建築物の維持管理について・他 (平成24年6月定例議会)
 議場の皆様。こんにちは。会派羅針盤の近藤です。3月の代表質問では資料を使用しませんでしたから、今回は多くの資料を用意いたしました。細かい文字が多くて申し訳ございませんが、ご理解いただけますよう宜しくお願いいたします。それでは通告に従い、大綱3点について質問させていただきます。
 最初に、大綱1点目として「建築物の維持管理について」伺います。
上下水道や公園などの社会資本、いわゆるインフラをどの様に更新していくかということは、本市だけでなく、全国的な問題となっております。
私は平成20年9月の議会質問で「土木財産の維持管理について」質問を行い、適切な維持管理計画が必要であることを問題提起いたしました。土木的財産は、都市整備部の所管課で、機能別に管理され、今年度は橋梁や公園など、多くの項目で長寿命化計画の策定に向けた全体的な維持管理計画の立案が進められております。しかし、市が所有する建築物については、用途別に複数の課で分散的に管理されているため、その財産の状況に関するデータは一元的に集約されておりません。全体的な維持管理計画を立案する部署も存在しておりません。市役所本庁舎の老朽化に伴う、庁舎建設基金条例も制定されましたが、本市が所有する建築物は庁舎以外にも数多く存在いたします。
 最初に資料の1頁目をご覧下さい。この表は総務部管財課、教育部施設課、都市整備部建築住宅課等の協力を頂き、床面積が30uより少ない建築物を除外した443棟の面積を、完成年度と用途別に集計したものです。本市の所有する建築物の面積は合計約29万55百uとなりました。なお本庁舎の面積である9,151uは木更津駅前西口立体駐車場の10,160uに次ぎ本市で2番目に大きな建築物ですが、合計面積の3.1%であり、新庁舎の規模と言われる15,000uでも5%を占めるに過ぎません。
 これらの更新に必要な事業費を、最近の建築工事である第3中学校を参考に求めてみます。第3中学校校舎の面積は4,978uであり、決算額は11億6525万円なのでuあたり単価は約23万4千円となります。これを先ほどの合計面積に掛けますと事業費は約692億円となります。第3中学校の決算額には設計費や解体費を含んでいない事や、構造形式がRCより安い鉄骨造で有った事、建築工事の落札率が85%であった事や、発注規模が小さくなると経費が増え単価が高くなる事などを考えると、実際には1千億円程度が必要に成るものと思われます。仮に、それを50年で全てを更新すると、毎年20億円程度の建築事業費を要することになります。因みに新庁舎の想定規模が15,000uで70億円と言われていますが、この場合のu当たり単価は46万7千円で第3中学校の、ほぼ倍となります。
 次に、1頁捲っていただき、資料の2頁目をご覧下さい。これは先ほどの資料1をグラフにしたものです。市役所が建設された1970年頃を中心に、その前後で多くの建築物が建てられている事が明確になりました。1959年以前の建築物の中には昭和3年に建設され83年が経過した金田小学校の校舎も有りますが、それ以外は全て1955年以降に建設され、経過年数が60年以内のものと成っております。なお、この経過年数の加重平均を求めてみましたところ、32.2年となりました。バブル崩壊後の財政難では、歳出を抑制しつつ、土地開発公社の負債の返済を行ったことで財政再建を進めた事は高く評価されますが、これからは、維持管理や更新に要する費用を抑制することが難しい事が、グラフから読みとることが出来ます。
 このように厳しい財政状況の中でストックの老朽化という問題を抱えている自治体は本市以外にも数多くありますが、取組の先進事例として千葉県佐倉市があげられます。
 篠崎議員が昨日の質問の中でも話しておりましたが、5月7日に私を含む十九の会の7名で佐倉市に行き、小規模特認校制度の視察の前に、資産管理に関する取組も視察して参りました。
 佐倉市では、分散していた管理体制を一元化する目的で、建築指導課・管財課・営繕課及び企画政策課の指定管理担当業務を再編統合し平成22年6月より『資産管理経営室』を市長の直属組織として配置しておりました。その組織では、持続可能な自治体を目指し、施設規模の適正化を進めるとともに、公有財産の管理・活用の促進と情報収集・整理・分析を行い、情報の可視化により無駄を発見し経費削減を進めておりました。具体的な例としましては、消防署の減築、データによる漏水の発見、保育園の建て替えに伴い他部署の所管財産との交換による事業費削減、ESCO事業やネットオークションの導入など、与えられた強い権限と細かな成功実績の積み重ねで、自信を持って効率的な事業展開を進めており、今後は建築物の削減が課題と申しておりました。この取組は、施設や環境といった「ファシリティ」を総合的に企画・運用・活用する事で、「ファシリティマネジメント」と言われており、多くの自治体で取組みが始められております。
 そこで、最初に中項目1点目として「建築資産の一括管理」に関して質問します。市役所の建て替えだけでなく、数多くの建築物の更新を迎えるにあたり、このような制度の導入が必要だと考えられますが、執行部としては今後、どの様に取り組んでいくのか、本市の取組について、お考えをお示し下さい。
 次に中項目2点目として「担当職員の人材確保」に関して質問します。
近年、実施している学校の耐震対策により、小中学校については構造の強化が図れ、延命をすることが可能になっていると思われますが、それでも、今後は数多くの建築物を更新すべき時期が訪れることは明かであります。それに対応する市役所職員の人材確保が今後の大きな問題であると考え、お聞きします。
 資料の3頁目をご覧下さい。現在の本市の職員を年齢別、職種別に一覧表とグラフとしてまとめたものですが、建築技師に着目すると、47歳から33歳までの15年間に、たった3名しかおりません。現在平均で32.2年を経過している建築物の更新時期が15年後頃に最盛期を迎えると思われますが、その頃にはそれに対応するベテラン職員が僅かしか居ないことが予想されております。同じように30歳前後の土木技師の不足も橋梁や下水道の更新に際して問題と思われます。昨日の鶴岡議員に対する答弁で、35歳までの各年代に20人を目安に職員をそろえたいという回答が有りましたが、専門職の人材確保も大きな課題と思います。
執行部の今後の取組について報告願います。
 
