていた事も事実ですし、それなりの効果もあった事は私も認めています。しかし、先ほど言ったように、数年先に計画的に社会資本を整備しなかったつけが回って来て大きな問題が生じたり、禍根を残すことがないようにと危惧しながら、今回の質問はさせていただきました。執行部の皆様には必要に応じて厳しい決断に成るかと思いますが、廃止等のことも念頭に置いていただき、それらの検討を進めて頂くことをお願いし、本議会におけます私の質問を全て終了します。