 次に大綱2点目として「市営住宅の活用策について」伺います。
 市営住宅は104棟有りますが、その全てが1976年、つまり昭和51年以前に建築されたものであり、本市の建築物の中でも老朽化が際立っております。
 配布資料の4頁目に示すように、現在の空室率は24.2%と、約1/4が空いている事に成っています。原因の多くは、老朽化により入居が困難になっているためであり、昭和39年以前に建築された団地では政策空屋として、新規募集を停止しているように、資産を充分に活用できておりません。その対策として、本年度には長寿命化計画を立案すると伺っていますが、市営住宅の更新を政策的に活用することを検討する場合、現位置に囚われず、大きな視点に立って斬新な考えを持つべきものと思います。
 例えば、公営住宅は過疎対策として活用する事が可能です。その事例としては長野県南部にある下條村が有名です。村営住宅を子育て支援として活用した結果、合計特殊出生率は2人を超え、15歳未満の割合も長野県内で最も高い村となり、人口も減少から増加に転じました。原因は、一部屋約60u、2LDKの間取りで2台分の駐車場がついて月3万6千円という村営住宅を124戸ほど用意した結果、若い夫婦が近隣市から移り住んできたためです。同様の政策は木更津市内でも地域の人口維持が課題となっている場所で導入すべきと思います。
 過疎対策だけでなく、コンパクトシティを表明する多くの自治体では中心市街地への人口集積策として市営住宅を活用しています。生活の利便性が高い市街地に交通弱者を誘導することで、郊外部の交通過疎の解決を図ると供に、夜間人口の増加によって市街地の活性化を目指しています。本市でも中心市街に土地開発公社が購入した財産が有りますので、そこに中高層の市営住宅を建てることは活性化に寄与すると思います。
 これらの政策は、民業に対する官業の圧迫という面は否めませんが、例えば福祉面に重点を置いて、貧困の連鎖を防止するという観点から母子家庭専用とするとか、保証人の得られない住宅難民対策にするなど、民間に出来ない特色を出すことで官民が両立出来ると思います。
 建設場所の検討以外にも、市営住宅の建築から維持管理を見直し、新たな取組を行うことで行政負担の軽減を図ることが可能となります。例えば建設にあたっては初期投資を低減する目的でPFIやPPP制度を導入することも検討の余地がありますし、民間住宅を借上住宅として認定することで、新規の建設を抑制する事も可能です。維持管理についても高知市などいくつかの市で導入している指定管理者制度を検討する事で市役所組織のスリム化が可能と思います。そのような観点から中項目2点ほど質問いたします。
 まず中項目1点目として「長寿命化計画の立案」に関して質問します。現在の作業の進捗状況をお示しいただくと供に、今後の進め方については、どの様な方法で何を課題として取り組む考えなのか伺います。
 中項目2点目に、「政策的活用の考え方」について伺います。先ほど説明したように、市営住宅の更新にあたっては、本市のバランス有る発展や、行財政負担の軽減につなげる事が可能と思いますが、その様に政策的な活用を行う考えはないのか伺います。
 
 最後に大綱3点目として「消防組織の再検討について」伺います。
 配布資料の5頁目をご覧下さい。表1に示すように、消防団員の条例定数は、富来田町と統合した翌年である昭和46年には850名でしたが、その後4回に渡り、現状にあわせた見直しが行われ、平成9年以降は663名となっています。しかし、実数の減少は定数の削減を上回る早さで進み、本年5月1日現在の充足率は87%まで低下しております。
 さらに表2に示すように、部単位で見ますと、39の消防団中、10箇所は充足率が75%を下回っており、その内の2箇所は定員の半分を満たすことが出来ず、満足な消防活動が難しくなっている現状があります。
 消防団員の担い手が減少する中で、充実強化を検討するため、消防団組織の中に特別委員会を設けて検討し、先月13日に行われた消防団幹部研修の中で「木更津市消防団の充実強化について」という答申が示されました。この答申では、入団促進の各種施策や、団員確保のため女性やOB消防団員の入団推進、機能別分団制度の提案などが行われております。また、これに先立ち、昨年11月には「木更津市消防団装備(車両)のあり方について」という答申も示され、その中には大災害の発生で隣接する消防団の連携が一時的に困難となった中でも独立して効果的な人命救助等を行えることを目標として、救助資材搭載型小型動力ポンプ積載車への段階的な移行を目指すという記載があります。これは消防団におけるポンプ自動車の廃止を目指していると読むことが出来ます。
 これらの答申が示された背景や現状を基に考えると、消防団組織についてどうあるべきか検討を行わねば成らない時期を迎えていると思われます。
 そこで、中項目1点目に「消防団組織の再検討」に関して、小項目5点を、お聞きします。
 1点目に、団員の待遇改善に関する問題について質問します。消防団員には報酬や出勤手当が支給されており、補償についても雲仙普賢岳噴火の頃より遥かに保険制度が充実しています。しかし、消防団からは、資材や衣服の購入などの地域負担が多いという声も聞かれ、さらなる待遇改善が求められています。現在の課題と今後の方向性はどう考えているかお示し下さい。
 2点目に、部の統廃合の指導について質問します。この件については3年前の9月議会でもお聞きしましたが、長年に渡って改善の見込みがない部については何らかの対応が必要と思われます。消防本部が先頭に立ち、地域へ統廃合を提案する考えはないのか、改めて伺います。
 3点目に、機能別分団について質問します。これは分団や部の系列の外に置かれることになると思われますが、求める役割や指揮系統の上では何処に位置付けられるものなのかお示しください。
 4点目に、消防団の定数について質問します。現在の定数の根拠はポンプ自動車の部で18名、小型ポンプの部で15名なので、車両が小型ポンプ積載車に変更になることで根拠も変わりますし、機能別消防団の設置等も有るので、定数を見直されるものと思いますが、消防本部のご見解をお示しください。
 5点目に、消防団車両の見直しに伴う財政効果について質問します。高額なポンプ自動車を小型動力に変えることで財政上の効果も生じると思われますが、その概要をお示しください。
 中項目2点目は「分署出張所の統廃合」について伺います。
 本市の消防組織は本署のほか長須賀・金田・富来田の3分署、波岡・高柳・清川の3出張所の合計7箇所で市内全域をカバーしています。近隣市の状況を見ますと、君津市は4箇所、袖ケ浦は3箇所でカバーしていますし、富津市は3箇所であったものを本署の移設に併せ富津出張所と統合し2箇所に縮小する方向と伺っています。この様に近隣市に比べ、本市の分署出張所の数は目立って多いものとなっています。
 分署や出張所が密に配置されていることで、現場到達の時間が短縮されるという消防力向上のメリットは有りますが、維持管理費のコストアップや職員のローテーションが厳しいという問題も生じています。配付資料の表3に示すように、長須賀分署と高柳出張所は敷地も狭く、車両や器具の手入れも難しい状態にある一方で、表2に示すように、それぞれを活動拠点としています3分団1部及び4分団7部には単独の詰所が無いという問題もあります。
 近隣市の状況を考えますと、この2箇所を廃止しても問題ないように思われますが、せめてこの2箇所を統合して新たな分署を設ける事で施設の総量を減らしながら設備の強化を行うと供に、現在の建築物を消防団詰所として分団に貸与する事で消防団組織の待遇改善になるものと思います。
 このように分署出張所についても、今後の有り方を考えるべき時期と思いますが、現在の課題についてどの様に認識されているのか、お伺いいたします。
 以上で第一質問を終了します。
  
 市当局の回答
 ※意味が変わらない範囲で部分的に言い換えたり省略をしています。
 
<大野総務部長>
 私からは、大綱1 「建築物の維持について」お答えいたします。
 最初に 中項目1「建築資産の一括管理について」でございますが、資産管理につきましては、昨年、議員からのお尋ねに対し、第4次行政改革大綱に基づく、行革推進計画に「公共施設の計画的な維持管理・更新手法の検討」を位置付け、先進自治体の状況把握の外、本市に導入可能な手法について検討を進めていく旨、お答えしたところでございます。今後の資産管理についてどの様に取り組んでいくのか、とのお尋ねでございますが、小中学校、図書館、公民館等多くの施設を抱える教育部につきまして、この4月に組織を一部見直しをし、施設課を設置いたしました。そして、先進地の状況につきまして、県内先進地の佐倉市を視察するなど、研究を進めているところでございます。本市は老朽化が進む施設が多く、その多くが更新時期を向かえつつあることは、議員、ご指摘のとおりでございます。佐倉市の状況を見ますと、ファシリティマネジメントの専属職員を26人配置しているといったこと。本市においては教育部財産を一元管理すべく新たに担当課を設置いたしましたので、この効果を見極めたいこと。など、本市の実情に良く合う手法をもう少し時間をかけて検討して参りたいと考えております。
 続きまして、中項目2点目、担当職員の人材確保として、技術職員が不足している事への対応についてでございますが、建築技師につきましては、議員ご指摘のとおり、中間年齢層が極めて少数となっており、公共施設の老朽化に伴う更新、小中学校校舎及び避難場所として位置づけられる屋内運動場の耐震化の推進などから、この対応が早急に必要であることは、充分認識しているところでございます。今後の職員採用につきましては、平成24年3月に策定いたしました「定員管理計画」による職員総数の枠組の中で行ってまいりますが、建築技師以外の職種も含め、総合的に勘案するとともに、採用年齢条件を引き続き、35歳までとし、実務経験を有する者の採用を図るなどの対応をしてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。
 
<小川都市整備部長>
 私からは、大綱2「市営住宅の活用策について」のご質問にお答えします。
 中項目1「長寿命化計画の立案」の1点目、「長寿命化計画立案に向けた進捗状況」について ですが、市営住宅長寿命化計画につきましては、5月16日に入札を行い、計画策定業務委託業務を既に発注し、策定準備に取りかかっています。また現在、庁内関係各課による計画策定検討会を組織し、計画策定作業の進め方等についての協議を開始したところでございます。現在、上位計画との整合、市営住宅の現状と実態の把握、需要の分析等に取り掛かっており、コンサルタントと連携し、作業を進めているところでございます。
 次に2点目、「体制や課題はどのように考えているか」についてですが、先程申し上げましたように庁内検討会を組織し、木更津市の市営住宅のあり方、今後の方向性を見定めるため、先進市の取り組み等の情報収集や市営住宅の需要予測、入居者アンケート等を実施していく予定です。今後、庁内検討やパブリックコメントを経て、木更津市にふさわしい公営住宅の計画書を策定したいと考えております。
 次に中項目2の「政策的活用の考え方」として、「市営住宅の更新を政策的に活用するか」についてですが、長寿命化計画策定にあたっては、単に市営住宅の存続維持を前提として検討するのではなく、民間住宅の借り上げ、施設統合や機能更新による建て替え、新設など、まずは本市にとって市営住宅がどうあるべきかを検討して行きたいと考えております。また、本市のバランス有る発展や、諸課題の解決策の一助として市営住宅の活用が有効で有れば検討する必要があると考えております。私からは以上でございます。
 
<須藤消防長>
 私からは、大綱3「消防組織の再検討について」のご質問にお答えいたします。
 中項目1点目の「消防団組織の再検討」についての、「待遇改善の課題と今後の方向性は何か」についてでございますが、団員の待遇を改善する方策として、報酬、手当ての増額等の見直しが考えられますが、高額な予算を伴うため、厳しい財政状況の中で課題として認識しております。市といたしましては、消防団活動をする上において、必要不可欠な詰所の建替えや消防車両の更新を計画的に実施するとともに、本来の活動に必要な防火衣や消防ホースなどの資機材について、できるだけ充足させ、少しでも活動しやすい環境を築いていくことが必要と考えております。
 次に、「消防団再編を本部から提案すべきでは」についてでございますが、消防団の各部の割り振りは、長年にわたりまして地域とのつながりが非常に強いため、その地域内で相談した結果として統廃合の提案をして頂きたいと考えておりまして、行政側からの働きかけではなかなかスムーズに事が運ばないのが現状でございます。また、行政から組織再編を提起することは、消防団の特性である地域に根ざした消防団を脆弱化してしまう可能性もございます。従いまして、個別の議論や相談には応じることはできますが、全体の見直し等について行政側が主体となって地域と協議することは、現在のところ控えたいと考えております。
 次に、「機能別分団には何の役割を求めるのか」についてでございますが、機能別分団には、昼間の団員不足を補うOB分団や、火災予防のPR活動や一人暮らしの老人宅の防火指導などを担っていただく女性消防分団、大規模災害時だけの出動や特殊な資機材を所有している団体の分団、大学生分団などがございます。このように機能別分団には、それぞれ多種に渡って多様な可能性を秘めており、個々の役割については、一般団員を補完するものとして期待しております。また、指揮系統では、団本部付けになろうかと思われます。
 次に、「車両変更等で消防団定数は変わるのか」についてでございますが、現在の消防団条例における定数が663名になってから15年を経過し、議員ご指摘のとおり、実数が年々減少傾向にございます。消防団車両の更新を消防ポンプ自動車から小型動力ポンプ付積載車に変更して行うことや、機能別消防団員の加入促進を図ること、一般団員の入団条件から年齢制限を撤廃して在勤在学を加えるなど、入団しやすい環境を整えることを考慮して、適正な団員定数に見直す必要が生じております。今後、消防団本部の中で組織しております活性化担当という部会がございますが、こことも協議を重ね、適正な定数を検討してまいりたいと考えております。
 次に、「車両の見直しに伴う財政効果はどうか」についてでございますが、消防ポンプ自動車及び従来型の小型動力ポンプ付積載車をすべて、今後導入予定の救助資機材搭載型小型動力ポンプ付積載車に更新する効果額を求めますと、車両価格は、消防ポンプ自動車が約1,600万円、救助資機材搭載型小型動力ポンプ付積載車が約850万円ですので、差額が750万円になります。現在、消防ポンプ自動車は14台ですので1億500万円の削減となります。一方、従来型の小型動力ポンプ付積載車は約750万円ですので1台あたり100万円の増額となり、現在の25台を更新いたしますと2,500万円の増加となります。差引で約8,000万円の削減になりまして、これを20年間で更新すると考えますと、年間で平均約400万円の削減となります。
 次に中項目2点目、「分署出張所の統廃合」についての「分署出張所の統廃合の検討を進めるか」についてでございますが、昨年の東日本大震災後に、国や千葉県が津波による浸水被害想定や液状化しやすさマップ等を発表しており、本市においても被害想定について検討をしているところでございますが、これによりますと、この潮見地区の海岸付近はあまりいい結果が出ていないのが現状でございます。そのため、分署出張所の移転・統廃合につきましての課題といたしまして、まず、この潮見地区にある消防本部庁舎の建替えや移転等を含めて、総合的に検討していくべきであると考えております。また、国から示されております消防力の整備指針によりますと、分署出張所の統廃合をしたとしましても、本市の必要とする消防ポンプ自動車の台数に変更がございませんので、これに張り付く人員も減らないものとなります。従いまして、分署等の統廃合につきましては、配備する消防ポンプ自動車の必要台数のバランスや地域特性も考慮して、検討していくことになると思われます。
 
一問一答
 ※質問と市の回答は文字の色を変えています。省略や言い換えも有ります。細部が気になる方は、市議会のHPで議事録を参照して下さい。
 
 答弁有り難うございました。それでは一問一答に移ります。
 最初に、大項目1点目の「建築物の維持管理について」お聞きします。
 本市の実情に良く合う手法をもう少し時間をかけて検討して参りたいと考えていうという回答がありました。私も来年度当初から組織の改編に早急に取りかかる事を求めている訳では有りません。ただ、学校耐震化事業の次には、全体の維持管理や更新という大きな課題が見えている以上、取組に向けて検討を開始すべき段階に来ているのでは、と思って質問をしております。そこでお聞きしますが、次期長期計画の中で取り組む課題として認識されているのか、改めて伺います。
 
 平成26年度までを計画期間といたします木更津市第4次行政改革大綱において公共施設の計画的な維持管理・更新手法の検討として、位置づけしており、その実現に向け、取組んでおりますので、引き続き検討すべきものと認識しております。
 
 認識していると言うことなので宜しくお願いします。
 先ほどのグラフに出ているように、この建築物の建設時期のピークは、新日本製鐵君津製鉄所の進出に伴う人口増加に対応してインフラを増やした頃と一致いたします。私が決算ベースの『普通建設事業費』というものを調べました所、1969年には一般会計の62.32%を占めていました。その後は年々減少し、2006年には5.95%という最小値を記録した後、耐震対策事業の推進に伴い増加に転じまして2010年の決算では12.95%でした。
 昔のように6割を建設事業に充てるのは、流石に無理だとは思いますが、今後は再び大きな需要が生じると考えられます。現在の財政状況では、どの程度まで普通建設事業費を増やすことが可能なのか、財務部にお伺いします。
 
 普通建設事業費は平成20年度を契機とし、金額的にも比率的にも増加してきているところでございます。その要因といたしましては、児童生徒の安全安心を考えた学校耐震化対策に加え、近年の急激な人口増加に対応する小学校や保育園の建設事業など、喫緊の課題に対処するための投資に加え、地域活性化に向けた国からの交付金を有効活用し、様々な事業を優先、集中的に実施してきたことが大きな要因と考えております。一方で経常的経費であります扶助費は年々大きな伸びを示し、削減することも難しいことから、投資的経費に回せる予算は限られたものとならざるを得ない状況となっております。
 どの程度まで普通建設事業費を増大させることが可能か、数字として見通しを示すことは非常に困難でございますけれども、今後も学校校舎に加え、体育館の耐震対策など普通建設事業の実施の必要性は、引き続き高いものと認識しておりますので、しばらくは現状程度の水準で推移するものと考えております。
 

 投資的経費に回せる予算がしばらくは現状程度と、限られたものになるものである以上、やはり計画的に建築物の更新事業を進めることが重要になりますので、最初の質問で私が試算した年間20億円というのは建築物の更新に要するだけの費用ですので、道路とか公園などの土木的財産を含むと、さらに大きな30とか40とかいう金額が必要となってくると思います。建築物も一元管理の元で、グラフのピークの山を上手く平準化するよう、長期計画を立案することが望まれます。
 さらに一段高い視点で市の所有する財産のスリム化を目指すべきと思いますので、行政改革の一環として、個々の建物の必要性の照査や、一つの建物に機能を複数与えることが可能かなどを検討していただければと思います。
 先ほどの答弁で、教育部の財産を一元管理すべく新たに担当課を設置した旨の回答がありましたが、教育部施設課では耐震設計の内容の照査とか工事発注業務も行っているのか、お伺いします。
 
 耐震設計業務の内容の照査については、都市整備部営繕課に設計・監督業務を依頼をしております。また、工事の発注業務も行っているかとのご質問でございますが、図面・設計書の作成につきましては、都市整備部営繕課に、これを依頼しております。また、工事の施工内容を照査する工事監督業務に付きましても、同じく営繕課に、これを依頼しております。従いまして、技術的・専門的な内容につきましては、現在の所、営繕課にお願いをしているということでございます。
 

 技術的・専門的なことは営繕課にお願いしていると言うことでございます。教育委員会所管の建築物の維持管理から更新までの全てを施設課で完結できている事ではないようなので、まだ一元管理の段階までは進んでいないと言うことと了承いたしました。
 そこで今度は現在の営繕課の業務体制と業務量について、都市整備部の方にお聞きいたします。今議会には学校耐震に関する補正予算が上程されておりますが、それの追加によって、現在の業務量がどのように変わるのか、お答え下さい。
 
 今年度の営繕課の業務体制と業務量について、まずはお答えします。営繕課は、現在課長を含め9名体制で業務を行っております。業務量につきましては、現在、工事については38本、業務委託につきましては、設計・耐震診断・、地質・工事監理等の業務委託、計33件でございます。そして、今議会に上程中であります補正予算が議決となりますと、さらに設計業務委託・地質調査業務委託、計8本が加わりまして、業務委託の数が41本になります。
 

 工事が38本と33本の業務委託が有る所に補正予算で8本が加わって、合計79本になるという事のようです。これを9名で処理する、と言うことになりますと、私の経験からですが、設計・積算、さらに現場の立会・打合せ、それらを平行して処理できるのは、せいぜい、5件程度が1人の技術者で充分な監理が出来る限界ではないかと思いますので、現在はかなり無理をしているな、と思います。現在の組織体制で『校舎・屋内運動場の耐震化対策を平成27年度末までに完了』させていという教育部の目標を達成することにはかなり困難が予想されますし、さらにそれ以降に、膨大な建築物の更新作業が待ち受けているという事が明かですので、現在の顕著な技術者不足への対応や今後の建築需要が続く事も考えますと、職員の計画的な採用を図り、人材の確保を進めていただくことを、宜しくお願いいたします。
 維持管理すべき財産をスリム化するためには、近隣市との共同で建築物を減らしていく事も重要と考えます。例えば、ファシリティの四市一元管理について検討を進め、近隣市との協調によって総量の縮小を図るなど、より効率的な財産の活用を考える事も可能になってくるものと思いますが、これは現段階での回答は難しいでしょうから、その様な検討を進めることを要望するに留めまして、次の大綱の質問に移ります。
 
 大綱2点の「市営住宅の活用策について」お聞きします。
 長寿命化計画の立案について、庁内の関係各課による計画策定委員会を開催するとありましたが、具体的にはどの様な課が検討に加わってくるのかお答え下さい。
 
 委員会のメンバーにつきましては、企画課、財政課、社会福祉課、障害福祉課、高齢者福祉課等がメンバーとなっています。そして、事務局といたしましては建築住宅課がとりまとめ、その様な組織でございます。
 

 聞きますと、福祉部から3つの課が委員会に加わるという回答でございます。市営住宅の入居者には高齢者が多いというような現状を踏まえますと、大規模な市営住宅には福祉施設の併設など、今後は検討していくのか、お答え下さい。
 
 木更津市営住宅長寿命化計画策定員会では、市営住宅の将来的なあり方について、市営住宅の更新、統廃合、民間住宅の活用、PFIの可能性など、今後10年間を見据えた将来計画を策定する事となっているようでございます。ご指摘の福祉施設の併設についても、この委員会の中で研究されていくものだと考えております。
 

 委員会での研究という事なので、本市の取り組みが他の模範となることを希望いたします。
 長寿命化計画の進め方について確認いたしますが、先進市の取り組み等の情報収集や検討をするという事でありました。計画の早い段階で市民や学識経験者の意見を聞き、他市の先駆けとなるような内容について取り組んでいく考えは無いのか、お伺いします。
 
 今回の長寿命化計画の策定につきましては、現況の市営住宅のあり方に関する方向性を示したい、そこに着眼を置いておりまして、新規市営住宅の整備、建て替え、用途廃止、施設の統合、様々な可能性を検討していきたいと考えております。先ほどご指摘の有りました、早い段階での市民や学識経験者の意見をということでございますけれども、この基本計画の上位計画となります住宅マスタープランや住生活基本計画等の策定にあたりましては、ご指摘の通り市民や学識経験者の意見を聞かなければならないと考えておりますけれども、今回の計画策定に当たっては、市内部で最大限の智恵を搾って検討して参りたいと考えております。
 

 市内部での検討ということでございますが、私の今回の質問は市営住宅という市の資産が、現在は充分な活用をされていないので、更新にあたってはそれを積極的にまちづくりへ誘導出来るようにと考えて行っておりますので、必要に応じて外部の意見も採り入れていただき、良いものを作っていただけるよう、これは要望させて頂きます。
 入居状況を見てみますと、政策空屋としている団地でも空室率が低いものが有る一方、東清団地のように空室の目立つ団地も有ります。入居者の少ない所は何らかの問題があると思われますが、建物の更新については、そのような場所から始めるものなのか、伺います。
 
 現段階では、まだ、具体的な方針は示されておりませんが、需要を見極めた上で対応したいと思います。なお祇園団地等につきましては、政策的な空き家対策をとっているため、新規募集を行っておりません。更に近年、岩根団地及び久津間団地につきましても新規の入居募集を中止している、その様な状況でございます。
 

 政策空屋としている団地では新規の入居者を中止しているということですが、現在入居者が残っておりますので、そこを更新又は廃止することを考えますと、現在住んでいただいている方には引越代金を負担したり、引越先の家賃差額保証を行うような、いわゆる住み替え事業に取り組むべきものと考えますが、それについてはどの様にお考えかお伺いします。
 
 現段階では、検討前という事なので確かなお答えは出来ませんけれども、以前東清団地で住戸改善を実施した折りには、引越し代金の一部、仮住戸の家賃の引き下げ、再入居後5年間の傾斜家賃採用などを行った経緯がございますので、同様の措置を検討してまいりたいと考えております。
 

 解りました。市営住宅については、だいぶ老朽化しておりますので、新たな展開を検討する場合には、この財産を有効に活用できる政策を取っていただけることを期待いたしまして、次の大綱の再質問に移ります。
 
 消防組織の再検討についての再質問ですが、部の統廃合についてお伺いしますが、行政が主体となって地域と協議することは考えていないという回答でございました。地域の役員の側でも、自分の代で廃止するとか統合するとか、なかなか言い出しにくく、結局現状維持になっているという状況があります。せめて素案の提示は可能ではないかと思いますが、そのような提案を行う考えはないのか、改めてお伺いします。
 
 先ほど答弁させていただきましたとおり、私ども行政側から全体の配置まで考えた素案の提示については、示しづらい面がございます。しかしながら、消防団活動の協力依頼やPR文書等の中で、統廃合について地元からも言い出し易いような環境整備をしていくことは可能であろうと思っております。
 

 解りました。現状では現役の消防団員に過大な負担が発生しております。それの解決になることや、詰所等の適切な位置配置、また車両等の財政負担を軽減する効果等も考えまして、先ほど言われました『言い出し易くなるような環境整備』を進めていただくことを、宜しくお願いいたします。
 機能別消防団について再度伺います。その機能別消防団という組織には詰所とか車両の配置については、どの様に考えているのか、お伺いします。
 
 仮に、機能別分団ができた場合には、団本部直轄というふうになろうかと思われますので、専用の詰所や車両は配置しない予定で考えております。その場合の集結場所や資機材については、その機能別分団の目的に合わせ整備するようにしたいと考えております。
 

 了解いたしました。では次に分署出張所についてお伺いします。消防本部庁舎の建替えや移転等を含めて、これらについては総合的に検討していくという回答でございましたが、消防本部庁舎の建替え等については、今回の市役所本庁舎の検討の中で合わせて行うという事でよろしいでしょうか、お伺いします。
 
 現在のところ、市役所本庁舎の建替えと併せての検討とまでは至っておりません。
 

 本庁舎の建替え検討と併せて検討までには至っていないと言う回答ではございますが、大綱1の方でも質問させていただきましたように、建築物の総量抑制という観点もございますし、防災拠点のあり方等を考える中で、やはり消防本部と市役所本庁舎については、併せて平行して検討する事が、やはり望ましいものと思います。先日行われました全員協議会の中で説明がありました新庁舎の検討というものが有りました。ただ、今回議会に『付属機関設置条例の一部改正』という事で議案に上がっておりますので、ここでこれ以上の質問については行わないでおきます。
 市役所本庁舎整備検討に関する事案が、これから大きなテーマになって来ると思いますが、今回提示いたしましたように、本市には庁舎以外にも膨大な市有建築物がございます。20倍から30倍という膨大な建築物が有ります。その中で市営住宅を筆頭に、だいぶ老朽化している財産も数多くございます。資産を適正に配置して活用することや、総量を減らすことが今後の大きな課題であることを認識し、今後も引き続き検討を進めていただくことを要望しまして、今議会における私の質問を全て終了いたします。